LeSS Yoake ASIA 2024 Day5 レポート - Timee Product Team Blog

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LeSS Yoake ASIA 2024 Day5 レポート

スクラムマスターの吉野です!

株式会社タイミーはLeSS Yoake ASIA 2024のスポンサーとして参加し、私も招待チケットを利用して現地に行ってきました!

今回の記事はDay5のレポートです!

Day1のレポートはこちら

セッション : 企業変革の現実から考える「組織レベルのアジャイル」への道のり (ABeam Cunsulting)

  • 1つのチームから複数チームへ拡大するパターン
  • 組織改革の形で、大規模な組織にアジャイルを適応するパターン

2軸にて、組織へアジャイルを広めていくストーリーが聞けました!

前者については、スクラムが成功したチームがあっても、2つ目以降のチームに同じ形で導入しようとしても、簡単にうまくいくわけではない、というお話でした。

ふりかえりの質が悪い、Doneの定義が形骸化している、頻発するメンバーの入れ替えに伴い開発が安定しない、というスクラムチーム立ち上げ期に経験する問題。スクラムマスターがチームの「自分ゴト化」をリードし、その後、見守る形へ移行していく流れで各問題の解決に向けて進められていました。

個人的な感想となりますが、かなり共感できたのは「スクラムマスターが背中を見せる」という点です。

スクラムマスターがリーダーシップを発揮するところがスタート地点だと考えています。なぜなら、まずはスクラムマスターがリードし、チームを成功に導き、その後適切にデリゲーションを行なっていく流れが大切だと考えています。

いきなり「xxした方がいいよ」「xxはやめた方がいい」とアドバイス中心になっても、チームおよび個人は受け止めることに心理的なハードルを感じてしまう可能性があります。

そのため、まずはリーダーシップを発揮することが、序盤においては大切だと考えています。

2つ目のパターンについては、大規模アジャイルの導入を成功させたい企業に対し、支援および現場に入ってリードしたお話でした。 経営層もどうすれば良いのかわからない、もしくは、経営層が考える実行計画がある状態からどうやって成功させるかを考えます。 実際にできる人はいるのか?試しに作ってみたら、できる可能性は見出せるのか?という形で、想像と小さく実験することにより、アジャイルの必要性を徐々に知ってもらうとのことでした。

ポイントをいくつか説明する中で、印象的だったのは“アジャイルという言葉を使わない”です。 アジャイルという言葉にはさまざまな印象が紐づいてしまっていたり、言葉に引っ張られてしまっったりで、本当に考えるべきことにフォーカスが当たらない可能性があるとのこと。これは私が好きな考え方でした!私もチームへスクラムを適応していく際には、「気がついたらスクラムをやっている」というパターンを選んだりします(必ずその形というわけではありませんが)。スクラムガイドを読み込み、チームがスクラムを形式から体現するのは大切だと思うのですが、「スクラムをガイド通りに行う」が目的になってしまうケースをいくつか経験してきました。アジャイルやスクラムはあくまで考え方や実行する上での選択肢であり、本当にやるべきことは顧客に届ける価値をいかに高められるか、そして事業をいかに成功させるかにフォーカスすることを忘れないため、あえて初期段階ではスクラムを意識させない形でリーダーシップを見せていくことも行っています。

クロージングキーノート : How to adopt LeSS (Bas氏)

LeSSを導入する前からLeSS導入後について、

  • どのような準備が必要か
  • 最序盤の動きは何が必要か
  • どのような改善点があるのか

を、Bas氏の経験を交えて話されていました。

意思決定はとても重要とのことです。

いくつかをピックアップすると、

  • 私たちのプロダクトの定義はなにか?
    • 内部的なことや小さなプロダクトを含めて大きく定義する必要がある。それは、顧客が思っているよりも小さく定義してしまうと顧客との対話が難しくなる
  • プロダクトオーナーはだれか?
    • 真のプロダクトオーナーは、プロダクトにまつわるお金を辿っていくとわかる。プロダクトの予算の決定権を持っている人はだれなのか
  • 同一拠点で、リアルで顔を合わせながら仕事をする
    • プロダクトの開発が複数拠点を跨いでいたり、チームメンバー同士が顔を合わせることがなく仕事をすると、協働がしづらくさまざまなデメリットの要因となる

というお話が印象的でした。

LeSSだからLeSSのやり方があるわけではなく、他の形式や概念を採り入れた開発をしていても重要とすべきことは同じだと感じました。

自分たちのプロダクトを自分たちが一番理解し、必要な意思決定者を巻き込み、チームがコラボレーションしやすい環境でアウトカム最大化のためにアウトプットを最大化させられる働き方をする大切さの再確認ができました!

Bas氏の苦悩が伝わったエピソードとしては、「マネージャーや経営層が変わった場合、そこまで積み重ねたものがすべてひっくり返ってしまう可能性がある。決して短くない数年間が、経営者の一声ですべて無くなってしまった経験もした。しかし、私はその事象に対して、どうすれば良いのかの答えをまだ持てていない」というお話でした。絶対的な力に抗えない状況は、苦しいですね...。もちろん私も答えを持っていませんが(笑)、一度LeSSを実施できた組織は横断的にノウハウを獲得できていると思うので、再挑戦に向かえるのではないか、と思っています。

以上がDay5のレポートとなります!

直接お話をしたことがなかったCraigさん、Basさんと直接お話ができ、私にとっては貴重な体験ができたカンファレンスでした。

LeSS Yoake ASIA 2024は初回ということもあり、次回以降はさまざまなところでカイゼンが行われると思います!それも、次の楽しみになりそうな印象でした!

カンファレンスを運営されたみなさま、貴重なお時間をありがとうございました!

(お弁当は好きなプレートをチョイスできる形式だったのですが、炭水化物を2つ選んでしまい、お腹いっぱいになりました)