ミスミソウ
『ミスミソウ』鑑賞
http://misumisou-movie.com/
「ハイスコアガール」「でろでろ」などで知られる押切蓮介の人気サスペンスコミックを、「ライチ☆光クラブ」の内藤瑛亮監督のメガホンにより実写映画化。東京から田舎の中学校に転校してきた野咲春花は、学校で「部外者」扱いされ、陰惨ないじめを受けることに。春花は唯一の味方であるクラスメイトの相場晄を心の支えに、なんとか耐えていたが、いじめはエスカレートしていくばかり。やがて事態は春花の家が激しい炎に包まれ、春花の家族が焼死するまでに発展。春花の心はついに崩壊し、壮絶な復讐が開始される。主人公の春花役を本作が初主演となる「咲 Saki」の山田杏奈が演じる。
押切蓮介の同名コミックの実写映画化。
内容が内容なんで、それでなくとも、漫画の実写化には不安がつきものだけど、これがそんな危惧を一蹴する出来の良さ!
春花役の山田杏奈は口数少ない黒目がちで押切美少女なんだけど、それ以上に、流美を演じる大塚れながびっくりするくらいの押切キャラ顔で最高!
南先生役の森田亜紀も整った顔立ちなのに壊れてる感じが気持ち悪くてよかったなぁ。
忠実な実写化、と書けば、原作を読んでる人間なら察してくれるでしょう。
未読で、純愛ものと勘違いしている人がいるなら要注意(いないか)
忠実と言っても、当然、よく出来た実写化にあるようにちゃんと原作を整理されている。特に相場の火事現場の写真は中盤では一瞬しか映らなかったり、過去描写はオミットされていて、終盤までその本性がわからない。
初っ端から春花に対するいじめ描写に誤魔化しがないだけに、後半の彼女の壮絶な復讐に期待が持ててしまう。
日和ることなく、最近では珍しいほどのスプラッタ/スラッシャーホラー!
雪が鮮血に染まる殺戮劇を見ると、押切作品でも実写化向きなのかもしれない。
ただ、いじめグループの掘り下げは、オリジナルでもっとそれぞれ見せてほしかったかなぁ。
彼女たちもまた、家では普通の子であり、親に愛されていたり、虐待されている。そこがあったら、各々の最期がもっとぐっと来たと思うんだよなぁ。
以下ネタバレ
ラストの改変は個人的にはアリ。
惨劇の末、全てを背負い、血の滲むような努力をすれば、彼女だけは未来がある、というのはいいと思うんだよね。
また、【完全版】で描き下ろされた、春花と妙子の出会った頃の思い出がラストに繋がるように組み込まれたのも美しい。
- 作者: 押切蓮介
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2013/03/12
- メディア: コミック
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