奈良県北部の収穫期の田んぼ=2024年10月5日、大川泰弘撮影
江戸幕府の八代将軍、徳川吉宗は「米将軍」とも呼ばれる。新田開発や年貢の徴収方法見直しなどコメにまつわる施策が多かったためだが、最も苦慮したのは米価対策だったとされる。といっても、引き下げようとしたのではない。武士の収入源のコメが増産で値崩れすることを防ごうと、価格維持にやっきになった
▲夏場に店頭でコメが品薄となり、価格も上昇した。新米が流通して一息つくかと期待されたが、今月になっても高値は変わらない。近所のスーパーでは5キロで最低でも約3000円、品種によっては4000円台に及ぶ
▲同じ店ではキャベツが1玉380円、小さなトマト2個398円。諸物価が上がる中のコメ高騰が家計を圧迫するだけでなく、飲食業界などから悲鳴が上がるのも無理はない
▲円安下でのコスト増など、生産者も厳しい事情の中での米価高であろう。さりとて、このままでは他の食品へのシフトで「コメ離れ」が加速しかねないようにも思える