初めに
Adfraudの広告詐欺を防ぐための一番最近の対応であるads.certについて、ご紹介いたします。
ads.certとは
ads.certは、共有キーに対して確認ができる広告在庫(インベントリー)のデジタル署名です。 デジタル広告のサプライチェーンのすべての段階で買い手と売り手の間を通過する情報を検証し、詐欺師が媒体社の在庫を改ざんすることを防ぎます。
ads.txtはSSPとAdExchangeを確認するファイルですが、ads.certは広告枠を売り買いするプロセスの各ステップでの購買者から販売者に送られる情報を確認、有効性を検査する作業を行います。
現在、ads.certはBeta Verisionで公開されており、OpenRTBの最も新しい規格であるOpenRTB 3.0で実装できます。
ads.certはなぜ必要なのか?
Ads.txtには問題点がありました。何かというと、ads.txtは広告枠の販売者が承認されている販売者なのかを確認する、広告枠のことは確認しませんでした。
詐欺師たちはこういうところを悪用して自分たちのads.txtにSSPの情報を追加しようとします。つまり、なりすましサイトにads.txtを設置してそこにSSPの情報を追加し、普通に買付まで行われるようにするとのことです。
このような場合は、本来ads.txtを通じて防ごうとして詐欺を防げなくなる問題点があります。
そのため、IABは入札のリクエストを通じた認証のads.certソリューションを考えました。
ads.certのメリット
for Publisher
- 在庫と表示される広告をさらに制御することができます。
- 偽の在庫売り手を「ブラックリスト」に登録して、「不公平な」競争を排除します。
- プログラマティック業界の全体的な透明性により広告スペースの価格が高くなり、広告の価値が高まります。
for Advertiser
- 許可された媒体を完全に無料で識別する方法です。
- プログラマティック購入でより効果的な広告を生み出します。
- 詐欺サイトや怪しげなサイトに広告が表示されるリスクを排除します。
- より高い金銭的利益を得るために、ディスプレイ広告をビデオとして再パッケージ化する試みを公開する方法です。
ads.certで行われる有効性の検査
Ads.certでは行われるすべての段階でデータの有効性を検査します。
どのデータを検査するかについては、下記になります。
- 媒体のドメイン www.
- ユーザのロケーション
- IP address
- デバイス
- 広告の掲載順位
- 広告の種類
- Etc.
これらの情報はより価値のある印象のように操作ができます。ads.certはそれをブロックすることを目的としています。
ads.certの動作プロセス (and ads.txtとの比較)
![](https://tech-cci.io/wp-content/uploads/2019/12/図1-1024x545.png)
![](https://tech-cci.io/wp-content/uploads/2019/12/図3-1024x572.png)
- ads.txt → 媒体のインベントリーを取り扱って良いSSP、AdExchangeかを保障します。
- ads.cert → インベントリーが実際の在庫のか、変更されていないかどうかを保障します。図2で②の説明にある「Match」の意味は、SSPまたはAdExchangeは媒体の枠を取り扱って良いとのこととまた、該当の枠は正品であり変に修正されていないとのことを意味します。
まとめ
デジタル広告のトレンドが増加することによりモバイル広告、ビデオ及びOTTのような新しいの広告は詐欺師の新しい機会になっています。
Ads.txtとads.certは広告主を100%守るにはまだ制限がありますが、Domain Spoofingという広告詐欺を防止することを目標とします。
また、出版社からインプレッションを購入し、再パッケージしてより高い価格で販売するプロセスであるアービトラージという日陰の慣行をなくすこともできます。
ただ、今後じゃ、みんなこのads.certを実装していくことになるか?というと個人的にはそんなに早い実装は少し難しいのでは?と思います。理由は、企業が記述インフラストラクチャをOpen RTB2.5からバージョンを3.0にアップグレードした場合のみAds.certの実装ができるためです。
OpenRTB 3.0はバージョン2との互換性がないため、既存のシステムでは使用ができず、DSP、SSP、および取引所は互換性を確保するために様々な対応が発生します。
かなり大きい障壁のようですが、これから話題になっていく可能性が高いため、ads.certまたOpenRTB 3.0について把握しておきましょう!