ゴキブリ - TAMIの気まぐれ通信
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横浜市の昆虫類:ゴキブリ目

横浜市内で撮影した昆虫類、今回はゴキブリ目4種を紹介します。
嫌われることの多い昆虫ですが、屋内で見られるのは、2種(時に3種)のみで、大半は屋外で見られる種類です。
体の表面は、すべすべしていて、雑菌などの付着しにくい構造になっているようで、研究者によっては、昆虫類の中で、最も清潔なグループだとしている人もいるようです。
今回紹介するのは、多分、最も嫌われている2種と、屋外で見られる2種を紹介します。

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クロゴキブリ、6.Dec.2013、室内で撮影したものです。
多分、最も嫌われている種類ではないかと思います。
気温が高い時期には、毎日のように見られますが、最近、見る頻度が下がってきたように思います。
意外と、撮影機会の少ない種類です。

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クロゴキブリ、24.Oct.2015 神奈川県横浜市鶴見区市場富士見町で撮影。近くにある公園の周辺で撮影したものです。
かなり破損した個体です。

ゴキブリ科:Blattidae
クロゴキブリ Periplaneta fuliginosa (Serville,1839)
分布:北海道・本州・四国・九州・小笠原諸島・屋久島・種子島・奄美大島・徳之島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・汎世界

人間の移動によって分布を拡げた種類で、寒冷地を除く、ほぼ全世界に分布している種類です。

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ヤマトゴキブリ幼虫、4.Feb.1997 神奈川県横浜市泉区和泉町で撮影。
耕作地の横に立てかけられていた、畳の間で越冬していた個体です。
枯れた木の、樹皮下・ウロなどに多い種類ですが、稀に、屋内に入り込むこともあるようです。

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ヤマトゴキブリ、14.Sep.2013 神奈川県横浜市鶴見区市場下町で撮影。
枯木の樹皮の間から、顔を覗かせていた個体です。

ゴキブリ科:Blattidae
ヤマトゴキブリ Periplaneta japonica Karny,1915
分布:北海道・本州

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チャバネゴキブリ、8.Sep.2016 神奈川県横浜市鶴見区市場富士見町で撮影。
この種類も、屋内で見られるもので、比較的小型の種類です。
近所の公園の近くで撮影しました。
これも、意外と撮影機会の少ない種類です。

チャバネゴキブリ科:Blattellidae
チャバネゴキブリ Blattella germanica (Linnaeus,1767)
分布:北海道・本州・四国・九州・ 対馬・屋久島・種子島・奄美大島・徳之島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・汎世界

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モリチャバネゴキブリ、29.Sep.2000 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町で撮影。
これは野外に居る種類で、チャバネゴキブリによく似ていますが、胸の黒い筋の状態が違うので見分けられます。
生きた植物の葉をかじっているのを、時々見かけます。
食痕はハムシ類によく似た感じで、葉に丸い穴を開けたような感じです。
林の中の道などで、落葉の下から出て来る幼虫は、殆どがこの種類です。

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モリチャバネゴキブリ、18.Jun.2012 神奈川県横浜市緑区四季の森公園で撮影。
同じ日の撮影で、上が幼虫の写真です。
幼虫が葉上に居るのは、あまり見たことがありません。

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モリチャバネゴキブリ、30.Jun.2013 神奈川県横浜市緑区四季の森公園で撮影。

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モリチャバネゴキブリ、14.Jul.2013 神奈川県横浜市鶴見区三ツ池公園で撮影。
板切れの下に、潜んでいた個体です。

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モリチャバネゴキブリ、31.May.2014 神奈川県横浜市戸塚区舞岡町舞岡公園で撮影。

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モリチャバネゴキブリ、28.Sep.2015 神奈川県横浜市緑区四季の森公園で撮影。
見えにくいですが、尾端に卵鞘を付けた雌個体です。

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モリチャバネゴキブリ、10.Sep.2016 神奈川県横浜市緑区四季の森公園で撮影。
これも尾端に卵鞘を付けた雌個体です。

チャバネゴキブリ科:Blattellidae
モリチャバネゴキブリ Blattella nipponica Asahina,1963
分布:本州・四国・九州・伊豆大島・対馬・屋久島・種子島

目・グループ

写真

目撃

記録

合計

鱗翅目(蝶類)

51

5


56

トンボ目

18

11


29

バッタ目

33

4


37

シミ目

1



1

ゴキブリ目

4



4

合計

107

20


127

バリ島のチャバネゴキブリ類

バリ島のゴキブリ類については、何度か紹介しているが、チャバネゴキブリ類について2種混じっているようなので、あらためて画像を掲載します。


2015年3月11日 Ubudで撮影。


2015年3月13日 Ubudで撮影。




2015年3月27日 Toya Bungkahで撮影。
以上はヒメチャバネゴキブリと思われるもの。
いずれも野外で生の植物を食べている。

チャバネゴキブリ科
ヒメチャバネゴキブリ Blattella  lituricollis  lituricollis  (Walker,1868)
国内分布:九州・種子島・屋久島・沖永良部島・トカラ中之島・悪石島・奄美大島・徳之島・沖縄本島・宮古島・石垣島・西表島・与那国島・硫黄島
国外分布:台湾・南支那・ビルマ ・インドネシア


2015年3月7日 Ubudで撮影、前のものと同じ、ホテルの庭先で撮影したものだが、胸のスジが細く「ハ」の字型に後方に向かって広がっている。
触角も全体黄褐色で、前の種類のように黒みがからない。
最後に比較のため、近所で撮影したチャバネゴキブリの画像を掲載しておく。


2016年9月9日 神奈川県横浜市鶴見区で撮影。
ヒメチャバネゴキブリに似ているが、翅がやや黒みがかり、頭部や前胸も赤味が強い。

チャバネゴキブリ科
チャバネゴキブリ Blattella  germanica  Linnaeus,1767
国内分布:北海道・本州・四国・九州・奄美群島・沖縄諸島
国外分布:汎世界

卵は卵鞘内に入っていて、一つの卵鞘から約40頭の幼虫が産まれる。
ちなみにWebで検索したところ、1頭の♀の産卵数は1回に40卵とのことで、約1ヶ月の間隔で、生涯に5回産卵するとあった。
それで以下のような計算をしてみた。
半数が♂だと仮定して、♀が全個体生き残って産卵を繰り返すと、以下のような個体数になる。
20×40=800
400×40=16,000
8,000×40=320,000
160,000×40=6,400,000
3,200,000×40=128,000,000
ゴキブリの卵は卵鞘で保護されているので、幼虫の孵化率は比較的高そうだが、天敵の捕食などで、幼虫のほとんどが死亡してしまうために、この計算のような数には達しないと思う。
足の踏み場もない程、ゴキブリがあふれていないことがその証明のように思われる。

バリ島産のゴキブリ類:野外種

バリ島産のゴキブリ類の2回目です。
今回は野外種を紹介します。
チャバネゴキブリ科に属する種類がほとんどと思われ、小型種が多く見られるが、出会う機会は余り多くない。
中には美麗種もいて、昼行性の種類も多いが、大型の種類は深い森林に生息し、深い落葉の中、倒れた大木の下などに生息し、夜行性の種類が多いので、出会う機会はほとんど無い。
ここに紹介するのは、クタ海岸やウブド周辺で、偶然に見つけたものばかりで種類数も少ない。
バリ島で撮影したゴキブリ類はこれですべてです。


クタ海岸で見つけた、翅のないゴキブリ。
2cm.ほどの小型種で、最初幼虫かと思っていたが、成虫かも知れないと思うようになった。
海岸に転がっていた、枯れた細いヤシの下から見つかった。
夜行性の種類と思われる。


バトゥールのソンガン村で見かけた、チャバネゴキブリの仲間。
ハムシ科の甲虫のように、生葉を食する。
このタイプのものが、一番よく目に付くが、何種類か混じっていると思われる。
ほとんどが草や木の葉上にいて、近づくと素早く飛び去ってしまう。


ウブドで撮影した、ウスヒラタゴキブリの仲間と思われるもの。
1-1.5cm.ほどの小さなもので、イネ科の葉上によく見られ、葉の付け根に潜んでいることもある。
これも何種類か混じっていそう。




チャンプアンの尾根道で撮影。
これはやや大型で2cm.を超える。
やはり、ウスヒラタゴキブリの仲間と思われる。
尾根のイネ科の明るい草地で見つけた。


タンブリンガン湖で撮影した幼虫。
立枯れに止まっていたもの。
グループは不明。


ARMA美術館の構内で見つけた種類。
大きさは4-5cm.、これ一度だけしか出会う機会がなかった。
わりとゴキブリらしい雰囲気の種類で、止まっている植物は、植栽されたシャガに似た黄色い花をつける植物。




チャンプアンの尾根道で撮影、地上性の種類と思われる。
日本産のヤマトゴキブリの♀に、ちょっと雰囲気が似ている。
コバネだが成虫だと思う。
この個体は、イネ科の草地の根際付近を、かなり長い間うろうろしていた。






チャンプアンの尾根道で撮影した、バリ島で見た、最も美麗な種類。
クロアシクビワゴキブリ、尾根道の中でも、小さな林のようなところがあって、林縁のクズの葉を大きくしたような植物の葉上で見つけた。
下はその幼虫で、ほとんど同じ場所で、別の日に見つけたもの。
表にいる時は不安そうに歩き廻るが、葉が巻き込んだようなところにもぐり込むと、安心するのか、かなり長い間じっとしていた。

チャバネゴキブリ科 クロアシクビワゴキブリ Hemithyrsocera  histrio  (Burmeister,1838)
分布:シンガポール・マレーシア・ランカウイ島・ペナン島・スマトラ・ジャワ・ボルネオ・スラウェシ
バリ島の記録は見つからなかったが、スマトラ・ジャワ・ボルネオに分布するので、当然分布域に当たるものと思われる。
比較的、昼行性の傾向が強い種類だと思われる。

バリ島のゴキブリ類:その1

インドネシアのゴキブリについては、何回かまとめて紹介しているので、おおかた重複するかも知れないが、今年までに撮影できた種類をまとめてみた。
苦手な人にはご容赦婦負がいたい。
今回は、苦手な人には、特に見たくもない屋内性のものと、種名はわからないもののシロアリを紹介します。


ウブドで撮影、屋内でよく見かけるのは、日本にも侵入してきているワモンゴキブリ。
クロゴキブリを一回り大きくしたような種類で、色も赤味が強い。
船舶などで運ばれて、世界の熱帯域に広く分布している。
種名はamericanaなので、アメリカ産の個体で記載されたものだろうが、アフリカ原産と考えられているようだ。
最近は東京などにも生息していて、多摩川の是政橋付近と、品川駅の構内で目撃したことがある。

ゴキブリ科 ワモンゴキブリ Periplaneta  americana  (Linnaeus,1758)
分布:世界の熱帯・亜熱帯地域。


これもウブドで撮影、クロゴキブリによく似ている。
ワモンゴキブリの♀かも知れないが、若干感じが異なるように見える。
バリ島でも、屋内に、何種類かのゴキブリ類が住み着いているようだ。




ワモンゴキブリの幼虫、ウブドで撮影。
成虫に比べて、幼虫はあまり目に付かない。
かみ合ったりするのか、何かに襲われることが多いのか、触角などが壊れていることが結構多い。


ゴキブリ目シロアリ亜目、最近はシロアリもゴキブリ目に含まれるようになった。
社会性のゴキブリという訳だろう。
これも熱帯に種類が多く、これは屋外性のものと思われる。

次回は、多分チャバネゴキブリ科に含まれるものが多いと思うが、もう少しきれいなものを何種か紹介したい。

バリ島で見つけたゴキブリたち

今までバリ島で見つけたゴキブリの仲間は、種類は多くありませんが画像を紹介します。



ワモンゴキブリ、多分、バリ島で一番見る機会の多い種類。
屋内にも屋外(自然林の中以外)でも、見かけることが出来ます。
日本にいるクロゴキブリよりも一回り大きく、嫌いな人は見るのもいやな存在でしょうが。
一番下の写真は、立木の枯れた部分にいたもので、多少感じが異なるので別種の可能性もあり。


チャバネゴキブリの仲間。
葉上にいて、ハムシ類のように葉をかじっている。
日本のチャバネゴキブリと同じ位のサイズ。

一度だけ見た種類。
チャバネゴキブリを幅広くしたような感じ。

ウスヒラタゴキブリの仲間と思われる。
非常に小型の種類。
単子葉植物の葉裏にいることが多い。

クタ海岸で見つけた種類。
サツマゴキブリを黒く小型にしたような感じ。
ココヤシの枯木の下から出てきた。
見つけた時は幼虫かと思ったが、成虫かも知れない。

タンブリンガン村で見つけた種類。
湖畔の立枯の樹皮下から出てきた。
チャバネゴキブリ系の幼虫と思われる。




最初見つけた時に、カミキリムシの仲間だと思った、カラフルな種類。
下が幼虫。
チャンプアンの尾根道で見つけたもの。
クロアシクビワゴキブリという種類で、マレーシアなどにも分布する。