田原:つまり、人口減少社会でも成長があり得る、と。
それと僕はいちばんの問題だと思うのは、つまり、
長期と短期の問題をごっちゃにしているところだと思う。
たとえば、30年後、50年後には今の人口が1億人を切って、
8,000万人とか7,000万人になると、長期的には消費は落ちるでしょうね。
でもそれと、短期の3年、4年の話とは違うでしょう。
それをごっちゃにしているんじゃないか、と。
竹中:それと、本当に10年、20年のタームだと、
移民を受け入れればいいんですよ。それで、普通は
アメリカでもオーストラリアでも成長戦略を議論する場合には、
必ず最初に移民の問題を議論するんです。
経済成長に必要な人材確保に移民受け入れの議論は不可欠
田原:なんで移民の議論は出てこないんですか??
産業競争力会議で移民の議論なんか出てこないじゃないですか。
竹中:いや、私はしていますよ。
他の人が賛成しないから出てこないんですね。
私は産業競争力会議の議論で最後の最後まで言っています。
「移民」という言葉だといろいろイメージするものがあるので、
「経済成長に必要な人材確保と人材交流については、
官房長官の下で長期の議論をする場所を作ってほしい」
というふうに言っています。
田原:ただ、移民に対する反対の議論としては、
「日本は島国なんだ、ヨーロッパみたいに山ひとつ川ひとつで
国境が隔てられているなら元々いろいろな民族が
入ってきているからいいんだろうけど、日本は島国で
周りは海なんだから移民は無理じゃないか」という議論がありますね。
これはどうですか?
竹中:オーストラリアも島国ですよね。大きな島国なんですが、
オーストラリアの最大の戦略は移民戦略です。
イギリスにも移民はいます。だから、為にする議論ですね。
とにかく「イヤだから」ということで島国だとか
言っているのが見え見えの議論なので、
もうちょっと考えたほうがいいと思いますね。
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