提供:ことりっぷ
下呂温泉は平安時代には湧き出ていたといわれる、歴史ある温泉。今ではホテルや土産物店が立ち並ぶ温泉街が広がり、多くの湯治客・観光客でにぎわいます。そんな温泉街から少し離れた場所にある、昔ながらの暮らしを体験できるスポットを訪ねました。苔むした茅葺屋根の古民家が立ち並ぶ村内では、下呂の名物が楽しめるカフェも。自然の中を散策しながら、レトロな時間を過ごしてみませんか。
下呂温泉街の坂を上った先にある、昔懐かしい風景
「下呂温泉合掌村」は、貴重な合掌造りの民家の保存伝承のために今から約60年前にオープンしたテーマパーク。下呂温泉の中心街からは徒歩10分ほどの場所にあり、山の自然に囲まれた四季折々の美しい風景が広がるスポットです。合掌村の前には野菜や民芸品などさまざまな品を販売するお店が軒を連ねる「いでゆ朝市」もあり多くの人でにぎわいます。
「いでゆ朝市」の奥には合掌村への近道があるのでここから入口へ向かいましょう。エントランスも茅葺屋根の建物となっています。
囲炉裏のある民家で、ひんやりスイーツを
「ばんこあんみつ」(冷やし抹茶のセット1,250円)
合掌村の中には白川郷などから移築した国指定重要有形民俗文化財の「旧大戸家住宅」など、貴重な意匠を残す建物が自然の中に点在していて、貴重な建物を利用した食事処などの休憩スポットがいくつもあります。なかでも「萬古庵」は南飛騨特有の建築形式で作られた建物を使った喫茶店&ギャラリー。1階はカフェスペースとレンタルきもののコーナー、2階はギャラリーとなっていて、広い土間や囲炉裏などがそのまま残されています。
「雪氷ソーダレモン」(700円)
こちらの名物は、下呂の食材満載のあんみつ。具材は下呂の特産であるトマトのはちみつ漬けのほか、わらび餅風にきな粉をまぶしたコンニャク、自家製白玉などがのったカラフルで食感も楽しいデザートです。ほかにも夏限定の冷たいドリンクなど、季節ごとにさまざまなメニューを取り揃えています。
飛騨の民芸を手作りして記念のお土産に
さるぼぼ作り体験(2,200円)
合掌村には飛騨の工芸を体験できる工房もあるので、ぜひ思い出の品づくりをしてみてください。「飛騨工房」は陶芸や紙漉きができる体験工房となっていて、予約も不要でできる体験も。子どもから大人まで気軽にお土産作りが楽しめます。
絵付け体験やろくろ体験など、陶芸を楽しむことも
人気は好きな生地を選んでオリジナルのさるぼぼ人形作り。飛騨の郷土玩具であり、お守りとしても親しまれてきた、さるぼぼ。サルの赤ちゃんという意味なので、赤いものが定番ですが、黄色やピンクなど色もいろいろなものから選ぶことができますよ。
散策途中にご利益スポットで参詣を
合掌村には2つの神社があり、ひとつは下呂温泉街の中にもある「かえる神社」。こちらの神社が下呂のかえる神社の元祖なのだそう。「無事カエル」「若ガエル」といった語呂合わせから、さまざまなご利益があるとされています。
村内にあちこちにカエルがいます
もうひとつの神社は「高椅神社(たかはしじんじゃ)」と呼ばれる料理の神様を祀った神社。旅館やホテルが多い下呂で働く料理人の方々が参詣に訪れます。料理の腕を上げたい、という人はぜひ参詣してみてはいかがでしょうか。
四季折々の自然と共に散策しながら楽しい思い出を
ほかにも、囲炉裏で焼く川魚がいつでも楽しめる食事処や見晴らしのよい巨大滑り台、足湯など、さまざまな施設がある「下呂温泉合掌村」。季節の花々や紅葉、雪景色など、四季折々に風景が変わり、昔ながら建物の美しさが際立ちます。下呂温泉に訪れた際にはぜひ立ち寄って、古き良き日本の原風景と飛騨の名物に心癒されるひとときを過ごしてみてくださいね。
文:田口真由美