2014年05月 - TAMIの気まぐれ通信
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バリ島のカメムシ目:ヘリカメムシ科-1

バリ島のヘリカメムシ科を2回に分けて紹介します。




ハリカメムシ属、ウブドの水田脇で撮影。


ハリカメムシ属のもう一つの種類。
これもカジェン通り奥の、水田の脇で撮影。






ハリカメムシ類の小型種、属は不明、1枚目がプンゴセカン村、2枚目と3枚目がウブドのビスモ通りで撮影。
後腿節にも長いトゲがあって、小型ながら格好がよい。








クモヘリカメムシ属の一種、カジェン通り奥で撮影。
各所の水田脇に非常に多く見られる。
生息環境は、日本産のクモヘリカメムシとほぼ同様。








ホソヘリカメムシ属の一種、これも道端の草地に多く見られる。
一番下は幼虫の画像で、成虫・幼虫とも日本産のホソヘリカメムシによく似ている。




ホオヅキカメムシ属の一種、日本産のホオヅキカメムシと同じ種類かも知れない。
1枚目はプンゴセカン村で撮影、2枚目はロビナ海岸近くで撮影したもの。

バリ島のカメムシ目:ナガカメムシ科

バリ島で撮影、または採集したナガカメムシ類です。


日本産のオオシロモンナガカメムシそっくりの種類。
破損した個体だが、この1頭だけしか見つからなかった。






トヤブンカ村で撮影、小型の種類。
これも1頭だけしか見つからなかった。


ロビナ海岸で撮影したもの。
前の種類によく似ているが、色彩が異なる。
同じ種類かも知れない。






やや大型の種類で、下はその幼虫と思われるもの。
チャンプアンの尾根道で撮影。




ウブドで採集。
非常に小型の種類で、写真は撮れなかったもの。
ホテルの庭先で採集した。






ウブド付近で、最も良く見られる種類。
一般に他の昆虫類を補食するが、植物から吸汁している個体もたまに見かける。


チャンプアンの尾根道で撮影した、この種類の幼虫と思われるもの。
ウリ科の果実に群生していた。








標本写真、交尾している個体を採集したもの。

バリ島のカメムシ目:サシガメ科・グンバイムシ科

サシガメ科とグンバイムシ科を紹介します。




チャンプアンの尾根道で撮影、かなり破損した個体。
前胸側縁と、小盾板末端が鋭い突起になる。


トヤブンカ村で撮影、前の種類に似ているが、細型で肢も細長い。
♂♀かも?




タンブリンガン湖で採集、日本のアカジマサシガメと同じグループの種類で、藍色の強い金属色を帯びる。
枯木の下などから何頭も出てきたが、素早く生態写真は撮ることが出来なかった。


ロビナ海岸付近で撮影、ガガイモ科と思われる植物の葉裏に付いていた。


グンバイに食害された植物。
アワダチソウグンバイやプラタナスグンバイなどと同じ様な状態。
吸汁された跡が、小さな点状に残る。

バリ島のカメムシ目:キンカメムシ科

バリ島のカメムシ目の3回目で、キンカメムシ科を紹介します。






トヤブンカ村で撮影、アブラギリ類の堅い果実に付いていることが多い。
同時に若い果実も付いているが、何故か非常に堅い、割れたような果実に止まっているのをよく見かける。
3枚目の画像は、たまたまアコンの葉裏に静止していた個体。


食草と思われる、アブラギリ類の幼木。
おそらく植栽されたもの。




標本写真。




ウブド近郊のプンゴセカン村で採集したもの。
トヤブンカ村の種によく似ているが、腹部の色彩が異なり、前胸の側縁の突出が弱い。
体型もやや幅広い感じがする。
単に♂♀の個体差かも知れないが。




シンガラジャ地区の、ロビナ海岸付近で撮影したもの。
ウブド付近にも、本種によく似た種類が見られるが、今回は撮影機会がなかった。




同種の標本写真。
今回の旅行では、この2種のみ撮影できた。

バリ島のカメムシ目:カメムシ科

カメムシ科に属すると思われる、カメムシ類を紹介します。
見た目で判断しているために、間違っているものがあるかも知れません。


ウブドで撮影したもの、小型種でシラホシカメムシの仲間かなと思っているもの。








トヤブンカ村で撮影したもの、大きさも色彩も、日本産のクサギカメムシにとてもよく似ている。


これもトヤブンカ村で撮影、ミナミアオカメムシ。
標本写真を撮ろうと思ったが、数枚撮影した後に飛び去ってしまった。
日本産の本種の画像と、良く一致する。

ミナミアオカメムシ Nezara  viridula  Linnaeus,1758
世界の熱帯から亜熱帯にかけて、広く分布することになっているが、人為的な移入も含まれていそうなので、どこまでが自然分布なのかは不明。
日本でも分布地の北上傾向が知られている。


ウブドのカジェン通りの奥で撮影したもの。
耕作地の農道脇の草地で見つけた。




これも同じ場所で採集したもの。
前の写真の種類とよく似ていて、同種の♀かも知れない。
小盾板の前後に白い斑紋がある。




チャンプアンの尾根道で撮影、日本産のエビイロカメムシと同属と思われる。
踏みつぶされたもので、今回は生きている個体は見つけられなかった。
非常に特徴のある種類だが、種名は判明していない。
イネ科の草地に見られる。
上の写真は、本種の幼虫と思われるもの。

バリ島のカメムシ類:オオカメムシ科

バリ島で今年の3月から4月にかけて撮影した、オオカメムシ科の2種を紹介します。

ミドリオオカメムシ(仮称)
大型の、弱い緑色の金属光沢を持つ種類で、ウブド周辺で撮影したもの。




本種の若齢幼虫と思われるが、確定できてはいない。
各地に見られるジャワオオカメムシ(仮称)よりも、鮮やかな赤色をしており、白いロウ状物質も明瞭に認められる。


ミドリオオカメムシ(仮称)の成虫。
プンゴセカン村で撮影。
新鮮な個体は、薄いロウ状物質に覆われていて、あまり光沢が認められない。
葉裏にいることが多く、逆光状態では意外と目立たない。
非常に敏感で、素早く飛び去ってしまうことが多い。


ジャワオオカメムシ(仮称)の若齢幼虫。
ミドリオオカメムシよりも赤味が弱く、ロウ状物質の白色もあまり目立たない。
クタなどの海岸地域から、トヤブンカ村などの、比較的標高の高い地域まで広く分布する。
トヤブンカ村では成虫・幼虫共に、ユーカリ属の幼木に集まり食害する。


終齢近いと思われる幼虫。
肩の部分が大きく後方に張り出している。


同時期に若齢から終齢までの幼虫、成虫が見られる。
特に決まった発生期はないように思われる。


成虫の腹面は、白色のロウ状物質で覆われるが、古い個体ではこれがほとんど剥落したものも多い。


前方から写した所。


交尾中の個体。
すべてユーカリの幼木上。


食害されて枯れたユーカリ。




標本写真、腹面のロウ状物質は、酢酸エチルで溶けてしまう。




ロビナ海岸で撮影した、ジャワオオカメムシまたはごく近縁の種類。
トヤブンカ村などで見られる個体よりも、著しく小型で、背面が均等にロウ状物質で覆われる。
生時にはやや白っぽく見える。
成虫は1頭だけだったので、ジャワオオカメムシの小型個体かも知れない。


幼虫も、見た感じがやや異なる。


やや大きな幼虫。
微妙な感じだが、青灰色の縁取りがやや幅広い。




標本写真、♂と♀なので比較しにくいが、どことなく感じが異なるような気がする。

新宿御苑で撮影した花

4月27日に、新宿御苑を散策した際に、撮影した花を紹介します。





セリバヒエンソウ、園内各所の林床に多い。
キンポウゲ科。
中国が原産の花で、明治期に日本に渡来したもののよう。
以前は、あまり見られなかったが、最近はあちこちの公園で見られるようになった。
小さな地味な花だが、拡大してみると面白い形をしている。



クサイチゴ、これも園内各所に見られる。

ラショウモンカズラ、母と子の森の休憩所近くに群落がある。
シソ科の植物で、花が比較的大きく、離れた所からでもよく目立つ。

イネ科の草本、種名は判らないが、花の様子が面白かったので撮影。

シャガ、アヤメ科の植物。
ちょっと薄暗い、湿った所に良く見られる植物で、花がきれいなので、各地の公園などでも、植栽されているのを見る機会が多い。

オダマキ、母と子の森付近で、植栽されていたもの。
株数は余り多くなかった。

ホソバオオアマナと落羽松の気根。
ホソバオオアマナは、以前は、この落羽松付近以外にあまり見られなかったが、最近は、母と子の森の各所に群落を見ることが出来る。
日本原産の野草ではなく、明治時代に日本に入ってきたもののようだ。
ユリ科の植物で、大きな群落になることが多い。

カラスノエンドウ、母と子の森の、散策路の周辺に良く見られる。
いわゆる雑草だが、ピンク色の小さな花が、離れた所からもよく目立つ。
最近は、市街地の緑地帯などにも入り込んでいる。



オドリコソウ、母と子の森と上の池の間の散策路付近で見られる。
林縁に大きな群落を作っている。
花の色は、薄くピンク色を帯びたものが基本だが、全体白色のバラエティがある。

シラン、公園管理事務所付近に植栽されている。
ラン科の植物で、各地で植栽されたものが見られるが、野生状態のものは見たことがない。
地方自治体の作成したレッドデータ・ブックでは、絶滅危惧種に指定されていることもある。

ヨコヅナサシガメの羽化

昨日、高尾山周辺に、昆虫の撮影に行った際、高尾山口駅の裏側にある、氷川神社の境内で、ヨコヅナサシガメの羽化を撮影できたので紹介します。

境内のサクラに、成虫と幼虫の混じった群れがいたので、撮影していた時に、右上で羽化し始めている個体を発見。

少し待ってみて、羽化終了まで撮影してみることに。

撮影中は非常にゆっくりした変化だと思っていたが、写真を並べてみると、意外と早く抜け出始めているのに気付く。

あまり動きが感じられなかったので、体をふくらましたり縮めたりして抜け出ているのかと思う。
腹端を残して、ほぼ体が出てきている。

ゆっくりと肢と触角を抜き始めた。

後肢の一部を除いて、肢を完全に抜き去った。

後肢も抜き終わる。
この姿勢のまゝしばらくじっとしていた。

足を下方に伸ばして、体を確保しようとしている。
慎重に足を伸ばした縮めたりして、足場の感触を確認しているように見える。

ほぼ完全に足場を確保する。

そのまま一気に、体の残りの部分を引き抜いた。
このあと体を回転させて、頭を上に向けた形で静止した。

サシガメ科
ヨコヅナサシガメ Agriosphodrus  dohrni  (Signoret,1862)
分布:本来、日本に分布する種類ではなく、関東・中部以南(1990年代以降)、四国・九州(1930年代の記録あり)の分布は、人為的な持ち込みのようだ。琉球列島を含む、南西諸島には分布していないらしい。
国外分布:中国からインドシナを経て、インドまで広く分布する。

国立環境研究所の「侵入動物データベース」を参考にした。

バリ島産ダンダラテントウについて

バリ島のダンダラテントウについて紹介します。
ダンダラテントウは、薄い赤褐色地に、黒い斑紋のあるものが普通ですが、日本本土のもの本州から九州にかけての個体では、黒が主体で、赤色の斑紋が出るものが多い。
東南アジアのダンダラテントウは、ほとんどが赤褐色の方で、斑紋も非常に安定していることが多い。


沢山いるので撮影を怠けて、写真を探したらこれしか見つからなかった。
黒の帯が多少太さに変化があるが、基本的にはこの斑紋型だけ。




ウブドのビスモ通りの、水田脇の道端で撮影した、本種と思われる幼虫。




これも同様な環境で見つかった蛹化後間もない蛹、十数個の蛹が数十cm.四方の範囲内で見られた。
かなり活発で、草が揺れると体を反り返らせる運動を繰り返していた。
確定的ではないが、付近に成虫が多く見られるので、ダンダラテントウの蛹と思われる。
大きさもやや大型で、ナミテントウやダンダラテントウのサイズ。


こちらも同じ場所で見つけたもの、蛹化後やや時間のたった蛹。

テントウムシ科
ダンダラテントウ Menochilus  sexmaculatus  (Fabricius,1781)
分布:本州から九州までと、南西諸島などの島嶼部に広く分布。国外は、中国からアフガニスタンにかけての東南アジア・南アジア地域、東南アジアの島嶼部からポリネシア・ミクロネシアにかけてとニューギニア地域。