みなさん、こんにちは。AI・LLM事業部のプロダクトマネージャー(PdM)として10月にジョインした稲生です。
簡単な経歴として、直近はtoCのECサービスのPdM、それ以前はエンジニアとしてアプリやウェブサービスを中心に開発を行ってきました。
今回は、最近ジョインした立場からAI・LLM事業部やプロダクトの魅力についてお伝えしたいと思います。
1. プロダクト(Ai Workforce)について
AI・LLM事業部が提供するAi Workforceは、企業向けのAI活用プラットフォームです。
サービスの概要は以下の紹介サイトからもご確認いただけますが、「企業と成長を共にするAIプラットフォーム」というコンセプトになっており、企業のみなさまの日々のドキュメントを扱う様々な業務について生産性を高めるためのプロダクトとなっています。
個人的には以下のような点で素晴らしいプロダクトだと感じています。
- 最新のAI・LLMなどの技術を今できる限界まで活用し、これまで実現が難しかった業務の効率化に取り組んでいる点
- お客様と協力しながら現実的で効果的な解決策を模索し、業務とプロダクトをアップデートしている点
今はお客様とその業務にプロダクトが受け入れていただけるかを1つずつ検証し、ユースケースの拡大、さらなる業務効率改善のためにプロダクト開発に取り組んでいます。
その中ではちゃんとお客様に使われるもの・インパクトが大きいものを提供しようという意識を強く持ったメンバーが日々の活動を積み重ねている点もこのプロダクトの強みだと感じます。
2. LLMを業務利用する上での取り組み方
Ai Workforceを支える技術であるLLMには精度の課題がつきまとうため、何もしないと業務利用が難しい場面があります。
そのため、以下のような方法を組み合わせて精度と向き合っています。
- プロンプトエンジニアリング
- 一般的なテクニックを活用し、LLMのアウトプット精度を高める
- LLMによる検証
- LLM自身に結果を検証させることで精度を向上させる
- 人によるレビュー機能
- 人がレビューし、フィードバックを反映する仕組みを提供
AIやLLMの性質を理解した上で、これらの取り組み・仕組みの合わせ技によってこれまで業務での活用が難しかった業務における可能性を広げています。
関連して、精度評価についての記事が最近公開されていますので、ご興味ある方はこちらもどうぞ。 tech.layerx.co.jp
3. 具体事例:資料のマスキング機能
最近引き継いで担当している資料のマスキング機能では、LLMの仕組みを活かした好例だと思います。
機密性の高い情報が含まれる資料を社内のナレッジとして共有したい場合、資料内の一部をマスキングしなければならない、というケースがあります。マスキングが低コストに自動で行えると社内共有が行いやすくなり、社内に眠るデータの利活用が行いやすくなります。
従来の機械学習によるアプローチでは、どこをどうマスキングするかなど、マスキングの要件ごとにゼロから機械学習する必要があったため、マスキングの要件の設計・変更に柔軟に行えない、導入に時間がかかる、という課題がありました。
Ai Workforceでは、LLMをうまく利用することで、学習などのステップを踏まずに1つの機能でさまざまな要件のマスキングを行うことが可能となっています。
もちろん精度の課題はあるので、上述したような仕組みを取り入れることで一定の解決を行なっていますが、LLMをうまく活かしたブレイクスルーが生まれていると感じる点です。
マスキングしたいというニーズが存在することと、新しいテクノロジーで解決できること、の両方を組織として認識し、解決する術があるからこそ実現できていると思います。
実際の導入事例として以下の記事でも取り上げられています。 enterprisezine.jp
4. 強みと伸びしろ
AI・LLM事業部の強みは、技術と関連するビジネスに関する情報のキャッチアップを常に行っており、さらに業務課題の解決のために活用する力を持った組織だと感じています。
- 技術への深い理解
- AIやLLMの最新動向を常にキャッチアップし、その可能性と限界を理解しています。(ニュースレター として外部にも発信しています)
- ビジネス課題への適用力
- 技術的な知見を実際のお客様のニーズに結びつける上で、関係者が協力して議論、実行しています。
- オープンな議論文化
- チーム内で活発な意見交換が行われ、常に最適な解決策を模索しています。
一方で、まだまだな部分もたくさんあると思っています。
この1ヶ月半働いてきた中で感じた点を雑多な内容ですがいくつか例に挙げてみます。
- プロダクトの目指す方向性
- さまざまな業界・業務の効率化を扱うことを目指しているため、程よい形で目指す方向性を言語化・表現しきれていない
- すでに一定の抽象度でわかりやすい表現がされているものの、具体的な要望やアイデアに対してどう対処するかの拠り所にするまにでは至れていない場合がある
- 汎用的な機能のわかりづらさ
- プロダクトとして汎用的な機能にしていることもあり、誰にとってのどういった課題が解決されるための機能なのか初見ではわかりづらい機能がそれなりにある
- 組織内の情報の流れ
- 立ち上げフェーズかつ組織を拡大している時期でもあるため、適切な情報共有の粒度、タイミング、プロセスなどがまだベストとは言いづらい(※こちらは今すごいスピードで解消されていっています)
- お客様ごとに異なるユースケースへの導入がプロジェクトとして進行するため、プロジェクトとプロダクトの進め方を一致させづらい場面もある
組織としてもプロダクトとしても伸びしろがありつつ、面白みのあるプロダクトに携われるので、チャレンジしがいのある環境だと感じています。
5. 最後に
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
AI・LLM事業部では一緒に働くSWE、SRE、プロダクトデザイナーを募集しています。
ご興味を持たれてている方は、ぜひカジュアル面談にご応募いただけると幸いです。
私もカジュアル面談からこの事業・プロダクト・関係者に魅力を感じて決意できたところが大きいので、お気軽に申し込んでいただければと思います!
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