栗(くり)と粟(あわ)の漢字が似ていることから、それぞれの特性や違いについて興味を持つ方も多いでしょう。
栗(くり)は、秋の代表的な果実として親しまれています。
一方、粟(あわ)は、一般的にはあまり馴染みが薄いかもしれません。
見た目をすぐに思い浮かべることができる人は少ないでしょう。
私自身、粟に関する知識がほとんどなかったので、この機会に栗と粟の基本的な違いや、粟がどのような植物であるかを詳しく調べてみました。
栗(くり)と粟(あわ)の見た目の違い
栗(くり)と粟(あわ)は、見た目の漢字が似ていますが、それぞれ全く異なる植物です。
外見の違いは一目瞭然です。
漢字での混同はあるかもしれませんが、実物を見れば間違えることはありません。
栗(くり)は、トゲトゲした外皮に包まれた木の果実で、秋に収穫されることが多いです。
粟(あわ)はイネ科の植物であり、雑穀の一種として分類されます。
畑で栽培される粟は、お米のように穂をつける姿が特徴的ですが、栗とは根本的に異なる植物です。
これら二つの植物を並べてみると、外見や育ち方がどれほど異なるかが一目瞭然です。
漢字が似ているために混乱することはあっても、実際には混同することなく区別することができます。
栗(くり)と粟(あわ)の漢字の違い
栗(くり)と粟(あわ)の漢字の違いは、下の部分が「木」か「草」かということです。
見た目の違いでもわかったように、栗(くり)木に実がなっているから「木」、粟(あわ)は、お米のように穂をつけるので「米」と覚えると、間違えないかもしれませんね。
それぞれの部首や読み方などは、以下の通りです。
栗(くり)
- 部首:木
- 画数:10
- 音:リツ・リ
- 訓:くり・おのの(く)・きび(しい)
栗(くり)には、おののく、きびしい、といった意味もあるとは知りませんでした!
粟(あわ)
- 部首:米
- 画数:12
- 音:ゾク・ショク・ソク
- 訓:あわ・もみ・ふち
粟(あわ)について
くりは、とてもポピュラーな食べ物なので、アワについて少し掘り下げてみます。
粟(あわ)は、日本で古くから栽培されている伝統的な穀物で、一般的にはあまり見かけないかもしれませんが、その歴史は非常に古いものです。
この穀物は雑穀に分類され、お米が広く普及するよりも前から日本で栽培されてきました。
粟は米、麦、豆、黍とともに「五穀」と呼ばれ、これらを組み合わせた「五穀米」は今でも多くの人に親しまれています。
粟の利用は、第二次世界大戦後に大きく減少しました。
米や小麦などの他の穀物が主食としての地位を確立し、粟は徐々に影を潜めることになりました。
現在では、五穀米の一部として、またパン作りなどに活用されることがあります。
そのほかにも、粟ぜんざいや、粟漬けなどがあります。
(ここでもまた、「粟ぜんざい」と「栗ぜんざい」が紛らわしいですね!)
粟ぜんざいは、柔らかく蒸したもち粟を餅でまとめて丸餅にし、その上から熱々のこし餡をたっぷりとかけて作ります。
この和菓子は、粟のプチプチとした食感が楽しめます。
ただ、売っている甘味処を探すのは難しそうです。
お正月料理にも、粟は使用されます。
たとえば「コハダの粟漬け」。
縁起の良い出世魚として知られるコハダを、クチナシで黄色に染めた粟で漬けた料理です。
この料理には五穀豊穣を願う思いが込められており、特別な日に食べられることが多いです。
また、この他にはペットのエサとしても利用されるなど、私たちの日常生活では目立たないかもしれませんが、粟は様々な形で活用されているのです。
ちなみに「岩おこし」「粟おこし」として知られている、大阪の有名なお菓子があります。
「粟おこし」という名前なので、粟で作ったおこしなのかなと思ったのですが、それは江戸時代の話で、現在はお米を使っているとのこと。
お米を、粟のように砕いて使っているから「粟おこし」というようです。
「おこし」は、米や粟を熱して乾燥させた後、熱い砂糖や水飴と混ぜ、型に入れてさらに乾燥させることで作られる伝統的な干菓子です。
粟を使ったおこしも、探せばどこかにはあるかもしれません。
まとめ
栗と粟は、見た目や育つ環境が全く違います。
このため、それぞれの特徴や育ち方を比べると、その違いは一目瞭然です。
形が似ているため漢字を間違えやすいですが、実際にははっきりとした区別があります。
正しい漢字の形を覚えるためには、それぞれの植物の画像を見て、実際の違いを目で確認することが役立ちます。