朝日新聞の調査で選択的夫婦別姓に賛成の人が69%となっていました。
調査方法が異なっているため単純な経年比較は難しいでしょうが、選択的夫婦別姓の導入に向けて世論が着々と醸成されていっている気がします。もう時間の問題でしょうか。
私はずっと前から選択的夫婦別姓には賛成していますが、せっかくですので、この機に改めて自分が選択的夫婦別姓に賛成している理由や関連して考えていることを書いてみます。
まず、選択的夫婦別姓に賛成している理由は、姓の選択によって実害を被っている人がいるからです。姓を変えた当人は銀行口座やパスポートの変更手続きが必要となります。離婚をしたら、また変更が必要になる。面倒くさい。会社・組織によっては旧姓を通称として利用するのが否定されることもある。面倒くさい。
また、アイデンティティとしての姓ももちろんあると考えています。名前が重要視されるのなら、名前と同様に何年も利用してきた名字に価値を見出す人はいるはずで、二者択一というのは解せない。
一方で、選択的夫婦別姓が受け入れられない理由は、
- 制度上まだ認められていない
- 選択肢がある状況が嫌
- 子どもの姓をどっちにするかで揉める
- 家族が一体になりにくくなる
こんな感じだと理解しています。
1は、実態がどうかということなので制度が正式に変われば受け入れられる話。
2は、そういう人がいるのは理解できるけれど、世の中は究極的には利害の調整で物事が決まり、特に利益がある、害が大きいものが優先的に対応されるものだと私は考えていて、夫婦別姓で困っている人の数と困り度の深さ > 夫婦別姓で選択肢ができることの苦痛さ と整理しています。
3については、今でも夫婦どちらかの姓にする=子どもの姓もどちらにするか決めているということですから、選択的夫婦別姓だから生まれる問題というわけではありません。ただ、姓を必ずしも夫側に寄せる必要はないということを選択的夫婦別姓は主に実現しようとしているところはあるので、夫婦別姓の上で、妻側の姓に子どもをすると異論を挟んでくる祖父母世代は確実にいるとは思います。
4については、名字が同じであるときとそうでないときとで家族関係に影響があるという論文をついぞ見たことはないので、たぶん大丈夫じゃないかと思っています。直感的には、同じ姓を強要するとか、子どもの姓を自分の姓じゃないと絶対に嫌だと強弁する人は、選択的夫婦別姓が導入されてようがいまいが、家庭内不和を起こしやすいでしょうけどね。何しろ夫婦で会話をして擦り合わせをすることが不得意なのだから。
以上、選択的夫婦別姓で自分が考えていることを書いてみました。
もちろん私の考えなので、他の人の意見を拘束するつもりもないし、できません。意見が違う人を批判するほどは社会運動として熱心にやるつもりもない。
ただ、私の子どもが(しないかもだけど)結婚を考えるぐらいのときには選択的夫婦別姓が導入されているといいなぐらいの期待値で、これからも機会があれば選択的夫婦別姓に賛成であることを公私で表明していくつもりです。