デジクルのあっきー(akkiihs)です。
小売企業様の販促活動をDX推進する プロダクトの開発リーダーをやっています。
今回は社内ブログに書いた記事を公開します。
「仕組みをつくる」という話はよくあるけど、果たして "その仕組みは効果をだし続けているだろうか?" と自分に問うている今日このごろ。
ここでの “仕組み” とは、システムに何かをやらせる仕組みではなく、チームや組織の仕組みの話である。例えば、全体定例も、情報共有や意思決定などの目的をもった1つの仕組みとも言える。ルーティーンや習慣、かなり大袈裟に言うと思想や文化を醸成する要素といってもいいかもしれない。
仕組みは、つくって終わりではなく、継続して効果をだし、事業組織の状況に合わせて適応し続けることが大事だと感じている。この手の仕組みは、管理や準備を怠れば、すぐに形骸化し、効果のないものに変わり果ててしまう。これがシステムのみで完結する話であればよいのだが、人や組織が絡む仕組みなのであれば、そういうわけにはいかない。
問題は、だらだらと効果も得られずに “やってる感” だけで満足してしまうことだ。
社内フィードバック会「Demo Day」の始まりと背景
Demo Dayの目的
仕組みといえば、デジクルでは、1年ほど前に、Demo Dayという取り組みをやりはじめた。
Demo Dayは、プロダクトのアップデート内容をエンジニア組織だけでなく事業全体で体験してもらう内部レビュー会である。月に1回1時間程度で行っており、第13回目を迎えた。
当初は「自分たちが開発しているプロダクトを、組織全体にどのようにプレゼンテーションすると効果的なのか?」という課題感があり、一方的なお披露目会ではなく参加メンバーで相互にフィードバックしあえる場にしたい と思いやり始めた。
メンバーの関心を元に取り組みを変化させる
約1年間、継続してみて思うのは、毎回、同じようにやっていたのでは、ここまで続かなかっただろうなと。
途中で
参加メンバーの実機で体験してもらおうよ
とか
管理画面で入稿してみてもらおうよ
とか、その時々の事業課題にあわせてネタを変えてやってみたりした。そのための準備と、そこから得たフィードバックからの改善を続けた。
また、ここまで継続できたのは、関心を寄せて参加してくれているメンバーがいるからだ。そのためにも準備をし、何かしらの効果を感じられるものにする。組織の好循環なリズムをつくるためにも「今、チームや組織の力学がどこに働いていそうか」は観察しておくのがよいのだろう。
どこに困っているのかは注意深く検査する
例えば、Demo Dayをはじめた当初であれば、
システムでできること・できないことが分からないために、どこまで売っていいのか分からない
という会話がよくされていたし、最近では
リリース前後の運用負荷が高い
といった会話がよくされている。みんながどこに関心を寄せているのか、どこに困っているのかは注意深く検査していきたい。
「効果を生む」ための仕組み例
さいごに、Demo Dayは組織全体で取り組んでいる仕組みだったが、開発チームで取り組んでいる仕組みを紹介して終わる。毎日の情報共有や、週や月単位での計画・ふりかえり以外で、継続している仕組みを3つピックアップ
コードレビュー会:
1時間 / 週1 (計31回実施)
- 日常的にもコードレビューは非同期でおこなっているが、人によって知見の偏りが生まれるため、同期的に実装意図の確認などをする。他のメンバーがどういう観点・手順でレビューをしているのかも分かる。
issue潰し会:
2時間 / 月1 (計6回実施)
- こちらも日常的にissueの解消はおこなっているものの、同期的に、全員の意識が向くような時間を設けている。なるべく、この時間内に終わりそうなissueを選び、みんながそれぞれで潰す。少しの掃除をして、今後の開発活動にレバが効くようにする。
勉強会:
30分 / 週1 (計17回実施)
- もともと読書会だったのだが、読み切るまでにかかる時間が長く、得られる効果が薄いと感じ、なるべく直近でホットな話題・題材での勉強会にした。業務に近いものなので、メンバー間のコンテキストが合いやすくなったように思う。
まとめ
- 仕組みは作って終わりではなく、準備をして状況に合わせ適応しなければ形骸化する
- Demo Dayでは、参加メンバーの関心やフィードバックを元に工夫を凝らし、効果を維持した
- コードレビュー会やissue潰し会、勉強会なども現在の暫定的な形であり状況に応じた調整や改善を行い、効果を最大化するよう努めていく
今後も、状況に合わせて適応し、効果がなくなったらやめるなりしていきたいところ。