新規就農を希望される方は、結構「無農薬で」「有機農業やりたい」とか言うんです// 現実は「消費者は意外と求めてない」&「収穫量が上がらない」
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私も家庭菜園10年の素人だけど、同じ素人が「野菜作りに農薬や化学肥料いらない」「植物本来の力を生かす」みたいなことを嘯いていると「害虫なめんな、野菜作りなめんな」と思ってしまう。確かに家庭菜園ではどちらも少なめで好き勝手に作れるけど、農薬に関しては絶対に必要な場面はある。
2020-06-27 15:27:40↓新規就農を希望される方は、結構「無農薬で」とか「有機農業やりたい」とか言うんです。だいたい失敗するので勧めないけど、それでもやりたいという人に場所やアドバイザーを斡旋してやらせても、やはり失敗する。「穫れない(収穫量が上がらない)」&「売れない(消費者は意外と求めてない)」から
2020-06-28 05:36:10なので新規就農者さんには(将来無農薬やるにしても)「まずは栽培基準どおり作って、基準反収を上げるようにしましょう」と言います。基準反収がとれるなら、1年間の収入がある程度見込めますからね。
2020-06-28 05:43:18そして基準反収を上げ、出荷規格をクリアする野菜を作るには、大変な手間がかかる。そして手間をかけても、単価は信じられないくらい安い。新規就農者は絶望する「え?俺が必死で作った野菜、こんな安いの?」と。
2020-06-28 05:48:23「でも貴方やご家族はスーパー、コンビニに並ぶ農産物をその値段で利用していたのでしょう?更に1円でも安い店に」とそして「有機農業を希望されてましたが、就農前に有機野菜利用されてましたかね?」と聞いてみると、「利用したことない」「1度も?」「1度も」「なのになぜ有機農業を?」
2020-06-28 06:00:16農家さんだって農薬は出来るなら撒きたくないんですよ。しんどいし、農薬代は高いし、散布後に無関係な生き物の死骸を見て心を痛める人もいる。「でも」撒かなければ生きていけないから撒いてるんですよね。
2020-06-28 06:03:15有機農業や無農薬や、個人の家庭菜園レベルの規模なら可能かもしれない(それでも難しいですが)けど、食べていくだけの面積をやると、ほぼ不可能に近い。家庭菜園を長くやっている人に「そこに植わった野菜、単一品目で面積100倍で収支トントン」と言うと「ファーww」と天を仰がれる。
2020-06-28 06:07:47「有機農業で食べて行こう」となるとその野菜の生理生態、土の生理生態、微生物や病気、害虫、気候などの様々な知識と、「野菜の声」が聞けるレベルの高い技術に加えて、マーケティングの知識もいる。時間なんかいくらあっても足りない。ロハスとは真逆の世界。
2020-06-28 06:12:15正直そう思う。 農家だからやりたい様にやる事は出来るけど、「無農薬有機栽培」ってそれを買ってくれるパトロン見つけられなければ事実上不可能と思う。 同じ農産物、1.5〜2倍の価格で買ってくれる人達なんてそういない。 見つけられたらラッキー程度と感じる。 twitter.com/ohafuku/status…
2020-06-28 16:18:45先の「まずは基本どおり作って基準反収を上げましょう」の話ですが、だいたい「有機農業やりたい」という人より「俺、農業で稼ぎたいっす!」みたいなヤンキー気質の人の方が意外と反収も上がるし綺麗な野菜を作ったりする。
2020-06-28 06:15:22それで双方の畑を見ると、「有機農業希望」の人の畑の方が荒れている。いや、農薬や除草剤使わないからでなく、そもそも「畑に手をかけていない」みたいな事例が多い。単純に「手間をかけたくない=有機農業」みたいな感覚か。慣行農法の人より畑に行かないクセに「穫れない」「枯れた」と嘆いている。
2020-06-28 06:19:57昔は農薬はなかったなんて言うけど、実際に害虫のせいで飢饉が起きたりしてたし、イモムシを指で毎日取っていたりと、昔の農家は相当に苦労していたはず。その救世主が農薬で、近年ではすぐに分解されるものも相当にある。むやみな使用は避けたいが、開発には敬意を持ちたい。
2020-06-28 02:12:16昔の人は「野菜は人の足音を聞いて育つ」と言いました。これはもちろん植物が音を聞く訳ではなく、「それぐらいの頻度で畑に行く人の野菜は、きちんと管理され育ちや品質が良い。また病害虫や異常に気付きやすいから対処も早い」という事実から生まれた言葉なのでしょう。
2020-06-28 06:24:32あと、慣行農法の工程一つ一つが脈々と受け継がれてきた農家や農学の知恵の結晶で、成功への最短ルートである。という事が分からずに、工程すっ飛ばしたり、時期が遅かったりするんですよね。レシピを勝手にアレンジしたり工程すっ飛ばして料理失敗する人みたいに。
2020-06-28 06:31:06そりゃ自分で食べる分には、レシピ無視して不味い料理でもいいかと思いますが、他人に食べさせるならやはりまずはレシピ通りに作ってみた方が良い。後でアレンジや手抜きするにしても。農業も同じ。農業は自分でコントロール出来ない要素が多すぎるからこそ、先代の知恵を借りて対処できる事はしないと
2020-06-28 06:35:17あと「煩わしい人間関係がいやだから」と農業を希望する人がいますが、農業だって、行政、普及員、農協指導員、お得意先、先輩農家、ご近所、融資元とか沢山の人と関わらないといけないですからね。かなりコミュ力が必要な職業な気がする。
2020-06-28 06:40:11あとコミュ力と言えば農業は「作物との対話」も大事ですよね。上司やお客様は「文句を言ってくれる」から、ミスに気づく事ができますが、植物は「黙って枯れる。」収入はなくなり、あとで苗代、資材代、農薬肥料代、地代の請求だけが来る。植物という「察してちゃん」によるある意味究極のパワハラ。
2020-06-28 06:44:22もちろん「土日」なんて関係ない。残業も暗いから出来ないだけで、そのかわりとんでもなく早起きだったり、それでも間に合わずヘッドランプで圃場に出たりもする。
2020-06-28 06:48:22この大雨で収入が減るかも。と心配な農家さんも多いと思います。雨の中、カッパ来て排水作業したり。ホントに頭が下がる思いです。美味しい農産物ありがとうございます。「いただきます」
2020-06-28 06:51:26仕事に関わる事なので、思わずまた連ツイしてしまった。丸山先生の認識は正しいし、「生き物が好き」と「でも農薬使用は仕方ない」は両立する考えだと思います。農学部でこういうことを教えて欲しかった。いや、教えてたのかな?体系的に結びつけられてなかっただけで。
2020-06-28 06:55:26農家向けの話で実際に沢山の農家さんが賛同されてますけど、ぜひ私たち消費者もこういった背景は知るべきだなと思います 食の安全を求める一方で全体で非常に安い農産物を買い求めてるというある種の矛盾に考えを巡らせるべきで、農産物には農家の生活がかかってることも認識しなきゃいけないですね… twitter.com/ohafuku/status…
2020-06-28 20:36:21有機と慣行で優劣つけるつもりはないし意味がないですけど、 こういうのを考えると、有機で新規就農して経営的に上手くいってる人って、その経営感覚とか本当にすごいなぁって思いますね笑
2020-06-28 21:07:10本宮先生のグッドジョブの農業研修生編がそのあたり上手くまとめていたなぁ。(原作の高野さんが詳しく取材されていたのだろうな。) pic.twitter.com/EYKxltlwG6
2020-04-19 09:50:33「給付金10万円はなんなら毎月欲しい」ってツイートみて思いましたが、新規就農者に対する国の交付金って月10万円以上の年間150万×5年間当たる。(研修期間も2年分もらえる)し、もちろん農業収入も得られる(250万以上は調整)。けど、なかなか新規就農者は増えないし、リタイアも多いんだよなぁ。
2020-04-19 09:40:21