こんにちは。
昔読んだ海外ミステリーの感想文。
アッシャー家の崩壊
作者:ポー
〇あらすじ
少年時代の旧友ロデリック・アッシャーから突然の手紙を受け取った語り手は、荒涼としたアッシャー家の屋敷にたどり着く。
神経を病んだロデリックは、その病状を軽減するために唯一の友人である語り手に来訪を請うたのであった。
数年ぶりに合った旧友は、かつての面影を残しながらもすっかり様子が変わっており、中でも死人のような肌と瞳の輝きが語り手を驚かせる。
ロデリック自身の説明するところでは、この神経疾患はアッシャー家特有のもので治療のしようがなく、一度かかると奇妙な感覚に囚われたり、五感が異常に研ぎ澄まされて苦痛を感じさせたりするのだという。
病の原因は、最愛の双子の妹マデラインが長い重病のために死に瀕しているからであった。
語り手はアッシャー家に滞在し、その間ともに書物を読んだり、ロデリックの弾くギターを聴いたりして時を過ごす。
やがてある晩、ロデリックは妹マデラインがついに息を引き取ったことを告げ、二人はその亡骸を棺に納め地下室に安置する。
この妹の死によって、ロデリックの錯乱は悪化していく。
それから7,8日経った晩、二人は窓から、屋敷全体がぼんやりと光る雲に覆われているのを見る。
この奇怪な光景がロデリックの病状に障ることを恐れた語り手は、ランスロット・キャニングの『狂気の遭遇』(架空の文学作品)を朗読しロデリックの気を紛らわせようとする。
しかし物語を読み進めるうち、その本の内容と呼応する不気味な音が屋敷のどこかから響いてくる。その音はだんだん近づいてき、やがてはっきりと聞こえるようになると、ロデリックはその音が妹が棺をこじ開け、地下室を這い登ってくる音であって、自分は妹を生きていると知りながら棺の中に閉じ込めてしまっていたのだと告白する。
やがて重い扉が開き、死装束を血で汚したマデラインが現れると、彼女は兄にのしかかり双子は死ぬ。
恐怖に駆られた語り手が屋敷を飛び出して逃げて行くと、その背後でアッシャーの屋敷はその亀裂から月の赤い光を放ちながら轟音を立てて崩れ落ち、よどんだ沼に飲み込まれていく。
旧友アッシャーが姉妹と二人で住む屋敷に招かれた語り手が、そこに滞在するうちに体験する様々な怪奇な出来事を描く、ゴシック風の幻想小説。
ポーの代表的な短編として知られており、美女の死と再生、あるいは生きながらの埋葬、得体の知れない病や書物の世界への耽溺など、ポー作品を特徴づけるモチーフの多くが用いられている。
ポーはこの作品をボストンのルイス・ウォーフに実在した「アッシャー家」の屋敷において起こった事件から着想を得たらしい。 この事件はある船員が屋敷の主人の若妻と密通し、それを知った主人が妻とともに船員を捕らえて殺害したというもので、1800年にこの屋敷が取り壊された時、互いに抱き合った二つの遺体が地下貯蔵庫から発見されたのだそうだ。
また女優であったポーの実母の親友にもアッシャーの姓を持つ女性がおり、彼女はジェイムズとアグネスという双子をもうけたが、ふたりは1814年に孤児となり、揃って神経を病んだという。
ポーの作品は大好きだ。
ゴシックな雰囲気がたまらない。
人間の奥底に眠る悪や罪悪感が織りなす心模様も面白い。
ちょっと日本の古来の怖い話に通じているような気がする。
その世界観が独特でぞくぞくする。
詩的で冗長な描写だけど、クライマックスは驚きの展開。
生きたまま棺桶に入れてしまうって・・・怖い。
そりゃ、精神が崩壊するよね(;^_^A
そしてさったさと逃げる語り手の主人公(笑)
いや、もちろんそれが正解なのだろうけど。
一応友達なのに。
妹と兄。
いったいどっちが病んでいたのか。
あるいはどちらもなのかもしれない。
たまたま妹の方が少し速く狂ってしまい、それを血の呪いと恐ろしく感じた兄が閉じ込めてしまったのかもしれない。
呪われた一族、館。
ホラーでは定番なストーリー展開。
短編なのがもったいない。
長ければ、一族の呪いの発端とかも描かれていたかもしれない。
その原点が一番面白いのに。
所謂因縁という現象。
ただの薄気味悪い、後味のはっきりしない人間心理的なホラーだからしかないのかもしれないけど。
その中途半端さが後を引く面白さへと繋がっているのだろう。
とどのつまり、いつの時代でも人間の狂気が一番怖いという話。
一言お断りを。実は今、ひじょうに忙しい毎日でして・・・。
コメント頂いた方々にはお返事できなくて大変申し訳ありません。
壱日も休みがない状態でして。
仕事が休みの日には資格取るため、学校に行っています。
勉強も、まあ、しているのでそれだけで精一杯の毎日です。
記事は以前書き貯めていたのを予約で更新しております。
なので、あまり自分のブログを見返す時間もなくて。
コメント頂いた方には申し訳ないですが、お返事はまだしばらくはできないことをどうかご了承ください。
宜しくお願い申し上げます。
皆さまのブログには、時間の合間にお邪魔させて頂いております。
宜しくお願い致します。
冬灯
テーマ : 推理小説・ミステリー - ジャンル : 本・雑誌