ゲームはたしなむ程度ですが、そんな自分から見てもちょっとどうかなと思う記事がありました。
※男女のキャラクター設定ができるお勧めのゲーム。
ゲームにおける女性主人公の少なさとジェンダー問題 - 田舎で底辺暮らし
アメリカでのスマホアプリのとあるジャンルでのランキングでの女性主人公の少なさと、PS4での一部のゲームでの女性キャラクターの扱いの酷さを持って、ゲームにおいて女性主人公は少なく、ジェンダー問題についてはないがしろにされているのではないかという論です。
以下、一部引用します。
バイオハザードの新作は女性二人がメインキャラになっているけれど、美人な二人やなぁ、って実況動画を見てたら、コメント欄では女が可愛くないだの何だのと言われていて、同ゲームには冴えないおっさんもメインキャラとして出てくるのに、そのことには誰も触れないので、女キャラってだけでこんだけ容姿ジャッジされるんじゃ、女性キャラが男性キャラのように当たり前に主人公として登場するっていうのは、まだまだ難しそうだと思った。
これは別にゲーム業界に限った話じゃなくて、この世の中を反映しているだけなんだろうなぁ…
息抜きする娯楽でも実社会そのまま、むしろ強化されたようなこういうジェンダー感覚で作られていると、娯楽も娯楽にならないというか、もうちょっとこの状況が改善されてほしい、と思う。
確かに、一部のゲームにおいてはそういった議論があると思います。ただ、この方が仰っているような、ゲーム一般において、女性キャラが当たり前のように主人公としては登場していない、世の中を反映していない、偏ったジェンダー感覚で作られれているという話には首をかしげます。
例えば、この方が例に挙げたバイオハザードであれば、1996年に発売された第一作では、ジルという女性キャラクターとクリスという男性キャラクターを選択できるようになっています。当たり前に主人公として登場しています。(ただし、ジルはクリスに比べて難易度が低い。)
他にも以下は2014年の家庭用ゲーム機における売上本数ランキングトップ10ですが、
2014年国内ゲーム市場速報が発表 市場規模は3685.5億円、ソフトランキングトップは『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』 - ファミ通.com
<第1位>
『妖怪ウォッチ2 元祖/本家』(レベルファイブ/ニンテンドー3DS/2014年7月10日発売)
・推定年間販売本数:3,050,178
・推定累計販売本数:3,050,178
<第2位>
『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』(ポケモン/ニンテンドー3DS/2014年11月21日発売)
・推定年間販売本数:2,464,850
・推定累計販売本数:2,464,850
<第3位>
『モンスターハンター4G』(カプコン/ニンテンドー3DS/2014年10月11日発売)
・推定年間販売本数:2,381,177
・推定累計販売本数:2,381,177
<第4位>
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS』(任天堂/ニンテンドー3DS/2014年9月13日発売)
・推定年間販売本数:2,066,022
・推定累計販売本数:2,066,022
<第5位>
『妖怪ウォッチ2 真打』(レベルファイブ/ニンテンドー3DS/2014年12月13日発売)
・推定年間販売本数:2,007,327
・推定累計販売本数:2,007,327
<第6位>
『妖怪ウォッチ』(レベルファイブ/ニンテンドー3DS/2013年7月11日発売)
・推定年間販売本数:994,346
・推定累計販売本数:1,280,799
<第7位>
『マリオカート8』(任天堂/Wii U/2014年5月29日発売)
・推定年間販売本数:842,053
・推定累計販売本数:842,053
<第8位>
『ドラゴンクエストモンスターズ2 イルとルカの不思議なふしぎな鍵』(スクウェア・エニックス/ニンテンドー3DS/2014年2月6日発売)
・推定年間販売本数:748,139
・推定累計販売本数:748,139
<第9位>
『星のカービィ トリプルデラックス』(任天堂/ニンテンドー3DS/2014年1月11日発売)
・推定年間販売本数:687,957
・推定累計販売本数:687,957
<第10位>
『大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U』(任天堂/Wii U/2014年12月6日発売)
・推定年間販売本数:478,366
・推定累計販売本数:478,366
このうち、女性キャラクターを選択できないのは『星のカービィ トリプルデラックス』ぐらいです。
さらに、この方が購入されたPS4は、発売当初のユーザーへの購入意向アンケートでは購入意向者のうち男女比は4:1ということでした。
PlayStation 4、日本のユーザーはどう迎えた?・・・「データでみるゲーム産業のいま」第52回 / GameBusiness.jp
PS4は男女比が4:1で、20代前半〜30代前半を中心とした構成であるのに対し、WiiUは男女比がほぼ半分ずつで、10代前半が目立つ構成となっています。いずれも現行機・前世代機であるPS3とWiiのユーザー構成に酷似した形です。
仮に購入者がこの比率であれば、男性向けのゲームの比率がPS4で高くなるのはマーケティング上理解できないこともありません。女性購読者が多いファッション誌であれば女性服が掲載されますし、TVCMなんていうのもその番組の視聴者層に合わせて提供されます。
ランキングやマーケティングが全てだとは申し上げるつもりはありません。ただ、ゲーム全般について女性主人公が少ないということを主張するのであれば、それ相応の下調べをしたほうがいいのではないかということです。ジェンダー上問題がある作品を批判することを否定するつもりはありません。