同業の知り合いから、
「接地コンデンサの耐圧試験ってやらないとだめ?」
「静電容量でかすぎてどうしようかと思って」
と聞かれました。
私もやったことないなと思い
接地コンデンサについて調べてみました。
接地コンデンサとは
呼び名は
接地コンデンサ(GC)
接地用コンデンサ
接地補償用コンデンサ
地絡検出用コンデンサ
と様々。
主な用途は
6kV受変電設備で
タイトランス二次側3kV回路がある場合、
電力会社配電線がトランスで縁が切れてるので
対地間静電容量が少ないため
3kV側が地絡したときに
地絡電流が小さく
地絡過電流継電器が検出できないので
電流値を補償するために設置する、
と認識しています。
接地コンデンサの耐圧試験が困難な理由
例えば指月電機製作所の
接地用コンデンサの資料を見ると
一番静電容量小さなもので
定格電圧3300V×√3の
1相当たりの静電容量は3×0.1μFなので
1相ずつ最大使用電圧1.5倍の
5,175Vを印加した場合、
計算上の充電電流は488mAと大きく
現地で耐圧試験するのは大変です。
電気設備技術基準からみる接地コンデンサ
以前書いた記事↓
に照らし合わせてみたところ
電技解釈第16条第6項の三には
適合しないようです。
技術基準を読み返したら
電技解釈第16条第6項四のニ(カタカナ)に
地絡検出用コンデンサについての
項目がありました。
高圧端子と外箱間に、16-6表に規定する
交流電圧1分間または直流電圧10秒間加えたとき
これに対する性能を有する、だそうです。
使用電圧の区分(kV) | 区分 | 交流電圧(kV) | 直流電圧(kV) |
3.3 | A | 16 | 45 |
B | 10 | 30 |
最大使用電圧の1.5倍より
厳しくなってしまいました。
きっと理由があるだろうと
接地用コンデンサの仕様に
JEM1362:2019規格準拠と書いてあったので
日本電機工業会(JEMA)
JEMA刊行物コーナー|JEM1362:サージ吸収用及び接地用コンデンサ (jema-net.or.jp)
↑から購入し内容確認したところ
(1,870円PDFで買いました)
耐電圧性能の表が電技と同じでした。
電気設備の技術基準の解釈の解説のP.30に
イに示す接地型計器用変圧器(コンデンサ形計器用変圧器を含む。)及びロに示す電力線搬送用結合コンデンサは、一般に、接地側の絶縁を低減していること、コンデンサ容量の影響を受け現地での耐電圧試験が困難であること等の理由により、それぞれ個別の絶縁性能を示している。
・・・ニに示す雷サージ吸収用コンデンサ、地絡検出用コンデンサ及び再起電圧抑制用コンデンサは、接地型計器用変成器と同様な理由で、⑦基準において追加された。
<4D6963726F736F667420576F7264202D2093648B4390DD94F582CC8B5A8F708AEE8F8082CC89F08EDF82CC89F090E02E646F63> (meti.go.jp)
とあることから
逆にJEM1362の規格を
技術基準に適用したと思われます。
結論
よって、
JEM1362規格準拠しているものであれば電技解釈第16条第6項四のニに適合しているため、商用受電による”常規対地電圧を電路と大地との間に連続して10分間加えて確認したときにこれに耐えること”を確認し現地耐圧試験は省略できる。
と言えます。
涼しくなってきたのでホットコーヒーをよく飲みますが、
自宅で入れたりコンビニやマックで買って飲むのに
このタンブラーを愛用。
冷めにくいのでゆっくり飲めるし、
蓋をしたまま飲めば
ひっくり返しても被害最小で済みます。
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