一部、バリ島以外のものも含みますが、中・小型種の蛾類の中で種名が判ったものを中心に紹介する。属名までのものも含みます。
基本的に、名前の判明する種類は、日本などまで分布する、いわゆる広分布域の種類が多い。
ロンボク島の西海岸、スンギギ海岸付近で撮影した、ナカジロシタバの幼虫。 ハマヒルガオ類の葉に止まっていたもの。
日本にも分布して、食草としてヒルガオ類が上げられている。
日本から、東南アジア・アフリカ・ヨーロッパまで、非常に広く分布する。
ヤガ科
ナカジロシタバ Aedia leucomelas (Linnaeus,1758)
2003年3月22日、ロンボク島スンギギ。海岸のヒルガオの類。
分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島・沖縄本島・久米島・伊江島・宮古島・石垣島・西表島・南大東島・アジア・南大平洋諸島・オーストラリア・ヨーロッパ・アフリカ
食草:ヒルガオ科
2000年3月24日、ジャワ島中部のヨグヤカルタで撮影。 分布から見て、タイワンベニゴマダラヒトリと思われる。
民家の塀に止まっていたもの。
バリ島のトヤブンカ村でも目撃したことがある。
ヒトリガ科
タイワンベニゴマダラヒトリ Utetheisa lotrix lotrix (Cramer,1777)
分布:日本(本州以南)・台湾・中国・フィリピン・ビルマ・インド・スリランカ・オーストラリア・アフリカ
よく似た種類に、ベニゴマダラヒトリ Utetheisa pulchelloides がある。
見たところ日本産とあまり変わらないように見える。
トヤブンカ村でも撮影したことがある。
ツトガ科
シロオビノメイガ Spoladea recurvalis (Fabricius,1775)
分布:北海道から、大東列島までほぼ日本全土・アジア・オーストラリア・北米
食草:ホウレンソウ・フダンソウ・テンサイ・ウリ類・アカザ・サトウダイコン・モヨウビユ・ケイトウ・ヒユ・ヒナタイノコズチ・ツルナ(日本での食草)
比較的昼行性の傾向が強く、低い草むらを活発に飛んでいるのを見ることが多い。
時折、花に吸蜜に来るが、その時以外は、敏捷で撮影が難しい。
この個体は、チャンプアンの尾根道の奥の、スバリ村で撮影したもの。
ツトガ科
キンモンノメイガ Aethaloessa calidalis tiphalis (Walker,1859)
分布:九州・対馬・屋久島・奄美大島・徳之島・沖縄本島・久米島・阿嘉島・西表島・台湾・フィリピン・マレー・オーストラリア
食草:ツルマオ
小型種だが非常に特徴のある色彩で、比較的分かりやすい種類。
日本では西日本以南に見られるようだが、東南アジアからオーストラリアにかけて、広く分布するようだ。
ハマキガ科
センダンヒメハマキ Loboschiza koenigiana (Fabricius,1775)
分布:本州・伊豆諸島・小笠原諸島・四国・九州・対馬・屋久島・沖縄本島・石垣島・西表島・南大東島・台湾・中国・インド・ミクロネシア・ニューギニア・オーストラリア
食草:センダン
ウブド郊外のカジェン通り奥の水田耕作地域で撮影した、オガタマヒメハマキ。 1cm.を超える、ヒメハマキ類ではかなり大型の種類で、飛んできて足下に止まったので気付いたが、目の前で見ても鳥や昆虫類の糞のようにしか見えなかった。
地味な色彩だが、大きさと独特の色彩で見分けやすい。
ハマキガ科
オガタマヒメハマキ Arcesis threnodes (Meyrick,1905)
分布:本州・四国・九州・対馬・屋久島・奄美大島・沖縄本島・西表島・スリランカ
食草:オガタマノキ
ウブド周辺や近郊地域の、林の残る環境では良く見られる、イヌビワオオハマキモドキ。 小型種だが金属光沢のある、熱帯的な雰囲気の蛾。
やや薄暗い感じの林床で見つかることが多い。
ハマキモドキガ科
イヌビワオオハマキモドキ Saptha divitiosa Walker,1864
分布:九州・石垣島・西表島・魚釣島・台湾・フィリピン・インド・モルッカ諸島・ビスマルク諸島・ニューギニア・オーストラリア
食草:オオバイヌビワ
オビベニホシシャク、ウブド郊外で撮影したもの。
中型のシャクガだが、葉裏に止まることが多いので、なかなか撮影しにくい。
日本でも九州以南に分布する。
シャクガ科
オビベニホシシャク Eumelea biflavata insulata Warren,1896
分布:九州・屋久島・奄美大島・徳之島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・マレー・インド・Borneo・Sumatra・Java・Sulu・Penang・Nias
食草:オオハギ、アカメガシワ?
ウブド郊外のチャンプアンの尾根道で撮影した、スカシドクガ属の一種。 産卵中の個体。
日本産のスカシドクガによく似ていて、平たい円盤状で、中央がくぼんだ形の卵もよく似ている。
ドクガ科
スカシドクガ属 Arctornis sp.
ジャワ島産の同属の画像は見つかったが、もっと鱗粉が厚い感じでかなりイメージが異なる。
これはジャワ島中部のプランバナン村に滞在した折に、ホテルの庭先に植えてあったハイビスカスで見つけた3-4cm.ほどの蛾の幼虫。 その後、Webでも同じ様な幼虫の画像を見つけたが、単に、マダラガ科の幼虫となっていて、種名は判らないまま。
他にも、蛾類の写真は撮っていますが、名前が判るのはごく一部で、今のところ、今まで紹介したものがすべてです。
分かったものは、少しずつ紹介していこうと思っています。