私は服にそんなに興味がないのですが、『服を着るならこんなふうに』という漫画を最近ちょくちょく読んでます。Webで直近の話は無料で読めます。私は単行本で7巻まで読みました。
「服を着るならこんなふうに」|ヤングエースUP - 無料で漫画が読めるWebコミックサイト
20代半ば~後半ぐらいの男性会社員が、ファッション好きの大学生の妹から、ファッションのいろはを教えてもらい、ファッションの楽しさに目覚めるというお話です。
掲載誌がヤングエースのWeb版ですし、脱オタクファッションみたいな感じで、若い男性がメインターゲットではあるものの、ファッションが好きな若い女性も対象にはなっています。ユニクロ(及びGU)率がかなり高い。
私はもう若くはないので、この漫画の対象読者とはズレると思いますが、『服を着るならこんなふうに』を楽しく読んでいます。目的は、もっぱら人間模様を眺めることです。20代の今どきの男女の感性というか、人間関係ってこんな感じかなーというのを垣間見るのが好きです。
私のパートナーは、ファッションの話と人間模様の両方を楽しんでるようなので、『きのう何食べた?』では、私は料理と人間模様を楽しみ、パートナーは人間模様のみ楽しんでいるので、ちょうど逆ですね。
『きのう何食べた?』の料理シーンをすっ飛ばす人と『アカギ』の麻雀シーンをすっ飛ばす人 - 斗比主閲子の姑日記
ブログに書きたかったのは、その人間模様ではなく、ファッションの話なんですけど、作中で、妹さんがお兄ちゃんに対して、何回か女性物の服をおすすめするんですね。最初はジーンズだったかな。シルエットが良くて、ウェストがゴムで男性でも履きやすいとかで。お兄ちゃんは最初は抵抗するけど、徐々に「ファッションって固定観念に囚われないものだよな!」みたいな感じで、女性物を着ることへの躊躇が徐々に減っていく。
このように、ある特定の性別・年齢層に作られたはずの服が他の層に利用されているというのは、リアルな店舗だとなかなかお目にかかりにくいのですが(私がリアルな店舗にほとんどいかないというのもある)、ファッションブランドのECサイトでのレビューを見ると、かなりよくあることだというのが分かります。
例えば、ユニクロのワッフルクルーネックT(長袖)という商品。こちらはMENSカテゴリーにも関わらず、レビュー欄では女性の割合が4割ぐらいあります。以下は抜粋です。同じページに3つ連続で並んでた。
あえてダボッとした感じにしたいからとか、袖の長さが気にいるのがたまたま男性物だったとか、個々人の試行錯誤の結果選んでる様子がレビューからも伝わってきます。
『服を着るならこんなふうに』で妹がお兄ちゃんにファッションはカテゴリーに縛られる必要がないということを説いているように、すでに、そういうファッションの垣根を気にしないでいる人がたくさんいるようです。
子ども服のレビューでも大人が買っているというのを見かけることがありますし、その逆で子どもが大人向けの服を買っているレビューも見かけます。
何というか、こういう自由な感じはいいですね。小奇麗にみさせるのとか、カジュアルに寄るのとか、そのためのルールはあるけれど、誰向けに作られたとかは気にする必要は必ずしもない。
私が『服を着るならこんなふうに』を好きなのは、人間模様に加えて、こういう発想が根底に流れているところもあるんだろうなと思います。