東北の名峰「鳥海山」の麓、山形県遊佐町にある「丸池様(まるいけさま)」と、池のすぐ側を流れる清流「牛渡川(うしわたりがわ)」の早春の頃の様子です。
「丸池」に何故「様」をつけて地元の人々は敬意・畏敬を表すかというと、この池は正式には鳥海山大物忌(おおものいみ)神社の境外末社に当たる「丸池神社」という神社で、古くから池そのものが御神体として崇められてきたからなのです。
つまり池そのものが神様なのですね。
この池は、県内唯一といわれる湧水のみを水源とした直径20m、水深3.5mの池で、透明で豊富な湧き水が樹木の間から差し込む光を捉え、エメラルドグリーンに輝き美しくも神秘的なたたずまいを見せてくれます。
春から秋にかけて光が強まると鮮やかな彩りで人々を楽しませてくれますが、冬場は光が弱く控えめな色合いです。でもその分、神秘性はどの季節よりも強く感じられるように思えるのです。
2008年(平成20年)には、鳥海山信仰の一翼を担う重要な史跡として国指定史跡にも指定されています。また、池の周りにはうねった原始林が生い茂って、町の天然記念物にも指定されています。
ちなみに、鳥海山の山上にある「鳥海湖」(7合目の御浜付近にあるカルデラ湖)と「丸池様」の水脈は、地中深く通じているという言い伝えもあるそうです。
『牛渡川』
丸池様のすぐ側には同じく鳥海山の湧水を源にした清流が流れています。
「牛渡川(うしわたりがわ)」です。
全長4kmあまりの小さな川ですが、川の水のほぼ全てが鳥海山からの湧き水で、その流量は24t/分あるそうです。
初夏には涼しい清流でしか育たない梅花藻(バイカモ)が川を覆い、小さな白い花を一面に咲かせます。また、この川は希少な生態系が構成され、秋から冬にかけては大量の鮭もこの川に帰ってきます。
(「清流にしか生きられないイバラトミヨやカジカ類が5種類同時に生息するのは全国でも唯一ここだけだよ♪」と教えてくれたのは「淡水魚の先生」である今は亡き鈴木康之さんでした。)
冬が終わり春が訪れる今時分は、雪解け水も加わり水量がどの季節よりも多めですが、岸辺には春真っ先に咲く山菜、蕗の薹(庄内では「ばんけ」と言います。)が顔を出していました。
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撮影地 : 山形県遊佐町
撮影DATE
Nikon Z 7
NIKKOR Z 14-30mm f/4 S
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
晩冬の丸池様と牛渡川
牛渡川
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