こんにちは、バックエンドエンジニアをやっている吉野です。
9月の 8, 9, 10日に三重県で開催された RubyKaigi 2022 に現地で参加してきました。
現地参加はもちろん、RubyKaigi 自体に初参加だった私は Rubyist たちの熱量の高さ、レベルの高さにひたすら圧倒された 3 日間でした。すごかった。
さて、そんな RubyKaigi に関して、MedPeer では感想戦として技術アドバイザーの Matz こと、まつもとゆきひろさんによる解説・コメントをいただく会を開催いたしました!
この記事では、その感想戦の様子をお伝えします。
Matz さんによるコメント
Matz さんより RubyKaigi に参加しての感想や、各セッションについての解説・コメントをいただきました。
ここではその一部を簡単にご紹介しようと思います。
オフライン開催について
- 2 年半ぶりにオフラインカンファレンスに参加
- オフラインコミュニケーションは情報の密度が高い
- カンファレンスの醍醐味はオフラインコミュニケーション
- 雑談からうまれるものもある
- 三重のご飯が美味しかった
2019 年以来、3 年ぶりにオフライン開催された今回の RubyKaigi。
やはりオフラインならではの良さがあるようです。
参加者からはこんなコメントがありました。
みなさん久しぶりのオフラインイベントを堪能しているようでした。
一方でオンラインの更なる発展を望む声も聞こえてきました。
- わいわい - RubyKaigi 参加しましたノ - 久しぶりすぎてオフラインでどう振る舞うか忘れてました - 久しぶりのオフラインだと人疲れ、コミュニケーション疲れはしそう - 今後は VR に可能性はありそうですよね - バーチャル廊下(雑談スペース)、もっと発展してオフラインに近づいてほしい
Ruby meets WebAssembly
- WebAssembly について、当初はマイナープラットフォームのサポート程度に認識していた
- そのため、@kateinoigakukun さんから「マージしたい」と言われた際に気楽に「いいよ」と答えていた
- WebAssembly がメディアに取り上げられてバズったときには「みんなそんなに WebAssembly に期待していたの?」と驚いた
- これまでにも Opal などを利用してブラウザで Ruby を動かすことも可能だったが、いくつかの機能制限があった
- 一方、Ruby WASM では機能制限がない Ruby を再現できている
- クックパッドさんが Ruby WASM を使用して提供していたクイズを通して Opal との違いを感じた
参加者のコメント
- WebAssembly! - これかな https://www.publickey1.jp/blog/22/rubywebassemblywasiwebassemblyruby.html - WebAssemblyはゲームチェンジャーっておっしゃってましたねkateiさん
クックパッドさん提供のクイズは多くの人が挑戦したようですが、その難易度の高さに苦戦していたようですね。
ちなみに私が 4 問目で止まっていることは秘密です。。。Ruby なにもわからない
- クイズやった! - めっちゃ難しかった - 難しかったです - 中のソースコードを読む方に興味が行ってしまった... - 同じく16で止まってます - 10問目で詰みました
Building a Lightweight IR and Backend for YJIT
- Maxime さんのチームが作る PR はとても良い
- 「大きすぎるから分けて」といったこともなく、ほぼ完璧なものが来る
- YJIT が AMD64 しかサポートしていない
- Apple の Rosetta 2 はよくできているものの、JIT コンパイラは流石に動かない
- YJIT IR という中間表現を導入し、マージされたので ARM64 の CPU を搭載した Mac でも動くようになった!
こちらの話題では登壇者のレベルの高さに感嘆の声が上がっていました。
YJIT についてよくわかっていない私も、Ruby の生みの親をして「完璧な PR」と言わしめるすごさはわかりました。すごい。
- Maxime すごい人なんだな...(すごい - すご - すげぇ - 天才だ
他にも多くのセッションについてコメントをいただきましたが、書ききれないため割愛させていただきます!
質疑応答
今回は時間の関係で 1 つしか質疑応答できませんでしたが、参加者からの質問に Matz さんにお答えいただきました!
Question
- WASM の活用について、 gem 依存をなくす前提で活用した方が良いのか、必要な gem のみダウンロードできるような機構が提供される方向なのか、など今後の展望プランはあるでしょうか?
Answer
- 現在は gem を使えないが、「Ruby で書かれた gem は使えるようにしていく」といった話が出ていることは聞いている
- 最終的な目指すところは把握していない
おわりに
今回は Matz さんに RubyKaigi のセッションをおさらいする形で解説いただきました。
セッション内容の細かい解説から、コミッター内での裏話まで非常にタメになるお話が満載でした。
それにしても、現地参加できるだけでも貴重な体験なのにその上 Matz さんの解説を聞けるなんて恵まれすぎているのでは?と改めて感じています。
Matz さん、どうもありがとうございました!!
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