Instagram閲覧者数3倍、1,000足弱を完売に導く制作のこだわりを商品開発でも発揮し葉山名物を盛り上げた - テレ東と
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Case study 事例紹介

Instagram閲覧者数3倍、1,000足弱を完売に導く
制作のこだわりを商品開発でも発揮し葉山名物を盛り上げた

「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(テレビ東京)

#商品開発

この事例の担当者

  • 鈴木拓也の写真

    鈴木拓也

    テレビ東京 制作局

    制作局にて番組制作を行った後、2014年に編成局編成部に異動。2018年から制作局に復帰。これまでに「やりすぎコージー」「ウレロ☆」シリーズ「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「飯尾和樹のずん喫茶」などの番組を担当。

パートナー企業・自治体ご担当者さま

  • 葉山邦子の写真

    葉山邦子

    げんべい商店(有限会社ゲンベイ商店 )
    取締役

    短大卒業後、OLを6年経験。その後イギリスに語学留学、オーストラリアにワーキングホリデーで滞在。帰国して家業のげんべい商店を手伝うようになる。2015年に取締役に就任。

  • 葉山英三郎の写真

    葉山英三郎

    げんべい商店(有限会社ゲンベイ商店 ) 
    店主

目次

  • テレビ東京コミュニケーションズが運営するECサイトとの商談がきっかけになった。
  • 「絶対に売れる!」との直感で、番組とのコラボレーションをげんべい商店から打診する。
  • テレビ東京の担当者が葉山の店舗に訪問し、番組との相性のよさや独特のポリシーに魅了されて企画が動き出す。

  • げんべい商店の名物であるビーチサンダルで番組オリジナルデザインを制作した。
  • 「自分たちが履くか・欲しいか」の視点を大事にしながら、鈴木プロデューサー自らデザインを手描きした。
  • 完成品は、「テレ東本舗。」などテレビ東京の販路でも販売した。

  • 1,000弱作った商品はほぼ完売。放送前から売り切れるサイズもあった。
  • げんべい商店のInstagram閲覧数が、通常1万程度のところ3万程度まで伸びた。
  • 楽しい試みに、新規のファンだけでなく、常連客もよろこんでくれた。

経緯

絶対に売れる!直感を信じて、ECサイトの商談から番組コラボレーションに発展

桐生:
テレビ東京コミュニケーションズが運営している、神奈川県に特化したECサイト「カナコレ」の商談で担当者がげんべい商店さんに伺ったのが今回の取り組みのスタートです。「『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』(以下、充電旅)と何かできませんか?」と葉山さんから話があった旨を聞きました。「番組が好きで」と、「充電旅」へのお声がけは多いんです。しかしビジネスベースまで話が進まないのが大半の中、最初から商談で伺っていたので今回は実現しやすかったのかもしれません。

邦子
「絶対に売れる!」と、作る前からわかっていました。出川さんや番組のファンがうちの客層と合っていますから。話題になる・売れる自信があってお声がけしたんです。「充電旅」は知名度が高く、商品にしたら「あっ!」とみんな反応します。「ちいかわ」などのキャラクターを使う提案もあった中で、「これだ!」とひらめいたのが「充電旅」でした。
また「このようなことをやっているんだ」と認知が広がると、「これ、見たんですが…」「前にこれやっていましたよね」と、何年経ってもほかのオファーが来るんです。長い目で考えて、非常にいい取り組みができたと感じています。

英三郎:
“おじさん”といったら失礼ですが、年齢層高めの男性がうちのメインターゲットです。だからコラボレーション先にバッチリだと思いました。また「売れる」と二人が感じられれば間違いない点を再認識できたのも今回よかったです。

鈴木:
コラボレーション先の選定などは担当部署にお任せしています。ただ、クオリティやデザインは、番組の世界観など制作チームが大切にしているものを壊さずに表現できているかを追求するようにしているんです。番組を「人情ふれあい旅」と勝手に呼んでいるんですけど…番組で大切にしている「人との触れ合い」や「ぬくもり」が、商品を作る過程から感じられるといいですし、逆に感じられない商品は作りたくないなぁと思っています。そのためお断りする場合もある中で、「このような人たちだったから楽しそう」と現地に行った桐生さんから聞いて安心できた部分はありました。

取り組み

葉山名物「育てるビーサン」に、「自分たちが欲しいか」にこだわったデザインでテレ東らしさをプラス

邦子:
「育てるビーサン」のキャッチフレーズで、うちはビーチサンダルを売っています。足の形に次第に合ってくるんです。その元々の性質上、デザインの大きさなどを細かく調整しましたよね。おかげでいい仕上がりになり、インパクトのある商品ができました。
コロナ禍で間が空きながらの制作だったため、商品化できたこと自体がうれしかったです。生産が止まったり、入荷しなかったりする不安は常にありました。最初の反響が大きく、“出荷したらまた出荷”みたいな状態で、2022年は「充電旅」が常に頭にあって追われる一年だった感じです。中には2個買って1個は保管用だといっていたお客さんもいました。完成したときだけでなく、売っているときの達成感も非常にある商品が作れたと思います。

桐生:
コラボレーション先はできるだけ直接見るようにしています。今回も、お店に伺いました。葉山のお店を見ると、イメージが湧いてきて開発も楽しかったです。また入口として拝見したWebサイトもスタイリッシュで魅力的でした。「げんべい」の屋号や、「げ」に丸がついたマークにも独特のポリシーを感じたんです。『相性がいい』『視聴者に喜んでもらえるものを作れる』と思いました。
実際の開発も今回は時間をかけました。印刷面が決まっていたり、売りどきが限られていたりしますから。デザイン案を番組側がすごく考えてくれて、げんべい商店さんに融通してもらいながら、みんなが納得できるものが表現できました。視聴者が実際に履ける・一緒に育てていけるグッズが作れ、楽しい取り組みになったと感じています。

鈴木:
デザイン案は僕が手描きさせてもらいました。げんべい商店さん・出川さん・番組の特徴を活かせるデザインを何個も考えて。おかげで気に入った商品が作れました。会社で僕も普段から履いています。とっても履きやすくて最高です!
デザインを考えるときは、「自分たちでも履くか・欲しいか」を大事にしました。「自分たちが履くか・欲しいか」は、「売れる」につながると思うんですよね。デザインがダサかったり、履きづらかったりすると欲しくないじゃないですか。あとは番組制作チームとして「ちゃんと番組らしいか」、またげんべい商店さんのよさも意識しました。「それぞれがちょうどいい」と自分の中で納得できる商品ができたと思っています。

反響・効果

番組放送前から売り切れも!1,000足弱がほぼ完売!
Instagramの閲覧数は通常の3倍

英三郎:
番組を見た人が当初は多かったんですが、知らずに来店して驚いて買う人も結構いました。1,000足ぐらい作って、20足ぐらいしか残っていません。27cmは、放送前に売り切れて、多めに作ってもよかったなと思っています。あとはお客さんが喜んでくれたのがよかったです。「このような商品があるんだ!」と楽しそうな声が聞こえてきました。お店をやっている身として、単純にうれしい。楽しい商品目当てのリピーターも増えますから。常連さんに、よりファンになってもらえる効果もあったと思います。目先の利益よりも、お客さんが喜んでくれることが商売を長く続ける上で大事なので、いい取り組みになりました。

邦子:
Instagramの反応がよかったのも印象的です。閲覧数が1万いけばいいところで、3万ぐらいまで数字が伸びました。“いいね”も多くついて、元からのフォロワーではない人が見ているのもわかりました。そこからフォローだけでなく、問い合わせや目的買いにもつながっています。
あと一番うれしかったのは、出川さんのお兄さんから直々に電話があったことかもしれません。「お店に行きたい!」「“ビーサン、置いてくれよ!”とお客さんにいわれて蔦金商店にも仕入れたいんだ」と電話をもらったのがうれしかったです。

桐生:
番組は“観るもの”です。フレームを飛び出してグッズとして手元に残せれば、“観る”以上に印象深く視聴者の心に番組を残せる作用があると思うんですよね。だから心を込めてグッズを作るようにしています。
またテレビ東京にとって番組は財産であり、収益セクションの私たちが財産を活用してビジネスを展開することで、番組をより強くしたいんです。いろいろな展開でコンテンツをより強くしていけると思っています。

鈴木:
グッズを作ると、ロケを見に来られる人が買って持ってきてくださるんですよ。ビーチサンダルを買って持ってきてくださった人とも実際にお会いしました。番組から飛び出したものが、視聴者に届いているのが実感できると幸せです。また買ったグッズを見せてもらうのも、なんなら店頭に並んでいるのを見るだけでもうれしいんです。制作途中も楽しいので、グッズを作るのっていいなと感じています。

東京スカイツリー®や東京駅でも販売!ほかがやらないことをやる文化が「唯一無二」につながる

桐生:
げんべい商店さんの店頭やECサイトにくわえて、テレビ東京の公式販路でも今回は販売をしました。東京スカイツリータウン®東京ソラマチ®のテレビ局公式ショップツリービレッジおよび東京駅の東京キャラクターストリート内にある「テレ東本舗。」の実店舗と、ECサイト「テレ東本舗。WEB」です。あとは最初に話をくれた「カナコレ」でも今回の商品を販売しました。すぐに売り切れたものもあったと思います。

邦子:
いろいろなお店に置いてもらえてうれしかったです。販路までは期待していなかったのが正直なところではありますが。あとテレビ東京は、視聴者と「近い」ところがいいですよね。一緒に仕事をした感想としては、「やってみよう!」みたいな雰囲気が強く、やりたい企画が通りやすいといったら失礼かもしれませんが、「近さ」を感じました。話しやすい・やりやすいという印象も残っています。

英三郎:
テレビ東京の強みは「唯一無二」なところですよね。ほかの局が一斉に報道番組をしているときに、まったく関係ない番組をテレビ東京は放送して話題になるのも一つです。ファンが多いから、スタンスを変える必要がない。そのようなところがいい。またYouTubeでビジネス系のコンテンツも配信していますよね。作業中に流しながら音声をよく聴いています。

鈴木:
「ほかの局と違う」「オリジナリティがある」といってもらえる機会があると、ありがたいなと思います。実際に、ほかとはかぶらないように企画や番組を考えていますから(笑)。ただ、ほかにないものを作りたいだけで、変わっている人や局だとは特に思っていません。「どこかの局で見た番組や企画はやりたくない・やらない」という文化がテレビ東京には脈々とあって、それに尽きると思っています。

テレ東と だからできること

番組制作以外も楽しんでこだわれる!テレ東のこぢんまりさがチャレンジの可能性を高める

鈴木:
「楽しいもの・いいものを作るぞ!」という雰囲気がテレビ東京にはあります。オリジナリティというか、げんべい商店さんの言葉のとおり「変わっている」部分を活かしつつ、納得したものをお互いが作れたのは今回よかったです。「イメージと違う!これがないと嫌!」みたいな要望を形にしてもらったり、「じゃぁこのようにしませんか?」と逆に提案してもらったりしながら、関わった人みんなが納得できて、手に取った人が満足してくれるグッズにしたいと、どのような商品を作るときも感じてはいますが。 あと、もの作りは“一緒にやりたい・考えたい”と思うんです。「デザインを考えてください」みたいな、番組制作以外の仕事が僕たちは楽しいんです。だから「これをやってください」と指定されるよりは、「このようなものがおもしろくないですか?」とアイデアを入れ込める隙間がある方がうれしい。アイデアは僕らも提案しますから、「ぜひ、ちょっと聞いてみて」といいたいです。

桐生:
制作チームは、もの作りにこだわりを持っています。納得のいったものが世に出るのが一番大事なんです。そして制作チームのこだわりを、どのように落とし込むかが私たちのチームの仕事です。「アットホーム」「小規模ゆえ」「フットワークのよさ」などといいましょうか。こぢんまりしているからこそ、こまやかな仕事が実現できるのかもしれません。 あとアニメの事例は多いものの、「バラエティの商品化」は多くありません。未開拓で、可能性しかないと私は思っています。だから小さなことでも、「挑戦してみよう!試しにやってみよう!」みたいなところがあるので、チェレンジできる可能性がテレビ東京は高いと思っています。 今回は番組自体でしたが、企画と絡めたコラボレーションもできなくはありません。漠然としていてかまいませんので、“何ができるか”を一緒に探っていきましょう。まずは気軽にお声がけください。

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