採用担当者に「インプットが面白い」と評された新卒の脳内 - 弥生開発者ブログ

採用担当者に「インプットが面白い」と評された新卒の脳内

この記事は 弥生 Advent Calendar 2023の20日目の記事です。

こんにちは、新卒1年目エンジニアの齋藤です。

早速ですが今回は、私の脳内について共有します。 半ば論理的で、半ば変わっている考え方をするので、記事にすれば面白いだろうという目論見です。

脳内の共有という事で、今回は技術的な要素からは離れ、ややマーケティング寄りの内容になっております。 創造性を豊かにしたい、息抜きしてみたい、見たことのないものに触れてみたいという方、ぜひお楽しみください。

形について

形とは、とても面白いものです。

それはある日の業務中のことでした。

机上のディスプレイとパソコンとエトセトラとにらめっこしていた時、ふとこのように思いました。

「ん?やけに机の上が四角いなぁ」

見れば、ディスプレイ、パソコン、本、卓上カレンダー、エクセルのセル、全てが四角いのです。

また、後日水族館へ行った際にはこのように思いました。

「おお、どの生き物も四角くないなぁ」

群れを成すイワシ、直立するペンギン、飛び跳ねるイルカ、全てが四角くありませんでした。

後で考えて分かったことがあります。

四角という形は人工物の形として向いているのです。

例えば、大きな円形のディスプレイを作ったとしましょう。 しかし、大きすぎたということで、このディスプレイから小さい円形のディスプレイを切り出したとします。 これでちょうどよい大きさのディスプレイが出来ました。
では、残った三日月形のディスプレイはどうしますか?

四角以外の形では、このようなデッドスペースが生まれ、生産の効率を悪くします。 他にも理由はありますが、人工物は四角で構成されていることが多いです。 ぜひ、周りを見渡してみてください。机上以外にも窓、部屋、ビルなど、世界にある四角が見えてくるはずです。

一方、イワシやペンギンなど、生物たちの親は人間ではないので、各々生存に有利な形に変化していきます。 その中で、空気や水の抵抗を受ける四角という形は、淘汰され少なくなっていったのでしょう。

さて、実はここまでが序章です。 ここからさらに思考を巡らせていきましょう。

面白いインプット

私は弥生の採用担当の方に、「なぜ私を採用しましたか?」と伺ったことがあります。 その際、このように言われました。

「インプットが面白い人だと感じた」

褒められちゃった。やだ、うれしい。ありがとうございます。

そして、私もそのように思います。

面白いインプットとは?と言いますと、前段のお話では次の箇所です。

「おお、どの生き物も四角くないなぁ」

面白い捉え方ですね。その上変わった捉え方です。

普通イワシを見た時、人は「四角くないなぁ」ではなく、「魚の形だなぁ」と捉えます。 理由として、魚をわざわざ四角くないと認識する必要がないと、脳が判断するからでしょう。

しかし、ここではあえて別の理由を提唱したいと思います。

それは、我々が水槽のイワシを見るとき、四角を見ないからです。

見えない形

人間の摂取する情報の多くは視覚情報と言われています。

そのため、目に見えていないものを想像することは難しいものです。

ここで、さらに小話を一つ。

一人暮らしの友達の部屋へ、3人ほど連れて初めて遊びに行った時のこと。

ある一人が重要なことを口にしました。

「あれ?この部屋冷蔵庫ないの?」

確かに、言われてみれば、その部屋には冷蔵庫がないのでした。

さらに、そのことに彼以外が気づくことはありませんでした。

視覚情報にとらわれていれば、そのようになることもうなずけます。冷蔵庫はそこにないので、視界に入ることもできません。目に見えないものは脳で0から想像する必要があります。

つまり、「トーテムポールが置いてある」など、通常部屋にないものがあることには当然すぐに気づきます。しかし、部屋にあるべきものがないことには気づきにくいのです。

イワシの場合も同様です。我々がイワシを見るとき、その水槽に四角は泳いでいません。四角が見えない限り、脳に四角という言葉自体が浮かびにくくなります。その結果、我々は「四角くないなぁ」などとは捉えず、イワシを見たままの「魚の形」として捉えます。

見たままの形でとらえることは、生活上必要かつ効率的な考え方です。しかし、時に、見えない形を想像する必要性も出てきます。「もっと速い馬が欲しい」という要望に自動車で応えたフォードがいい例です。

さて、ではなぜ先ほどの彼は、冷蔵庫の不在に気づくことができたのでしょうか。ここに、見えない形を見るヒントがあるはずです。

その理由は、彼がペットボトル飲料を持っていたからです。

見えない形を見る

彼はペットボトル飲料を冷やしたかったのでしょう。当然考えとして、冷蔵庫が浮かびます。そして、見えない冷蔵庫に気づくわけです。

つまり、彼は目に見えるペットボトルを通して、見えない冷蔵庫を見ていたのです。

ここから考えられる見えない形を見る方法がいくつかあります。

1.様々な知識や経験を積む

見えない冷蔵庫も、ペットボトルという関連物によって、見えるようになります。さらに言えば、色々な物を持っていれば、見えてくるものが増えるということです。

しかし、人の両手やリュックサックには限界があります。

そうであれば、色々な物を脳に持っておこうということです。

多種多様な知識や経験は想像を助けます。人に見えないものが見えるようになり、おのずと視野が広がります。燕の飛び方から天気を、何気ないガレキから大昔の生活を捉える人もいます。

知識という名のペットボトルです。

2.抽象化する

ペットボトルを持っていた彼には、まず「冷やしたい」という願望がありました。そしてその実現方法に冷蔵庫を思いつきました。

フォードも同様に、速い馬を「速い移動手段」に置き換え、自動車を作りました。

考えを一度抽象化してみましょう。そうすれば、考えは一旦「目に見える形」から離れます。

そして、再度「目に見える形」に戻した時、その形は思ってもみなかった形をしていることがあります。

また、抽象化する上で、「なぜこの形なのか」を常に考えることも有効かもしれません。

3.改善できることを信じる

たとえペットボトルを持っていたとしても、「冷やしたい」という不満がなければ、冷蔵庫は見えません。

不満は時に原動力です。現状への不満は、改善への糸口です。

人は改善したい物事に出会うと、自然と改善できていない理由に目が向きます。この段階ですでに「2.抽象化する」ができています。

しかし、改善の余地はないだろうと考え始めてしまうと、改善をやめるどころか、現状を許しはじめ、不満自体を持たなくなっていきます。

改善できると信じてください。世の中はうまくできていますが、まだまだ改善の余地はあります。

あとがき

いかがでしたか。

概念のガラクタ箱のようなお話で、私もまとめ作業にやや苦労しました。

この記事がマーケティングや要求定義などの、創造的な作業の一助になればと思います。