梅月夜の夢物語り 24人のビリー・ミリガン(ミステリー小説)

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こんにちは。

今日は小説の感想記事です。





   24人のビリー・ミリガン

      作者:ダイエル・キイス


〇あらすじ
ビリーの中には、実に24もの人格が潜んでいた。
気弱な少年、暴力的な支配者、リーダー格のイギリス人、3歳の少女……。
性格、知能、年齢、国籍、性別さえ異なるこれらの人格はいかにして生まれたのか?
「基本人格」のビリーは一貫した意識を保てない不安定な状態に苦しみ、何度も自殺を試みる。
やがて治療により回復のきざしが見え始めるが、世間の好奇の目や反発にさらされ、劣悪な環境の施設に移される可能性が出てくる……
「多重人格」を世に知らしめた記念碑的ノンフィクション。




ビリー・ミリガンはアメリカ生まれの男性で、強盗強姦事件で逮捕・起訴されたが、彼は解離性同一性障害(解離性同一症)を患っていると主張、裁判で解離性同一症と事件の関わりにおいて注目され、有名になった人物。
著書は彼の事件とその人格について書かれている。

受け入れがたいことがあると、それ専用の人格が誕生する。
ドラマや映画では多重人格者を見たことはあるけれど、実際にはどんな感じなのか。
この小説を読むとそれが具体的に感じ取ることができる。
思わず錯覚をしてしまうぐらいにはリアルだ。

ビリーは心が純粋で、壊れやすく繊細。
そして、嫌なことや怖いことがあるとそれに立ち向かうことを恐れ、逃げてしまう精神が弱い人物だ。
もちろん誰だって逃げ出してしまいたい時は沢山ある。彼のように幼少期に例えば虐待されたとか、いじめにあったとか。
それこそ、誰にも言えないようなもっと最悪な経験をしたことがある人だっていっぱいいるはずだ。
その誰もが彼のような多重人格には陥らず、懸命に戦い、苦しみながらも救いを求めて、幸せを祈って生きているのではないか。
それを思うと、彼の弱さに対してはあまり共感はできない。

けれど、彼の逃げずにはいられなかった現状には同情する。
誰か彼の傍にいたならば。
理解者がいたならば。
これは悲しきたられば論だけど。
そう切に思ってしまうのは私だけではないはずだ。

精神的に弱いだけとはねつけてしまうには、やるせない病気だ。
いや、これを病というならばだけど。

実際の事件はさておいて。
小説としては実に面白い。
多重人格者の構造が解かりやすく、勉強になった。
ひとりの人間の中に24人もの人格が存在しているというのも、本人には辛いものだろう。
結局裁判では確か無罪だったような?(ちょっとうろ覚えだけど)

彼はもうこの世にはいない。
思うのは、彼のように苦しんでいる多重人格者はきっと多かろうということ。
精神科医やセラピストというのは、そういった精神的に病んでいる人のためにいるのだろう。
だとするならば、彼のような人物を助けていってほしいものだと思った。







一言お断りを。
実は今、ひじょうに忙しい毎日でして・・・。
コメント頂いた方々にはお返事できなくて大変申し訳ありません。
壱日も休みがない状態でして。
仕事が休みの日には資格取るため、学校に行っています。
勉強も、まあ、しているのでそれだけで精一杯の毎日です。
記事は以前書き貯めていたのを予約で更新しております。
なので、あまり自分のブログを見返す時間もなくて。
コメント頂いた方には申し訳ないですが、お返事はまだしばらくはできないことをどうかご了承ください。
宜しくお願い申し上げます。

皆さまのブログには、時間の合間にお邪魔させて頂いております。
宜しくお願い致します。

        冬灯





2021.07.01 / Top↑
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