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鮭とば(さけとば)
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北海道鮭とば(さけとば)
分類(大)
水産
分類(小)
乾物
主な使用食材
鮭
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画像提供元:〇〇〇
主な伝承地域
道内全域
食品概要(特徴・種類)
鮭に塩や調味料を加えて乾燥させたもの。鮭の身には、うま味成分のグルタミン酸が豊富に含まれているため噛めば噛むほど旨味がでる。「とば」はアイヌ語で「トゥパ」といい、鮭を細かく切り乾燥させたものという意味を持つ。使用される主な魚種は「シロザケ」である。定番で皮がついている棒状の「棒とば」、味をつけた鮭をシート状に伸ばして乾燥させた後、短冊状に切った「スティックタイプ」、柔らかめで塩分少なめの「ソフトタイプ」など種類豊富。さらに鮭を半身のまま干した伝統的な鮭とばや、スパイスをきかせたビーフジャーキーに似た商品もある。
歴史・文化、関連行事
アイヌ民族は、鮭を「神が人間のために神々の国から送ってくれた魚」と考えており、食料としてだけでなく、皮を生活用品に加工したり、交易品としても利用していた。北海道や千島列島に居住していたアイヌ民族が、鮭を保存食にするために縦に細かく切り海水で洗い、軒下に干して乾燥させ貯蔵していた。これが、鮭とばの発祥と言われている。アイヌ民族の作った鮭とばは、固く乾燥しているものだったが、現在ではソフトタイプや甘みが加わったタイプなど工夫したものが流通している。
製造方法
生の鮭を半身にして細長く切る。切り身を使う場合は同じ厚さになるように切り身を薄く切り分ける。切るときは、半冷凍にすると切りやすい。下ごしらえが終わったら塩水に漬ける。甘めの味付けにする場合は、砂糖を混ぜる。塩漬けが終わったら、鮭を乾物ネットにのせて1週間程度干す。気温が10度を下回る晩秋から春前に作るとよりおいしくできる。また、オーブンでひっくり返しながら加熱して乾燥させることもできる。シンプルな原料・作り方のため、素材本来のおいしさを感じることができる。
保護・継承の取り組み
鮭の聖地として日本遺産に登録されている根室海峡近辺では、自然や日本遺産を保護するため「鮭の聖地食めぐりトラストプログラム」を実施。プログラム内の食べ歩きコーナーには「笹谷商店」の鮭とばが登録されている。
主な食べ方
そのまま食べるのが一般的。皮が固くゴムのように弾力があるため、炙ると皮がパリッとして食べやすくなる。皮が苦手な人のために皮が剥かれた商品や、一口大にカットされたもの、日本酒漬けなども売っており酒の肴として人気。全国のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、ドラッグストアなどで販売されているため気軽に購入することができる。