今回はJose Wales (Josey Wales)のアルバム

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「Undercover Lover」です。

Jose Wales (Josey Wales)は80年代から
活躍するダンスホール・レゲエのディージェイ
です。
U Royのサウンド・システムKing Stur Guv Hi
Fi(キング・スター・ガフ・ハイ・ファイ)
で、盟友のCharlie ChaplinやBrigadier Jerry
などと、当時流行り始めたダンスホール・
レゲエを盛り上げたディージェイの一人として
知られています。
U Roy直系のディージェイとして、当時人気の
絶頂にあったYellowmanと人気を二分するほど
の実力者が彼だったんですね。

アーティスト特集 Josey Wales (ジョジー・ウェールズ)

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Yellowman Versus Josey Wales ‎– Two Giants Clash (1984)

今回のアルバムは1985年にGeorge Phang
のレーベルPower Houseからリリースされた
Jose Wales (Josey Wales)のソロ・アルバム
です。
ネットの販売サイトなどの情報によると、
タイトル曲の「Undercover Lover」は
Al Campbellの「Talk About Love」と同オケ
の人気曲で、この2曲がセットでダンス
ホールでかかっていたという曲だそうです。

85年というとレゲエがアーリー・ダンス
ホールからデジタルのダンスホール・レゲエ
へと切り替わり始めた時期ですがこのアルバム
の録音はまだアナログで、バックはSly &
Robbieなどが担当しています。
ただデジタル旋風を巻き起こした「Sleng
Teng」のリディムを使った楽曲もあるので、
ちょうど時代の変わり目のアルバムと言える
かもしれません。

Larry Marshallの「Throw Me Corn」の
リディムを使った同名曲やSound Dimensionの
「Real Rock」のリディムの「Nuffy Nuffy」、
Wayne Smithの「Under Me Sleng Teng」の
「Sleng Teng」リディムの「Freeze Who
Goes」、Burning Spearの「Rocking Time」
リディムの同名曲など、Josey Walesらしい
男臭いトースティングが楽しめるアルバムに
なっています。

手に入れたのはPower Houseからリリース
されたLPの中古盤でした。

Side 1が5曲、Side 2が5曲の全10曲。

ミュージシャンについては以下の記述があり
ます。

Produced by George Phang
Musicians:
Bass: Robbie Shakespear
Drums: Sly Dunbar
Rhythm & Lead Guitar: Willie Lindo
Keyboards: Robbie Lyn
Percussion: Skully
Mixed by: Michael Riley
Recorded & Mixed at: Dynamic Sounds
Edited by Michael Rankine

Album Design: Limonious

となっています。

プロデュースはPower Houseレーベルの
George Phang。
ミュージシャンはベースにRobbie Shakespear、
ドラムにSly Dunbarリズム・ギターとリード・
ギターにWillie Lindo、キーボードにRobbie
Lyn、パーカッションにSkullyという布陣
です。
レコーディングとミックスはDynamic Sounds
で行われ、ミックス・エンジニアはMichael
Rileyが担当しています。
書いたように演奏自体は生演奏のアナログ
録音ですが、Side 2の3曲目の「Freeze Who
Goes」はこの85年に初のデジタル録音の
大ヒットとなったWayne Smithの「Under Me
Sleng Teng」の「Sleng Teng」リディムが
使われた曲で、すでにデジタルのダンス
ホールの時代へと時代が動き始めている頃
だったようです。

ジャケット・デザインはLimoniousという人
が担当しています。
実は今回のアルバムはジャケット・デザイン
がなかなかナイス!だったのが、購入の決め
手になりました。
表ジャケは右に「Ganja University」という
白いTシャツを着た左にそのJosey Walesと
思われる髭面の男性が上半身裸の女性にキス
をしようとしているイラストです。
裏ジャケはもっと露骨なイラスト…。

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裏ジャケ

ある意味ビミョ~なエロ・ジャケなんです
が、そこが何かダンスホールっぽいかなぁと
思って購入しました(笑)。

さて今回のアルバムですが、やはりこの
アーリー・ダンスホールの頃のJosey Wales
はなかなか良いと思います。
この人はこのアーリー・ダンスホールの時代
からデジタルのダンスホールになっても変わ
らずに活躍し、90年代頃までコンスタント
にアルバムをリリースしていますが、特に
このアーリー・ダンスホールの頃の音源は
特別に良い気がします。
このアルバムや83年の「The Outlaw Josey
Wales」、84年の「No Way No Better Than
Yard」、Yellowmanの共演盤あたりはぜひ
押さえておきたいアルバムではないかと思い
ます。

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Josey Wales ‎– The Outlaw Plus / No Way No Better Than Yard (1983)/(1984)

特にこのアルバムは1曲目の表題曲
「Undercover Lover」が、書いたように
Al Campbellの「Talk About Love」とセット
でダンスホールでかかっていたという人気曲
なので、彼を代表する1枚なんじゃないかと
思います。
その男らしいトースティングが醸し出す
ダンスホールの空気感は、やっぱりとても
魅力的です。

またSound Dimensionの「Real Rock」と
いったロックステディのリディムから、
Burning Spearの「Rocking Time」といった
ルーツ・レゲエのリディム、Wayne Smithの
「Under Me Sleng Teng」といったデジタル
のダンスホールのリディムまで、自在に
こなすトースティング力は、このディー
ジェイのスキルの高さを示しています。
男臭い個性とこの自在なトースティング力が
あったからこそ、彼が長く人気ディージェイ
として活躍出来たのではないかと思います。

Side 1の1曲目は表題曲の「Undercover
Lover」です。
「秘密の恋人」と題されたこの曲ですが、
リディムはPat Kellyの「Talk About Love」。
刻むようなギターのリズムに、Josey Wales
の男臭いトースティングが魅力的な曲です。

Josey Wales - Undercover Lover - Power House LP - 1986


2曲目は「Throw Me Corn」です。
リディムはLarry Marshallの同名曲。
ギターの心地良いリズムに、Josey Walesの
滑らかで楽しいトースティングが良いです。

リズム特集 Throw Me Corn (スロウ・ミー・コーン)

3曲目は「Pon Street Again」です。
リディムはロックsテディの時代のNew
Establishmentの「Rockfort Rock」。
ノリの良いリズムカルなギターを中心と
した演奏に、Josey Walesのトースティング
が冴える曲です。

4曲目は「Jose Ready」です。
リディムはThe Wailersの「Hypocrites」
か?
ノリの良いピアノのメロディに、表情豊か
なJosey Walesのトースティングが楽しい
曲です。

Josey Wales - Joesy Ready (Hypocrites Riddim)


リズム特集 Hypocrite (ヒポクリッツ)

5曲目は「Nuffy Nuffy」です。
リディムはSound Dimensionのロックステディ
の時代のヒット曲「Real Rock」です。
ロックステディらしいギターの刻むような
メロディに、Josey Walesの表現力豊かな
トースティングが魅力の曲です。

05-Josey Wales- Nuffy nuffy.wmv


リズム特集 Real Rock (リアル・ロック)

Side 2の1曲目は「Love I Can Feel」です。
リディムはThe Heptonesのロックステディ
の時代のヒット曲「Heptones Gonna Fight」
です。
心地良いギターとピアノのメロディに、
滑らかなJosey Walesのトースティング
という曲です。

リズム特集 Heptones Gonna Fight (ヘップトーンズ・ゴナ・ファイト)

2曲目は「Don't Come Distress Me」です。
リディムはJo Jo Bennettの「Lecturer」。
ピアノを中心としたちょとリリカルなメロディ
に、ノビノビとした力強いJosey Walesの
トースティング。

リズム特集 Lecture (レクチャー)

3曲目は「Freeze Who Goes」です。
こちらはWayne Smithの「Sleng Teng」
リディムの曲です。
賑やかなピアノのメロディに、滑らかで表情
豊かなちょっと早口なトースティングが楽しい
曲です。

リズム特集 Sleng Teng (スレンテン)

4曲目は「Come Watch The Sound」です。
リディムはThe Wailersのヒット曲「Keep
On Moving」。
ギターを中心としたノリの良いリズムに、
Josey Walesの張りのある男らしいトース
ティングが冴える曲です。

Josey Wales - Come Watch The Sound


5曲目は「Rocking Time」です。
リディムはBurning Spearの「Rocking Time」。
ホーンのイントロから義他のメロディを中心
とした演奏に、Josey Walesのノリの良い
トースティング。
このディージェイのスキルの高さが解る曲
です。

Josey Wales - Rocking Time


ざっと追いかけて来ましたが、Josey Wales
の力強く男らしいトースティングはやはり
魅力的です。
彼のトースティングは心をポジティヴにして
くれるような力があるんですね。
おそらく彼の力量は多くの人が見ている
ステージで、より発揮されたのではないで
しょうか。
彼がマイクを握ると多くの人が彼のトース
ティングに期待する、そんなディージェイ
だった気がします。

今回のアルバムはその彼の代表曲のひとつ
「Undercover Lover」も含まれた、なかなか
魅力的なアルバムだと思います。

機会があればぜひ聴いてみてください。

JOSEY WALES - UNDERCOVER LOVER - VIDEO



○アーティスト: Jose Wales (Josey Wales)
○アルバム: Undercover Lover
○レーベル: Power House
○フォーマット: LP
○オリジナル・アルバム制作年: 1985

○Jose Wales (Josey Wales)「Undercover Lover」曲目
Side 1
1. Undercover Lover
2. Throw Me Corn
3. Pon Street Again
4. Jose Ready
5. Nuffy Nuffy
Side 2
1. Love I Can Feel
2. Don't Come Distress Me
3. Freeze Who Goes
4. Come Watch The Sound
5. Rocking Time

●今までアップしたJosey Wales関連の記事
〇Josey Wales「How Yu Mouth Tan So」
〇Josey Wales「Special Prayer」
〇Josey Wales「The Outlaw / No Way No Better Than Yard 」
〇Josie Wales (Josey Wales)「Ha Fi Say So」
〇Yellowman VS Josey Wales「Two Giants Clash」