梅月夜の夢物語り 卒業(洋画)

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2024'11.10 (Sun)

卒業(洋画)


こんにちは。

今日は昔の映画感想です。



     卒業 (1967)

      監督:マイク・ニコルズ
      出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャ
         サリン・ロスほか。
      製作国:アメリカ

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〇あらすじ

米国東海岸の有名大学陸上部のスターで新聞部長でもあったベンジャミン・ブラドックは、卒業を機に西海岸カリフォルニア州南部のパサデナへ帰郷する。

友人親戚一同が集った卒業記念パーティーで、将来を嘱望される若者に人々は陽気に話しかける。

そのパーティーで、父親の職業上のパートナーであるミスター・ロビンソンの妻のミセス・ロビンソンと再会する。

卒業記念のプレゼント、赤いアルファロメオ・スパイダー・デュエットでミセス・ロビンソンを送ったベンジャミンは、彼女から思わぬ誘惑を受ける。

一度は拒んだベンジャミンだったが、いま目標を失っている彼に示された道は他になかった。

大学院への進学を期待されながらもどこに進学するか決めないでうつろな夏休みが始まる。

夜ごとの逢瀬。

それでもぬぐい去れない虚無感。

心配した両親は、同時期に北部のバークレーの大学から帰郷した幼なじみのエレーン・ロビンソンをデートに誘えという。

一度きりのデートでわざと嫌われるようにし向けるはずが、ベンジャミンはエレーンの一途さに打たれ、二度目のデートを約束してしまう。

二度目のデートの当日、約束の場所に来たのはミセス・ロビンソンだった。

彼女はベンジャミンにエレーンと別れるように迫り、別れないならベンジャミンと交わした情事を娘に暴露すると脅す。

焦燥したベンジャミンはエレーンに自ら以前話した不倫の相手は、他ならぬあなたの母親だと告白する。

ショックを受けたエレーンは、詳しい話も聞かずに、ベンジャミンを追い出す。

エレーンを忘れられないベンジャミンは、彼女の大学に押しかけ、大学近くにアパートを借り、エレーンを追いかける。

結婚しようという彼の言葉を受け入れかけたある日、しかし、彼女は退学していた。

そしてベンジャミンはエレーンが医学部卒業の男と結婚することを知る。

どうにか彼女の結婚が執り行われているサンタバーバラにある教会を聞きだして、そこまで駆けつけたベンジャミンは、エレーンと新郎が今まさに誓いの口づけをした場面で叫ぶ。

「エレーン、エレーン!」。ベンジャミンへの愛に気づくエレーンはそれに答える。

「ベン!」。

ベンジャミンを阻止しようとするミスター・ロビンソン。

悪態をつくミセス・ロビンソン。

二人は手に手を取って教会を飛び出し、バスに飛び乗る。

バスの席に座ると、二人の喜びはやがて未来への不安に変わり、背後に「サウンド・オブ・サイレン」が流れる。



青春恋愛映画。

ダスティン・ホフマンの代表作といえば、真っ先に名前が挙がる作品といえよう。
そして音楽も有名だ。

正直言って内容に関してだけいうなら、あまり好きになれない物語。
主人公の気の弱さも好きになれないし、共感ももてない。

沈黙が効果的に使われていて、ユーモアのセンスも素晴らしい。
カメラワークがいいのかしら?
お洒落ではあると思う。

青年が魅力ある熟女の誘惑に勝てない、その心理は分かるけど。
恋に落ちた時の対処をもっとしっかりとしていれば、こんな話は大きくならなかったかもしれない。
いや、関係を持ってしまった以上、そんな簡単なことではないのか・・。
だって相手はエレーンの母親なのだから。

いくらなんだって、母と通じた男を好きにはなれない、私には。
しかしそこは映画だ。
ドラマティックな展開になっていく。
それにしてもエレーンにとってはショックが出来過ぎるだろう。
母親への不信感も拭えない。
もしかしたら母娘としては破綻してしまうんじゃないかしら。
私だったらとうてい受け入れられないもの。

全てを呑み込んだ上で逃避行するふたり。
確かに感動的とも言えなくはない。
好きな女を攫っていくシーンは、憧れる一瞬でもある。
実際、この最後の場面はまんま「卒業」として人気になったぐらいだし。
真似した人がいるのかは分からないけど、多くの作品でパロディ化するほどには人気があったと思う。

でも実際問題として。
結婚式場から逃亡したわけだから、世間的にも黙ってはいられないだろう。
両方の家の問題。
実はエレーンの母親と通じていたという事実。
結婚式の費用。
相手側に対する裏切り。
それに対する慰謝料うんぬんかんぬん・・・。

普通に考えるとなんて恐ろしい結末!
若いふたりにとってはその時は良かった結果だとしても、その先を想像するとぞっとしない。
まるで悪夢だ。

その時の感情任せの行動は、ただ若かったからの言葉では済まされない。
なにせ若いといったって、ふたりは成人してるわけだし。
愛しているという理由だけで片づけていい問題でもない。

そう考えると、ふたりの未来がすべからく輝かしいとは思えない。
金銭面でも信頼関係でも、家族間でも、すべてが暗雲立ち込める未来しか想像できない。

むしろこの後の彼らの物語の方が興味が湧くかもしれない。
まさに青春。
人は過ちを犯し、失敗しながら成長してゆく。
そんな物語だ。
















テーマ : 昔の映画 - ジャンル : 映画

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