絵画 - TAMIの気まぐれ通信
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馬場敬一展「人間発掘」

バリ島で知り合った画家、馬場敬一さんから、個展の案内が来たので見に行ってきました。
個性的な画風なので、好みが分かれるところだと思いますが紹介します。
吉祥寺の小さなギャラリーで6月23日までの開催です。

馬場敬一-1

馬場敬一-2
久しぶりで、バリ島の話などしてきました。

画家ウェッチェス追悼

バリ島ウブドのツアーオフィス「Apa ? 情報センター」のホームページを見ていたら、佐賀県のカフェで、クトゥット・ウェッチェスの追悼展が開催されているという、お知らせが載っていてびっくりしました。
4月に亡くなっていたようです。
それほど親しく付き合ったわけではありませんが、ウブドで顔を合わせたときには、声を掛け合ったりする程度には、見知った付き合いでした。

最初にあったのは、モンキーフォレスト通りの入口近くで、小さな店を開いて、手描きのTシャツを売っていた頃です。
1998年のことです。
絵が面白かったので、しばらく見ていたら、声をかけてきたので1着買った物です。

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これがTシャツの絵の部分です。
Tシャツ自体は、ボロボロになってしまったので、絵の部分だけ切り取って、今も手元に置いてあります。
何年かたって、このTシャツを着て、ウブドを散策していたときに、向こうから声をかけてきて、再会のきっかけになりました。

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2009年に撮影した物で、ビスモ通りに面したアトリエで製作していた、金属板を打ち抜いた作品で長さ数mの大きな物です。
ある日通りかかったら、無くなっていたので、完成して売れてしまったのかと思い、後日会ったときに聞いたところ、盗まれてしまったと言うことで、幻の作品になってしまいました。

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2014年に撮影した物です。
ラヤ・プンゴセカン通りにある「ビアビア」の隣のカフェをアトリエ代わりにしていたときに、作成していた、豚をかたどったと思われるオブジェです。
完成後1-2週間で片づけてしまったようで、割とすぐに無くなってしまいました。

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2018年に撮影した写真です。

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これはモンキーフォレスト通りの、大駐車場の向かい側の、ギャラリーの片隅をアトリエとして使わせてもらって、制作しているところで、上の写真と同じ2018年の撮影です。

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2020年に撮影した写真で、前の写真の右手に少し見えている、壁面に描かれていた牛の壁画です。
コロナ騒ぎで、閉店していたので、この絵があることに気付きました。
この年は、ニュークニン村で、バイクでシンガクルタ方向へ走り去るのを、ちらっと見たのが最後で、会って話す機会はありませんでした。
数少ない、バリの文化に根付いた、自分のスタイルを持った画家であったと思います。

サヌールのル・メイヨール美術館

昨日は、サヌールの海岸近くにある、ル・メイヨール美術館に行ってきました。

ル・メイヨール Adrien-Jean Le Mayeur de Merpres (9.Feb.1880 - 31.May 1958)
ベルギー生まれの画家で、1932年にバリ島のシンガラジャに到着。
1958年、ベルギーで死去、享年78歳。

当時著名なレゴンダンサー、ニ・ポロック Ni Pollok と出会い結婚。
彼女をモデルに多くの作品を描いた。

彼の死後、住居としていた建物と共に、残されていた作品が、インドネシア政府に寄贈され、美術館として公開されている。
日曜-木曜 8-15時、金曜 8-13時。
料金は50,000ルピア。
ル・メイヨール INNという宿が、隣接してある。












多くの作品は、彼の妻であるニ・ポロックをモデルとして描かれている。
未完成と思われるものが多く展示されているが、確かなデッサン力が伺われて興味深い。
一部、写真から引き延ばしたものも展示されている。
保存状態が良くないのが残念な気がする。


古いレゴンの衣装が展示されているが、ニ・ポロックが、レゴンダンサー当時に、着用していたものかどうかは不明。




建物の外壁には、精緻なレリーフがはめ込まれているが、これは後に取り付けられたもののようだ。


入口の木製の扉に彫られたレリーフ。


庭先に置かれた、かわいらしいレゴンの石像。
小さなものだが独特な雰囲気がある。


敷地の、ほぼ中央に置かれている、ル・メイヨールと、ニ・ポロックの胸像。
当時の住まいを、そのまま使っているので、小さな美術館だが、一度訪れる価値はあるものと思う。

「クラーナハ」展を見る

昨日の昼過ぎに、上野で開催されている「クラーナハ」展を見てきました。
世界遺産に指定されたこともあり、昼前から晴れてきたので、多少の混雑を予想していたが、行ってみると全く混雑していなかった。
午前中雨が降っていたことと、平日だったせいもあるのかも知れないが。
画家が、日本での知名度が今一つ無いのかとも思った。

個人で絵画制作をしていたというよりも、工房で何人かの弟子を使って描いていたようなので、本人が、どの程度関与していたかで、かなり完成度にばらつきがあるように思った。
個人的に一番気に入ったのは「ヨハネの首を持つサロメ」。
印象として、男性の肖像画は、画家自身の手になるものが多いような感触を持った。



このあと、短時間だが上野公園を散策した。
写真撮影は、ほんの少しだけ。

ジャクソン・ポロック展


昨日、時間がとれたので、気になっていた近代美術館で開かれている、「ジャクソン・ポロック」展に行ってきました。
今まで見た画家の作品の展覧会でも、もっとも興味深いものの1つでした。
比較的具象的なテーマを描いていた初期から、メキシコ絵画の影響を受けた時期、ピカソの影響を受けた時期を超えてポーリングと呼ばれる、絵の具を直接キャンバスに流し込む技法を見いだすまで、様々に変貌して行く過程を見られたのは、何よりも貴重な体験だったような気がします。
メインの作品は「インディアンレッドの地の壁画」という大作でしたが、この絵を見たときに、何故か「ゴルゴダの丘」のイメージが浮かびました。
絵そのものには、そんなイメージはなかったのですが。
ところが出口のすぐ近くに、ポロックの部屋に飾ってあったという、銹びて両端の欠けた船の碇が展示してあり、まるで十字架にかかったキリストのようなその形を見て、さっきのイメージが的外れではなかったような気がしました。
最後の展示品はポロックの自動車事故による死を報じた、地元新聞でした。
ポロックのアトリエを再現した部分もあり、床に飛び散った絵の具の集積を見ていると、これがポロックの最後の作品だったのではないかという思いに至りました。
床の部分は実際のアトリエを写した写真を、実物大にプリントしたものですが。
絵の具や絵の具を溶くための缶、絵筆なども展示してありました。

正面玄関前のポスター。



ミュージアムショップ。



外部に展示されているオブジェ。
上は「イサム・ノグチ」作の赤い門の台座部分。