梅月夜の夢物語り 洋画~異国の映画館🎬

ようこそ!冬灯(とうか)のブログへ。徒然に徒然なるがままに書き綴っています。主に自作の詩、サザン、役所広司さんやドニー・イェンなどなど。他にも興味があることを気の向くままに語っております。

こんにちは。

今日は懐かしい映画の感想を。
当時はすごく流行ったかと思います。



    タイタニック (1997)

     監督:ジェームズ・キャメロン
     出演:レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット、キャシー・ベイツ他
     製作国:アメリカ

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〇あらすじ
1912年に当時最大級の豪華客船タイタニック号が沈没してから84年後の1996年の洋上から物語は始まる。
トレジャーハンターのブロック・ロベットらは、タイタニックと共に沈んだとされる最高峰のブルー・ダイヤモンド碧洋のハートの在り処を探るべく、小型潜水艇を用い深海のタイタニックの調査を行っていた。
そして、一等船室の一室から1つの金庫を発見する。
歓喜に包まれる調査団は金庫をこじ開けたものの、中にあったのは彼らが探していた宝石ではなく、古ぼけた紙切れだった。
しかし、その紙切れを綺麗に洗い直すと『裸体の女性』が浮かび上がり、その女性は胸に『碧洋のハート』らしきダイヤを身に着けていたのだった。
この1枚の絵画の発見をロベットはテレビで堂々と報じ、その放送を見たある老女は驚きを隠せずにはいられなかった。
そしてロベットに一本の電話が入った。
その声の主はなんと沈没事故から奇跡的に生還し、今では100歳になるその絵のモデルだった。
ロベットと連絡を取り合った老女は、孫娘ともども調査団の船に訪れ、静かにあの豪華客船の中で起こった知られざる話を語り始める。
1912年4月10日、イギリスのサウサンプトン港から当時史上最大の豪華客船タイタニックはニューヨークへと向けた処女航海へと出発した。
アメリカの名家ブケイター家の一人娘ローズ・デウィット・ブケイターは、その婚約者キャルことキャルドン・ホックリーと、未亡人となった母と共に、アメリカ行きのタイタニックへと乗船するが、半ば強制された婚約に気分は晴れないでいた。
家名こそ残るものの、実際のブケイター家は破産寸前であり、優雅な暮らしを失いたくない母親がホックリー家の財産を目当てに結婚を強制したのである。
その一方で、画家を目指す貧しい青年のジャック・ドーソンは、新天地ニューヨークでの成功を夢見て、出港直前に勝利した賭けポーカーで『三等船室の乗船チケット』を手に入れ、友人のイタリア人青年ファブリッツィオと共に、タイタニックに乗船する。
午後0時00分、数多くの見物人や見送りの人々の歓声に包まれて、『夢の船』タイタニックはサウサンプトンを後にした。
デッキでタバコを吸っていたジャックは、別のデッキに佇むローズの美しさに目を奪われる。
ある夜遂に耐えきれなくなったローズは、夜の海に身投げしようと船尾に居たところをジャックに助けられる。
芸術嗜好のローズはジャックが画家志望であることを知り意気投合する。
お礼にとローズが招待した夕食の席で、キャルや母親は庶民のジャックに偏見を抱くが、ジャックは物ともせず、「人生は贈り物だ」と自分の人生観を語る。
夕食後、ジャックはローズを三等客たちの賑やかなパーティーに連れて行き、2人は楽しいひと時を過ごした。
ジャックとローズは身分や境遇をも越えて、互いに惹かれ合うようになり、貨物区画に積みこまれた自動車の中で一夜を共にする。
しかし、航海半ばの4月14日午後11時40分、波一つない水平線の向こうに、見張り員はぼんやりとたたずむ白い影を発見する。
それはタイタニックの針路に横たわる巨大な氷山の姿だった。
「針路正面に氷山!!」。
見張り員からの報告を受け、当直士官のマードック次席一等航海士は「取舵一杯、後進全速」の号令をかけ、正面からの激突を避けたものの、タイタニックは船腹を氷山に擦るように衝突してしまう。破損個所から浸水が進んでいき、徐々に船体が傾き始めたことから、タイタニックは間もなく沈没すること、殆どの人間は助からないことを乗客たちも悟っていく。
逃げ惑う者、なおも普段通りに過ごそうとする者、家族を助けようとする者、懸命に乗客を避難させようとする船員たち、絶望する客たちを集め、赦しと祝福を与え励ます神父、乗客を落ち着かせようと演奏を続ける楽師たち……。
様々な人々が入り乱れ、船全体が終焉へ向けて動き出す。
そんな中、キャルドンの執事スパイサー・ラブジョイによって『碧洋のハート』をポケットに入れられたジャックは、窃盗の疑いをかけられて警備室に手錠で繋がれてしまい、浸水が迫る中で脱出することができず絶体絶命に陥る。
救命ボートには女性と子供の搭乗が優先されるが、ローズは取り残されたジャックを探そうと船に残り、ジャックを間一髪で助ける。
タイタニックの沈没が確定的となり、乗客たちは大パニックに陥る。
救命ボートは乗客全員を救うには到底足らず、しかも一等船室の乗客を優先して乗せて離れてゆく。大多数の乗客・乗員を残したまま、船は船首へ大きく傾いた状態で沈み始め、船体が前後に折れてしまう。
船尾の端に逃げ延びていたジャックたちは手すりに決死の覚悟で捕まり、重量に耐え切れず沈んでいくタイタニックと共に海中へ落ちていく。
何とか海面に浮上した2人だったが、周囲は深い闇に包まれ救命ボートの姿は見えなかった。
ローズを壊れたドア枠の上に乗せ、自分はそれに掴まり極寒の海中に浸かっていたジャックは、水温-2℃の海水に体力を奪われて力尽きてしまう。
ジャックとの約束を守り生き残るべく、生きる気力を振り絞ってローズは椅子に掴まったまま凍死した航海士の警笛を借りて鳴らし、自分の居場所を知らせ、無事救命ボートに救われて一命をとりとめる。
助けられたローズは、生き延びてローズを探していた婚約者のキャルドンから逃げて、「ローズ・ドーソン」とジャックの姓を名乗り、ジャックの名前と共に生きてきたことを明かす。
全てを語り終えた老女ローズは、こっそりと隠し持っていた想い出の『碧洋のハート』を海に投げ入れてしまう。
そして、心の中でジャックとの再会を思い描きながら、静かに床に就くのであった。



ロマンス映画。
1912年の処女航海中に氷山に衝突し、当時世界最悪の犠牲者を出したタイタニック号沈没事故をモデルに、地位も境遇も異なる一組の男女のラブストーリーを描いた映画。

当時は相当な話題だったのだろうな。
まさかの巨大豪華客船の沈没。
いまだに謎に包まれている部分もあるようだけど。

さすがに主演ふたりの演技は素晴らしい。
私個人としては、ディカプリオの演技力はロバート・デ・ニーロの次に素晴らしいと思っているほど。

曲と共に一大ブームにまでなった作品。
あの手を広げるシーンを真似る人も多かったようだし、パロディでもそんなシーンがいくつも見られてたぐらい有名なワンシーンだ。

悲惨なジャックの死に涙なしでは観れないという人も多かったのではなかろうか。
でも当時観た私としては泣けなかったのを覚えている。

ただ悲痛だなぁと。
まるでノアの箱舟。
船に乗れず、助けなえうことができないなんて過酷な死に方だ。
それを目の前にして、沈みゆく彼をただ見ることしかできない無情と憤りと遣る瀬無さ。

目の前で人が死んでゆくことをただ見守ることしかできない歯がゆさほど罪の意識を倍増させるものはない。
もし自分が同じ立場だったとしたらと思うだけで、ぞっそする。
いっそ、自分が沈みゆく側になった方が幾倍もいいか。

なんでも残された方がいつも後悔するのだ。
ローズもずっと彼のことを心に生きている。
自分だけが助かってしまったことがまるで悪い事のように。

ずっと大切にしていた指輪を最後海に投げ入れる姿は感慨深い。
彼の想い出ごと、永遠に海の底へ沈める彼女の心境。

海水がどんどんと押し寄せてくる迫力はもはや恐怖。
すごい映像で、本当に水没してゆくような感覚に陥ってしまう。
あんなすごい映像見たら、ちょっと船に乗るのが怖くなってしまうほどだ。

素晴らしい映像美ではあるけれど、トラウマにもなってしまう。
映像技術の進化ってすごいね。
当時であれほどだったのだから、もし今同じ映画を作ったらもっと本格的なのかしら。
もう二度と船には乗れなくなりそうだ・・(;^ω^)

タイタニックの沈没という大事故。
歴史を垣間見るような壮大なダラマに息を呑む。
ディカプリオとケイトの身体を張った演技も素晴らしい。
確かに大迫力の作品。
見応え充分だ。








2024.11.18 / Top↑
こんにちは。

本日は洋画の紹介、感想です。



    白雪姫と鏡の女王 (2012)

      監督:ターセム・シン
      出演:ジュリア・ロバーツ、リリー・コリンズ、アーミー・ハマーほか。
      製作国:アメリカ


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〇あらすじ
幼くして国王である父を亡くしてしまい強欲な継母である女王によってお城に幽閉されながら育った白雪姫は次第に外の世界に憧れを抱いていった。 
ある夜、お城で開催された仮面舞踏会に紛れ込んだ白雪姫はかつて森で出会った他国の王子アルコットと再会する。
 共に惹かれ合う二人であったが、女王は王子の国の財産を狙って自分との政略結婚をたくらんでいた。 
そして、自分の計画の邪魔になった白雪姫を森へ連れて行き殺してしまうようにと女王は側近に命令するのだった。 
難を逃れた白雪姫は森の中で7人の小人と出会い剣術を学んでいく。
女王の強欲な暮らしの為に貧しい暮らしを強いられている国民を目の当たりにした白雪姫は国民を救うため魔術を駆使する女王に果敢に立ち向かっていく。



グリム童話白雪姫』を題材とした映画作品。

コメディで、笑える部分もあり、楽しめる。
リリー・コリンズが、現代風で逞しくて可愛い。
今時のプリンセスはただ守られているだけじゃない。
勇気と逞しさを兼ね備えた女性こそが真のお姫様なのだ。

エンディングのミュージカルシーンが良くて、定期的に見たくなる素晴らしい出来栄えだった。

なにより白雪姫が努力して強くなるかっこいい姿が素敵。
自分の道は自分で切り拓いていく。
その勇気とパワーに見ている観客は感動するものだ。

それにしても。
ジュリア・ロバーツは悪役似合わないね。
顔立ちが可愛いのと、演技力があまりないせいと・・・。
とにかくイメージが合わなさ過ぎて残念。
なんか、コメディ過ぎちゃう感じ。

この白雪姫はただ勇敢なだけじゃない。
ちゃんと頭もいい。
最後渡される林檎を毒入りだと分っていて食べないだとか。
知恵があるお姫様。

こんな解釈の白雪姫もアリかな。
コメディ映画として見れば楽しめる作品だ。
衣装も可憐で美しい。
それを見るだけでも心がトキメクこと間違いなし!












2024.11.16 / Top↑
こんにちは。

今日は洋画の感想。
ジャッキー・チェンのカンフー映画です。



   ドランクモンキー 酔拳 (1978)

    監督:ユエン・ウーピン
    出演:ジャッキー・チェン、ユエン・シャオティエン、ディーン・
       セキほか。
    製作国:香港

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〇あらすじ

武芸百般、一八拳の一流拳士で、先祖代々から続く墓所の所有者であり、地元名士の黄麒英が運営する名門道場の子息、黄飛鴻は、カンフーの腕はそこそこの見栄っ張り、弱きを助ける正義感はあるが、道場門下の悪友と共に怠惰で毎日を自堕落に過ごすチンピラ崩れの若造。

師範代に逆らって父の怒りを買ってしまった飛鴻は虫の好かない相手と往来で喧嘩をして憂さ晴らしを行っていた当日、久々に黄家に来訪した黄麒英の実妹が、たまたまその場に居合わせた飛鴻の通りでの乱行を兄と甥の目の前で暴露。

顔に泥を塗られ、息子の放蕩ぶりに手を焼いた父は、酔拳の名手“蘇化子”に彼の奥義を伝授してもらうよう息子を託す。

親友らの風聞で蘇に弟子として預けられたら最期、不具者にされると戦慄して逐電する。

あてなく飛び出したため空腹になった飛鴻は、入店した食堂で無銭飲食騒動を起こし、その場に居たみすぼらしい老人と共闘して乱闘騒ぎを起こし、店から逃げた先で一段落して安堵した飛鴻はこれから自分の身に起きるであろう不幸を老人に明かすも、その老人が「自分がその蘇」と身分を明かす。蘇に抵抗するものの軽くあしらった蘇は飛鴻を捕縛し懲らしめ観念させる。

飛鴻は指導を超えた蘇の厳しい特訓に早々に音を上げ、事故を装い蘇の元から脱走。這々の体で軒先に休んでいたところ“殺し屋 閻鉄心”[※ 4]に一方的に叩きのめされ己の未熟さを思い知った黄飛鴻は、体裁が悪いまま蘇の元に戻り修行に励む。

そんな中、イカサマ賭博を開帳する頭突きのタイガーを喧嘩で伸すが、飛鴻の蘇への悪戯が原因で蘇がタイガーの兄貴分棒術の王に手酷い敗走を蒙り、連戦連勝だった経歴に傷が付き立腹。辛い特訓の日々に不平を漏らした飛鴻に蘇は呆れ返り、蘇が体得している門外不出の奥義【酔八仙】を飛鴻に伝授する為父に依頼された真相を明かす。

「酔っぱらいの拳法」と腐していた飛鴻であったが蘇の妙技に感嘆、このごに及んでもさぼりグセを時折見せつつも特訓の甲斐もあって腕も上達し、格段に成長した飛鴻は酔八仙拳を 次々習得してゆくが、何仙姑は馬鹿にして習得せずに飛びだした先で棒術の王に出会い再戦。

酔八仙拳で撃破し酒を土産に戻るが、蘇は置き手紙で修行の終了を告げ行方も告げぬまま再び流浪の旅へと出立する。

時を同じくして、父麒英はライバルの道場主と土地買収を巡るトラブルになっており、土地売買に耳を貸さぬ麒英を恨んだ道場主が、商売の邪魔になる麒英を消すべく閻鉄心に暗殺を依頼する。

鉄心の策でおびき出されてしまった麒英、暗殺を生業とする閻鉄心の拳法から繰り出される巧みな足技の前に従来の拳法は歯が立たず窮地に陥るも、間一髪のところで飛鴻が到着し、鉄心と因縁の対決が始まろうとするが、そこへ蘇が飛鴻との別れ前の約束通り、上等の酒を持って対決の場に現れた。

飛鴻は、蘇の持ってきた「三鞭酒」で最高のパワーを発揮し鉄心の拳法に肉薄するも、飛鴻は常日頃からの怠け癖で酔八仙の形の一つ「何仙姑」をちゃんと履修しておらず手詰まりとなり、鉄心は酔拳に対抗できる「鬼魅無影手」を駆使した戦法に変え、形勢逆転に陥る。

更には酔拳の動きまで知悉されているため通用しなくなってしまう。

鬼魅無影手の連打を浴びて追い込まれた飛鴻は師の提案から一計を案じ、鉄心も知らない自分だけの「何仙姑」を即興で編み出し、鬼魅無影手を打ち破り勝利した。

満面の笑みで満身創痍の飛鴻に駆け寄る蘇と麒英のカットで「劇終」となる。



基本的な構成は主人公の成長譚であり、加えてコメディやいわゆるスポ根の要素が含まれている。
ジャッキー扮する主人公黄飛鴻は清朝末期に実在した洪家拳の達人。

彼の若かりし日の物語という設定のフィクションである。
内容は完全なオリジナル。

ジャッキー・チェン、嫌いな人は少ないだろう。
私が子供の頃はめっちゃ流行った。
男の子たちはこぞって、〇〇拳なんて真似して遊んでいたくらいだし。
うちのたーちゃん(父)もそんな少年みたいな人だったし(笑)

カンフー映画大好き!
もちろんジャッキー作品も大好きだ。
彼の人懐っこい笑顔はお茶の間では大人気だった。
そして言わずもがな大スターでもあるし。

功夫の中でも最もカッコイイ、酔拳。
酔ったような千鳥足から繰り広げる数々の技がまずかっこいい!!
中には女性を模した技もあぅたりして、そこはなんともジャッキーらしいコミカルさがあって面白い。

内容は正直陳腐極まりないけど、ジャッキーの酔拳が堪能できるだけで観る価値大ありだ。

若かりし頃の彼は愛らしくもあり、まあそれがなんといってもウリでもあったわけだし、ブルース・リーとはまた違った功夫スタイルがかっこいい。
愛嬌とコミカル。
そして軽快な功夫。
技や道具の使い方。
ストーリーがたとえ面白くなくても、ジャッキーがすごいから許せる(笑)

また見たくなってきちゃったな(笑)






2024.11.12 / Top↑

こんにちは。

今日は昔の映画感想です。



     卒業 (1967)

      監督:マイク・ニコルズ
      出演:ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト、キャ
         サリン・ロスほか。
      製作国:アメリカ

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〇あらすじ

米国東海岸の有名大学陸上部のスターで新聞部長でもあったベンジャミン・ブラドックは、卒業を機に西海岸カリフォルニア州南部のパサデナへ帰郷する。

友人親戚一同が集った卒業記念パーティーで、将来を嘱望される若者に人々は陽気に話しかける。

そのパーティーで、父親の職業上のパートナーであるミスター・ロビンソンの妻のミセス・ロビンソンと再会する。

卒業記念のプレゼント、赤いアルファロメオ・スパイダー・デュエットでミセス・ロビンソンを送ったベンジャミンは、彼女から思わぬ誘惑を受ける。

一度は拒んだベンジャミンだったが、いま目標を失っている彼に示された道は他になかった。

大学院への進学を期待されながらもどこに進学するか決めないでうつろな夏休みが始まる。

夜ごとの逢瀬。

それでもぬぐい去れない虚無感。

心配した両親は、同時期に北部のバークレーの大学から帰郷した幼なじみのエレーン・ロビンソンをデートに誘えという。

一度きりのデートでわざと嫌われるようにし向けるはずが、ベンジャミンはエレーンの一途さに打たれ、二度目のデートを約束してしまう。

二度目のデートの当日、約束の場所に来たのはミセス・ロビンソンだった。

彼女はベンジャミンにエレーンと別れるように迫り、別れないならベンジャミンと交わした情事を娘に暴露すると脅す。

焦燥したベンジャミンはエレーンに自ら以前話した不倫の相手は、他ならぬあなたの母親だと告白する。

ショックを受けたエレーンは、詳しい話も聞かずに、ベンジャミンを追い出す。

エレーンを忘れられないベンジャミンは、彼女の大学に押しかけ、大学近くにアパートを借り、エレーンを追いかける。

結婚しようという彼の言葉を受け入れかけたある日、しかし、彼女は退学していた。

そしてベンジャミンはエレーンが医学部卒業の男と結婚することを知る。

どうにか彼女の結婚が執り行われているサンタバーバラにある教会を聞きだして、そこまで駆けつけたベンジャミンは、エレーンと新郎が今まさに誓いの口づけをした場面で叫ぶ。

「エレーン、エレーン!」。ベンジャミンへの愛に気づくエレーンはそれに答える。

「ベン!」。

ベンジャミンを阻止しようとするミスター・ロビンソン。

悪態をつくミセス・ロビンソン。

二人は手に手を取って教会を飛び出し、バスに飛び乗る。

バスの席に座ると、二人の喜びはやがて未来への不安に変わり、背後に「サウンド・オブ・サイレン」が流れる。



青春恋愛映画。

ダスティン・ホフマンの代表作といえば、真っ先に名前が挙がる作品といえよう。
そして音楽も有名だ。

正直言って内容に関してだけいうなら、あまり好きになれない物語。
主人公の気の弱さも好きになれないし、共感ももてない。

沈黙が効果的に使われていて、ユーモアのセンスも素晴らしい。
カメラワークがいいのかしら?
お洒落ではあると思う。

青年が魅力ある熟女の誘惑に勝てない、その心理は分かるけど。
恋に落ちた時の対処をもっとしっかりとしていれば、こんな話は大きくならなかったかもしれない。
いや、関係を持ってしまった以上、そんな簡単なことではないのか・・。
だって相手はエレーンの母親なのだから。

いくらなんだって、母と通じた男を好きにはなれない、私には。
しかしそこは映画だ。
ドラマティックな展開になっていく。
それにしてもエレーンにとってはショックが出来過ぎるだろう。
母親への不信感も拭えない。
もしかしたら母娘としては破綻してしまうんじゃないかしら。
私だったらとうてい受け入れられないもの。

全てを呑み込んだ上で逃避行するふたり。
確かに感動的とも言えなくはない。
好きな女を攫っていくシーンは、憧れる一瞬でもある。
実際、この最後の場面はまんま「卒業」として人気になったぐらいだし。
真似した人がいるのかは分からないけど、多くの作品でパロディ化するほどには人気があったと思う。

でも実際問題として。
結婚式場から逃亡したわけだから、世間的にも黙ってはいられないだろう。
両方の家の問題。
実はエレーンの母親と通じていたという事実。
結婚式の費用。
相手側に対する裏切り。
それに対する慰謝料うんぬんかんぬん・・・。

普通に考えるとなんて恐ろしい結末!
若いふたりにとってはその時は良かった結果だとしても、その先を想像するとぞっとしない。
まるで悪夢だ。

その時の感情任せの行動は、ただ若かったからの言葉では済まされない。
なにせ若いといったって、ふたりは成人してるわけだし。
愛しているという理由だけで片づけていい問題でもない。

そう考えると、ふたりの未来がすべからく輝かしいとは思えない。
金銭面でも信頼関係でも、家族間でも、すべてが暗雲立ち込める未来しか想像できない。

むしろこの後の彼らの物語の方が興味が湧くかもしれない。
まさに青春。
人は過ちを犯し、失敗しながら成長してゆく。
そんな物語だ。
















2024.11.10 / Top↑
こんにちは。

今日は洋画の記事です。



   天使にラブ・ソングを2 (1993)

    監督:ビル・デューク
    出演:ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、キャシー・ナジミー他
    製作国:アメリカ

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〇あらすじ

前作の事件から1年後。

デロリスはラスベガスで成功を収め、二流スターとして忙しい毎日を送っていた。

ある日のこと。

聖キャサリン修道院で知り合ったシスターの内、特にデロリスと仲が良かったメアリー・ロバート、メアリー・パトリック、メアリー・ラザラスの3人がデロリスの元を訪ねてくる。

デロリスは再会を喜び合いつつもどうにも歯切れの悪い様子の彼女たちの様子を見て訝しむ。

シスターたちは社会奉仕先の聖フランシス高校の悪童たちに手を焼き皆疲れ切ってしまっていること、援助を欲した院長がデロリスを呼び戻すために自分たちを遣わしたことを伝える。

事情を聞いたデロリスはサンフランシスコへ向かい、聖フランシス高校の礼拝堂で久しぶりに院長と再会する。

再会を懐かしみつつ、院長は荒れる一方でどうにもままならない高校の現状を伝え、デロリスに環境の立て直しのために力を貸して欲しいと懇願する。

ようやく軌道に乗ってきた歌手業を疎かにしたくないデロリスは渋る様子を見せるが、その成功もまた友人たちの支えがあったからではないかと諭され、仕方なく要請を受け入れる。

再びシスター・メアリー・クラレンスとして僧服に身を包むことになったデロリスは、歌手としての経験と聖キャサリン修道院を聖歌隊で立て直した経験を買われて音楽クラスの担任として着任するが、さしもの彼女も生徒たちの悪童ぶりに翻弄され早々に匙を投げそうになる。

しかし、ふとしたことから学校が今学期いっぱいで閉鎖されることを知って本腰を入れて事態の解決に取り組むことを決め、状況を打開するためにシスターたちと共に本格的な改革に乗り出していく。その中で、デロリスに反感を抱いたクラスの中心的存在の少女リタは級友たちを焚きつけて授業を放棄させようとするが、誰にもついてきてもらえず孤立して出ていく。

デロリスは子供たちに歌の才能の片鱗を見出して聖歌隊の結成を提案し、課外授業としてシスターたち聖歌隊のパフォーマンスを見せに行く。

子供たちの反応は今一つであったが、無断で子供たちを外へ連れ出したことで校長から注意をうけるデロリスの様子を盗み見て学校の閉鎖を知り、学校を盛り上げる一助になればとの思いから徐々に乗り気になっていく。

礼拝堂で親友のターニャと一緒に歌を歌っているリタを偶然見かけたロバートは、リタが深い悩みを抱えていて歌いたくても歌えない状況に置かれていることを知る。

リタは自分を女手一つで育ててくれた母親に「もっと現実を見ろ」と言いつけられ歌手になる夢を否定されていたのだ。

諦めきった様子で何もできやしないと言い切る彼女に対し、ロバートは若いのだから可能性を決めつけてはいけないと諭すが、リタは拒絶して立ち去る。ロバートはデロリスにリタの窮状を伝え、自分自身がデロリスの導きで殻を打ち破れた経験からリタを助けてあげて欲しいと願う。

デロリスは渋い顔をしつつその願いを引き受け、リタにリルケの詩集『若き詩人からの手紙』を託し、激励の言葉と共に読むように言い残して去っていく。

素直に本を読んだリタは考えた末に音楽クラスに戻る。

全員揃った聖歌隊は心を一つにしてデロリスの下特訓を積み、初の校内コンサートを成功に導いた。

それから数日後、校内の備品の整理中のロバートたちは、過去に聖歌隊が音楽コンクールで勝ち取ってきたトロフィーの数々を見つける。

かつての音楽クラスが高いレベルを保持していたことを知った彼女たちは、学校を閉鎖から救う手立てになると考えてデロリスと生徒たちに内緒でカリフォルニア州で行われる音楽コンクールに応募する。

今の実力では優勝など至らないと尻込みする生徒たちだが、生徒の1人フランケイの一喝により奮起して参加を決心する。

コンクールにむけての特訓が続く中、リタは母親に聖歌隊の活動を咎められたためやむなく出場を辞退すると告げ、引き留める仲間たちを悲しげな顔で振り切る。

コンクール当日。

どうしても諦めきれなかったリタは、同意書に母親のサインを偽装し、置手紙を残して出発寸前のバスに駆け込んだ。

デロリスに礼を言ってバスに乗り込むと、仲間たちの歓声に出迎えられる。

一行を乗せたバスが会場に向かうころ、クリスプ理事長はデロリスがトップを飾った雑誌を手に憤慨していた。

デロリスがギャングの愛人だった過去が露見したのだ。

クリスプと校長は出場をやめさせるためイグナティウス神父らを伴って会場へ向かい、偶然トーマス神父と鉢合わせたシスターたちはデロリスの正体がバレたことを知り慌ててデロリスを探しに行く。

本番直前を迎えた生徒たちは、直前の聖歌隊の圧倒的実力に加え、相手の曲目が自分たちの持ち歌である Joyful,Joyful の原曲「歓びの歌」であることに動揺し、戦意喪失してしまうが、デロリスからの叱咤激励を受けて奮起し、自分たちの歌を高らかに歌い上げて会場を圧倒し最優秀賞を勝ち取る。聖歌隊の素晴らしさに胸打たれた理事会のメンバーたちは学校の閉鎖を撤回する。

院長の機転によりクリスプ理事長の口からデロリスの正体が暴露されることが無事防がれ、リタは手紙を読んで会場に来ていた母親と和解を果たす。

学校が閉鎖の危機から免れたことを知らされた子供たちは歓声に沸き、ロバート、パトリック、ラザラスは大団円への落着に嬉し泣きする。

一方、人混みの中でシスターたちが呟いた何気ない一言により、デロリスの正体はそれとなく子供たちに伝わってしまっていた。

ベガスのショーガールという経歴の真偽について子供たちに問われたデロリスが「私はショーガールなんかじゃない、大スターだ」と誇らしげに返すところで物語は幕を閉じる。



内容は前作のサスペンスコメディ調から、問題を抱える高校を舞台にした青春映画的なものとなった。

2も面白かった。
学生たちの努力や成長が感動的。
校長先生の可愛らしさが魅力的だった。

そして相変わらず、音楽が素晴らしい。
軽やかでそして素敵なハーモニー。
それだけで感動する。

さらにエンディングでの歌唱シーンが最高だ。
生で聴けたらもっと感動するのだろうな。が羨ましい。
感動と共に羨望も感じずにいられない。
こういうのを見ると、本当に歌が上手い人

デロリスが学生たちを救う姿が感動的だ。
歌の持つ力ってやっぱりすごい。

「自分の可能性を自分で決めない」

素晴らしい言葉。
何事も自ら決めつけてしまったら、きっとそこで終わってしまう。
可能性なんて無限大なのだから。
自分で見切りをつけてしまうのはもったいないことなのだということを教わった気がする。

前向きになれるし、軽やかな気分にもなれる。
音楽は人を救う。
間違いない。

音楽の素晴らしさ、青春、コメディ要素など大衆向けに好まれるスパイスが盛り込まれるつつ、まさしく最高のフュージョンを産み出している。

前作のキャラクターを活かしたギャグや、ミュージカル、アツい展開など、とにかく楽しいことだけを詰め込んでいる印象。
でもそれでいいと思う。
こういう学園青春ものの映画は。

これこそエンターテイメント映画。
挫折や悲しみの後にはきっと綺麗な花が咲く。
みんな笑顔でハッピーになれる。
それが青春映画のいいところだ。








2024.10.24 / Top↑