『機動警察パトレイバー』を中心とした、ゆうきまさみに関するはてしない物語(ツイート群)
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前置き
説明に書いたようにブログ用の下書きみたいなツイートです。
身近な知ってる方たちとしか話をしていないので、お互い『パトレイバー』や、ゆうき作品を楽しみ、好きであることなどはすでに前提としてあります。
その上であれこれ考えてるので、いきなりこのツイート群を見ると、ひねくれて作品や作家を受け止めているように感じられるかも知れません。
これが作品の全てだ、真実だ、というわけではなく、単にこの時の話の流れではこの方向に色々意見が出た、というだけですので、ご理解頂ければと思います。
バドリナート・ハルチャンドの話
昔、友人と映画『パト1』『パト2』の話をしていたとき、彼がマンガ版『パトレイバー』を全部読んでないということが判明した。もちろん私は、もったいないから全部読むべきだよ。なぜ途中で読むのをやめたの?と尋ねた。返ってきた答えは「だって、バドが…」バドが?「…バドがきつくて」
2015-03-04 14:57:43私は一瞬言葉につまり「バドか…バドな…確かにバドはバドだけども」みたいな意味不明なことを言いつつ、バド(シャフト編)出ずっぱりではなく、物語全体ではないこと。未読部分の面白さのサイズと、初期のバドを天秤にかけることの愚かさなどを語ったが、彼の感じた感覚自体は否定できなかった。
2015-03-04 15:00:08まだ当時は元気な週刊少年サンデーでマンガ版『パトレイバー』が連載を始めた時、いわゆるオタク趣味がない子もわりかしパトレイバーを読んでいた気がする。友人はガンダムは見ているし、劇場版『パトレイバー』も好きだけど、特にオタクでもない。で、そこか。バドで引っかかるのか。という。
2015-03-04 15:02:12友人に言われて考えると、バドは確かにちょっときついところがある。あえて具体的な言語化はしないけど。ロボット警察がOKなら、そこもOKじゃないの?という気もするけど。ルックス、ファッション、キャラクターあたり分からないでもない。ちなみに友人が関西人というのも多少関係しているのかも。
2015-03-04 15:07:02レイバー乗りとジョッキーは体が小さい方がいい、ということで作中で最も優秀なレイバー乗りは、女性の野明と正真正銘子供のバド。その中でもバドは、パトレイバー世界でのフィクション性が高い。まあ『よつばと』でのよつばみたいなものかも知れないね。周りにいる大人はろくでもないんだけど。
2015-03-04 15:10:58ロボットを天才的に操縦できる少年は、ロボットアニメだと良くあるけど、バドに関しては、人身売買→歪んだ教育→与えられる本物のオモチャ→善悪の概念すらないまま搭乗、というグロテスクな形で、よくあるロボット少年を表現している。フィクション性が高いのは、文字通り非人道的につくられたから。
2015-03-04 15:15:38逆にいえば、そうでもしないとパトレイバー世界で「少年がロボットに乗る」という行為は不可能だということ。一方の泉野明は、警察官になり、適性検査に合格して、正規の手続きでロボットに乗る公務員として配属されている。その意味では「ロボットに乗る少年」を否定した健全な世界なんだろうと思う。
2015-03-04 15:23:32もちろん、その健全な世界であることを前提に生まれたのが、歪みきった存在である天才レイバー乗りの少年バドリナート・ハルチャンドなんだけど。その存在を望んだのが子供のような内海で、でもその内海の欲望に、私たちの欲望も混じっているのだとしたら、内海はやっぱり最後刺されるしかないよね。
2015-03-04 15:29:13話が盛大にずれたけど、友人がバドに持った違和感と気持ち悪さは別に間違ってはいない。その生理的に感じてしまった嫌悪感をすごく表面的な、ただの好き嫌いと言ってもいいけど、友人の中に、警視庁特車2課の相手として「天才少年パイロットと悪の組織」を望まなかった節が見られるような気がして。
2015-03-04 15:35:09友人は未だにマンガ版を全て読んではいないので、バドがどういう少年なのかその全てを知らないのだけど、すでに人の親になっている彼が、香貫花からもらったディスクの中身を見たら、きっちり吐いて、憤りを露わにすることは間違いない。でもあのキャラが関西弁なのはきついと言うかも知れないが。
2015-03-04 15:39:21バドの関西弁が内海の注文どおりの教育なのだとしたら、まずパレットの朱さんに渡す前のキャラ設定をみなで討論し、いじり倒すべきでしょう。「え?課長、関西弁のクソガキ大好きっ子なんですか?」「この、トイレ行くときにドア閉めると怖くて出来ない、っていうのも課長の趣味設定ですか?」とか。
2015-03-04 15:45:28@highland_view ちょっとずれた感想かもしれませんが、少年兵問題が大きくなっている今の時代なら、バドというキャラもよりグロテスクな描かれ方をしていたのかなとは思います…
2015-03-04 15:44:34@sokka_01 そうですね。子供が戦うのは日本のフィクションでは当たり前ですが、本来グロテスクなものです。でも悪趣味で歪んだ欲望かも知れませんが、そこに何らかの魅力があるのも確かです。その両面をマンガ版はきちんと書いて、最後は責任を取ったように思いますね。
2015-03-04 15:48:55@suparobomasterK そうですね。子供がひとり増えたところで関係ない、という子だくさんの黒人警部の養子になったというのが良い落としどころです。兄弟が一度に沢山できて、有色人種で、法を守る刑事さんですから。きっと良い環境で育ち、悪いことはたくさん叱ってくれるでしょう。
2015-03-04 16:08:08『パトレイバー』の劇場版とマンガ版は確かに別物です。ただ私の友人に関していえばリアルタイムでマンガ版(途中でストップ)→大人になってから劇場版の流れですね。バドがいない世界の方が好みでしょうから、私も自分のマンガ版を貸したりはしていないので、彼は未読のままです。
2015-03-04 16:47:09友人なので好みは分かっているけど、それでも1度勧めたのは、子供時代に「バドきつい」で読むのやめても、大人になった今なら普通に物語全体を楽しめるのかもと思ったから。でも「バドきつい」は表層的な好き嫌いだけじゃなく、色んな意味が含まれているな、と言うのが一連のツイートだったりします。
2015-03-04 16:52:39作家の正直さとキャラクターとの距離感の話
@highland_view バドは作者にとって会心的なキャラだが、読者から見れば記号性だけのキャラなのでつまらない。そしてグリフォンのくだりは毎回一番期待してるのに、結局読んだら一番つまらない部分です。言語化した事ないけど、以上の二つは非常にこの作品を象徴していると思います。
2015-03-10 15:54:18@kaito2198 なるほど。逆にパトレイバーでkaitoさんが面白さを感じる部分というのはどういう部分でしょうか?これには物語のフレームであったり、(グリフォン編以外の)物語であったり、キャラクターであったり、マンガ・映画などメディアによる違いであったり、色々とありますが。
2015-03-10 15:57:54@highland_view あとやはり後藤と内海は強烈ですね。キャラそのものが魅力的というよりも、この作品の文脈というか構造は彼ら二人に集約されているのではないかと思ったりします。そういう意味ではほかのキャラはそれほど素敵じゃないけど、芯’が通ってるからちゃんと保てますね。
2015-03-10 16:03:29@kaito2198 後藤は「虚構」と対峙する現実側の人間ですね。マンガ版では内海、映画版で帆場、柘植と、いずれも「虚構」の戦いを仕掛けるものと戦っています。押井さんは内海もグリフォンも嫌いですが、後藤は好きで。でも敵は結局マンガ版と同じく「虚構」の仕掛け人なんですよね。
2015-03-10 16:11:26フィクションの力が世界を救うと信じて…!(ご愛読ありがとうございました!) / twilog http://twilog.org/highland_view / tumblr http://highlandview.tumblr.com/