天皇、皇后両陛下の長女愛子さま(22)の伊勢神宮訪問は、随所で多くの人が集まり、人気の高さがうかがえた。現地で気付いた点が一つあった。参道での一般客の立ち入りが制限されたことだ。秋篠宮家の長男悠仁さまの際は、この制限はなかった。一見すると愛子さまの方が皇族として重んじられているような印象を受けるが、この違いは一体、どこから来ているのか。各方面に聞き、取材をしていくと…(共同通信=大木賢一)
▽皇太子並み
私は2022年4月の秋篠宮ご夫妻による参拝も見たが、この際も内宮全体の立ち入りが禁止され、ご夫妻が宇治橋を車で渡っていくのを見送った。秋篠宮さまは皇嗣。なぜこの対応になったのか。伊勢神宮はこう説明している。「皇嗣殿下は皇太子殿下と同等なのでそのようになった」。「同等」というのは、皇室典範特例法が皇嗣について「皇太子の例による」と定めていることを指す。
今回の愛子さまは、内宮の参道を三分の二ほど入ったところにある「第二鳥居」で車を降りたが、一般客の立ち入りはここまで。報道陣もカメラ以外は奥に入れず、この場所で愛子さまを見送った。悠仁さまとの違いが気になった。
▽「皇族に差はなし」
この違いはなぜ生じたのか。
伊勢神宮の広報室に質問したところ、こんな答えが返ってきた。
「両陛下と皇太子ご夫妻、皇嗣ご夫妻は別格ですが、それ以外の皇族方に差は設けていません。 一般客の制限は、あくまでその時々の警備や誘導の都合から決めています」。言い換えれば、愛子さま訪問は多くの人出が見込まれたため、その分だけ制限を厳しくしたということになる。
▽身位規定なし
だが、私には別の疑問があった。皇族の身分に当たる「身位」のことだ。