こんにちは、iOSエンジニアの前田(@naoya_maeda) 、Androidエンジニアの伊藤(@tick_taku77)です。
2024年8月22-24日に早稲田大学理工学部 西早稲田キャンパスで開催されたiOSDC Japan 2024に、タイミーもゴールドスポンサーとして協賛させていただきました。 イベントは以下のように、3日間連続で行われました。
8月22日(木):day0(前夜祭)
8月23日(金):day1(本編1日目)
8月24日(土):day2(本編2日目)
私達もイベントに参加したので、メンバーそれぞれが気になったセッションや感想をご紹介します。
naoya編
前夜祭で、「動かして学ぶDockKit入門」というタイトルで発表しました。 www.docswell.com
去年行われたWWDC23で発表されたDockKitフレームワークでできることを、体系的に紹介するトークになります。DockKit対応デバイス自体はよくメディアに取り上げられていて認知度が高いですが、DockKitフレームワークはまだ歴史が浅いこともあり、DockKitフレームワークを使用して何ができるかということはあまり知られていません。
本トークでは、DockKitフレームワークでできることを開発者目線でデモを通して紹介しました。 技術記事ではさらに詳しく解説していますので、ご興味をお持ちいただけた方は是非ご覧いただけますと幸いです。 zenn.dev zenn.dev zenn.dev
ここからは僕が気になったセッションをご紹介します。
タイトル : GIS入門 - 地理情報をiOSで活用する
登壇者 : 堤 修一 さん
地図の仕組みを一から理解し、iOSアプリでさまざまな応用ができるようになることを目的としたトークです。iOSアプリエンジニアの方であれば、MapKitのAPIを使用してiPhoneの画面に地図を表示したことは、一度はあるのではないでしょうか。 一方で、地図が表示される仕組みについて深く考える機会はほとんどないと思います。本トークでは、地図の仕組みから始まり、実際にコードを見ながら地図の仕組みの解説を進めていきます。最初はベーシックな地図を表示する方法、最後はマップ上に人間とモンスターを配置した、某ゲームのようなデモを披露してくださいました。
タイトル : iPhone × NFC で実現するスマートキーの開発方法
登壇者 : 岡 優志 さん
www.docswell.com NFCのハードウェア特性や規格といった基礎知識的な話に始まり、NFCでスマートキーを作成する方法をデモを通じて紹介するトークです。NFC周りは僕も触っていたことがあるのですが、曖昧な理解だった部分が多いことを実感したトークでした。 このトークを聞いた後、僕もNFCデバイスを使用して何か作ってみたいなと思いました。 基礎を丁寧にわかりやすく説明してくださる、聞き手のことをしっかり考えてお話しされるokaさんらしいトークだなと感じました! iOSDC 2023でご登壇された「作って学ぶBluetoothの基本攻略 〜スマートキーアプリを作ってみよう〜」も非常に面白いので是非ご覧ください!
tick_taku編
タイトル : App Clipの魔法: iOSデザイン開発の新時代 by log5
登壇者 : log5 さん
App Clipの概要やユースケースについて熱量高く解説されていて、iOSDC 2024のトップバッターを飾るにふさわしい未来にワクワクできる素晴らしいセッションでした!
App Clipは名前だけ知っていましたが、Androidで言うInstant Appのようなものでしょうか。 想定している活用方法を聞いてとても感動しました。
自分自身(特に普段使わないのにクーポンなどのために)アプリをインストールすることに結構抵抗があるタイプですし、昔バイトでレジを打ちながらアプリを勧めてインストールのヘルプまで行うのはカロリーも高く、忙しい時間帯ですとレジ待ちの列が長くなりかなり大変でした。 そのステップが短縮されるならユーザーにとっても店舗の方にとってもかなり負担が減ると思われるのでとても効果が高そうだと感じました。
また開発においてもモバイルアプリの共有には非常に課題を感じていて、webと違いURLを共有するだけでは完結せず準備に手間がかかります。App Clipを利用し、スプリントレビューなどにおいてその場でエンジニア以外にロールプレイをしてもらうことでより当事者意識の高いフィードバックが得られるデモンストレーションができそうな予感がします。
ゆくゆくはモバイルアプリはインストールするものではなくなる未来が待っているかもしれませんね。
とはいえ、話されていたユースケースを実現するにはまだまだ課題がありそうなので今後の動向に注目したいと思います。
タイトル : Wallet API, Verifier APIで実現するIDカード on iPhoneの世界
登壇者 : 下森 周平 さん
ここ最近マイナンバーカードをiPhone(Apple Wallet)に搭載できるようになると話題になっていますね。自分も持ち歩くものがまた減るので非常に楽しみにしています!
モバイルeID (モバイル端末に搭載される身分証明書)に関する国際標準規格 (ISO 23220)があり、マイナンバーカード搭載の話もこの一環だそうです。このセッションでは モバイルeID についての理解と、証明書情報を取り扱うAPIの特徴やユースケースを紹介されていました。
我々アプリケーションエンジニアが気になっているアプリからの取得もAPI (Verify with Wallet API)経由でサポートされているとのことなので、ユーザー登録に本人確認が必要なサービスはセキュリティ的にも利便性的にもぜひ対応した方がいいとのことでした。タイミーでも登録時に本人確認を行っているので導入できたら面白そうだなと思っています。
ただし、現時点ではAppleへの利用申請が必要なことに加えて金融など特定のカテゴリーに分類されるサービスでしか利用が許可されていないそうなので注意が必要です。
これからのデジタル社会に向けてキャッチアップが必要そうな内容が解説されていて非常に勉強になりました。
ちなみにスピーカーの方は日本在住でカナダの仕事をしているそうです。僕はカナダへのあこがれがあるので職の探し方などもとても興味があります。
参考
https://www.soumu.go.jp/main_content/000779585.pdf
https://www.jssec.org/column/20231127.html
最後に
この三日間を通して技術的な知見を深めたり、久しい友人に会って話をすることができ、すごく有意義な時間を過ごすことができました。この場を用意してくださったiOSDCスタッフの方々、参加者のみなさん本当にありがとうございました!
上記で紹介したセッション以外にも非常に興味深いセッションが多くありました。 記事にある内容や、その他の内容についても、もしタイミーのエンジニアと話したいという方がいらっしゃればぜひお気軽にお話ししましょう!