つちのこ更新日記 クレイグ・マクラクラン四部作を読む
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クレイグ・マクラクラン四部作を読む

電車通勤の良いところは、本が読めることでしょうか。
復職して往復3時間の通勤がスタートしましたが、つまらない仕事に比べると読書をしているときがいちばんの至福のひとときです。

最近ブックオフのオンライン通販で手に入れたのがクレイグ・マクラクラン著『ガイジン巡礼珍道中』(2003年小学館文庫)。
西国三十三か所の寺院を徒歩とママチャリで23日間で成し遂げる旅のレポートです。

著者の本は四冊出ていますが、最初に出版された99日間で達成した『ニッポン縦断歩き旅』(1998年同)から、二作目の78日間で達成した『ニッポン百名山よじ登り』(1999年同)、そして三作目の30日間の記録『四国八十八か所夏遍路』(2000年同)までは出版と同時に購入して読んできました。
しかし、最後の四作目『ガイジン巡礼珍道中』が手に入らず、ようやくこの数日間で読むことができました。
いずれのチャレンジも徒歩や自転車といった人力によるもので、しかもそのスピードも凄いですが、野宿を中心とした旅の記録だということに価値を感じます。
おそらく、日本人でもこれに並ぶチャレンジをした人は少ない(いない?)のではないかと思います。

チャレンジの理由については、著者がシリーズの中で「日本をもっと知りたいから」「本当の日本を探して」と幾度も書いていますが、日本人の奥さんを持ち、母国のニュージーランドと行ったり来たりの生活の中で親日家として過ごしてきても、日本の魅力をもっともっと追求したいという欲求にはまったく頭が下がります。

田舎の暮らしや銭湯のルールなど、日本人では当たり前のこともガイジンならではの疑問や驚きの表現が随所にちりばめられていて楽しいです。
かたや、国道沿いや山に捨てられたゴミやたばこの吸い殻に憤慨したり、ケータイに毒された国民性にあきれたり、海外に行ったのに外国人とひと言も話さずに帰ってくる団体ツアー…といった辛辣な批判に感心することしきりです。

最後の四作目が出てから16年が経ち、冒険紀行としてもそろそろ古典の部類になってきましたが、目標に向かって人力でやり遂げるという根底にあるこだわりの精神は、時代が変わっても決して風化しないと思います。

いつの日にか、私にもこんな旅ができたらと…うーん、夢ですが。


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[ 2019/11/07 ] ▼読書 | TB(0) | CM(0)

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