生稲晃子(写真・長谷川 新)
11月23日、Xにこんな投稿が――。元「おニャン子クラブ」メンバーにして、第2次石破内閣で外務政務官に抜擢された生稲晃子氏。事あるごとに政治家としての “資質” を問われ続けてきたが、今度はいったい何をやらかしたのか──。
国会では見たことない笑顔」生稲晃子がお忍びでフェス参加
「佐渡金山の世界遺産への登録をめぐっては、韓国側が『日本の植民地時代に朝鮮半島出身者の強制労働があった』として反発。しかし、日本側が朝鮮半島出身者を含めたすべての労働者の追悼行事を毎年開催すると決めたことで、韓国側も同意したのです。
当初は、韓国政府も朴喆熙(パク・チョルヒ)駐日大使らの参列を予定していましたが、いきなり出席を見送ると発表。そのドタキャンの理由が、日本政府を代表して出席する生稲氏の過去の言動だといいます」(政治担当記者)
韓国側が問題にしているのは、生稲氏の靖国参拝だ。
「生稲氏は、2022年8月、靖国神社に参拝していますが、韓国メディアは、これを問題視。『韓国側の遺族を侮辱する不適切な人選だ』として、反発したかたちです。対中国、対北朝鮮対策で日韓関係を重視する石破茂首相にとって、頭の痛い問題になりそうです」(同)
このところ良好な関係を続けてきた日韓関係を損ねかねない事態に、あらためて生稲氏への軽率な行動に注目が集まっている。
「生稲氏は、2022年7月の参院選に出馬した際の候補者アンケートで『無回答』を連発したり、『不勉強』を理由に各局の選挙特番への出演を拒否したことで、当初から批判されてきました。
また、参院選の際、読売新聞が候補者におこなったアンケートでは、『韓国との関係強化』について『どちらかといえば反対』と答えています。
それから2年経ち、政局も大きく変わりましたが、これまで外交実績がゼロの生稲氏について、外務政務官としてふさわしいのかという疑問の声も聞こえてきます」(同)
実際、Xでは、生稲氏の “責任” を問う声が続出している。
《両国関係に暗雲が立ち込める。対話と理解が求められる時に、歴史の影が再び関係を揺るがすのは悲しい。》
11月21日、外務省でおこなわれた新旧副大臣・政務官交代式で、「韓国や中国とは多くの課題がある。日本として言うべきことはしっかりと言って、日本の平和を実現していきたい」と語った生稲氏。だが、最初の一歩でつまづいてしまったようだ。
「(朝鮮半島出身者を含む)先人たちのご労苦に心から敬意を表すとともに亡くなられた全ての方々に改めて深い哀悼の意を表したいと思います。」
ただ世界文化遺産登録のための韓国側との合意事項の一つが不完全のまま終了したことに地元からは落胆の声も上がっています。
【佐渡市渡辺竜五市長】
「地元としては準備をしてきた中で、こういう結果になったということは大変残念というのが正直な思い」
世界文化遺産「佐渡島の金山」の朝鮮半島出身者を含む労働者の追悼式が24日、新潟県佐渡市で初めて開催された。文化遺産登録時に日本政府が開催を表明し、韓国政府と合意していたが、韓国政府関係者や遺族は追悼式の在り方に疑問を呈し、参加しなかった。
日本政府代表として出席した生稲晃子外務政務官はあいさつで、「朝鮮半島から来た労働者は、危険で過酷な環境の下で困難な労働に従事した」と触れ、「先人たちの労苦に敬意を表し、亡くなった全ての方を哀悼する」と述べた。
式は、韓国政府関係者や遺族に用意した席が空席のまま始まった。冒頭、招待者約70人が黙禱(もくとう)した。
登録を巡り、韓国政府は「強制労働の事実を含む全体の歴史を反映すべきだ」と要請。日本政府は朝鮮人労働者に関する展示と、追悼式開催で合意した経緯がある。