2019年5月に安徽省蕪湖市で開催された中国科学普及博覧交易会が、年々おかしなことになっている。本来は最先端テクノロジー製品の展示会なのだが、ロボット恋人が人気となり、今ではロボット恋人だらけの展示会になっていると蕪湖新聞網が報じた。
科学普及博覧会がなぜかロボット恋人博覧会に
2019年5月下旬に、安徽省蕪湖市で開催された第9回中国(蕪湖)科学普及博覧交易会が年々おかしな方向に進み始めている。本来は、最新のデジタル製品の展示会だったのだが、ロボット恋人が出品されて話題となると、続々とロボット恋人が集まり始め、現在ではほとんどロボット恋人の展示会のようになっている。
最も価格が安いものでは1980元(約3万円)というものもあるが、今年話題になった「菲菲」(フェイフェイ)は6万8000元(約104万円)もする。
▲コンパニオンのコスプレで展示をされていた菲菲。6万8000元(約104万円)から。
▲「彼女の登場で、味気ない生活が変わる」と題した菲菲のプロモーションビデオ。一部、不快な映像または爆笑する映像が含まれています(R18的な表現はありません)。
なぜか四川語や日本語まで話すことができる菲菲
この菲菲は、深圳全智能機器人科技が搭載した人工知能搭載のコンパニオンロボットAI-RQ01-T005-C008。このロボットは言葉を話すことができる。それも日本語、英語、中国語の3カ国語だけでなく、中国の方言である粤語、四川語も聞いて理解することができる。
唇は少しか動かないが、尋ねれば今日の天気や気温を答えてくれる。スマートスピーカーなどに搭載されているAIアシスタント程度の会話ができるようだ。WiFi接続をすると、物語を語ってくれたり、小話で喜ばしてくれたり、歌を歌ったりする。
▲菲菲も展示内容を説明するなど、展示会の仕事をしている。
▲会場では、なぜかロボット恋人と記念写真を撮る人が続出。
肌の温度は37度。触ると温かみのあるロボット
ボディはTPE(熱可塑性エラストマー)素材でできている。ゴムとプラスティックの中間のような素材で、人肌のような柔らかさを出すことができる。電源ケーブルや通信ケーブルのコネクタ部などにも使われている素材だ。内部からヒーターで暖められ、皮膚は常に37度程度に温められている。電源はUSBケーブルで供給する。
▲室内に座る菲菲。内部ヒーターにより、肌は37度に加温されている。
身長、頭部などは選択可能。髪型もカスタマイズ可能
身長は158cmバージョン(体重22kg)と165cmバージョン(体重34kg)の2つが用意されている。頭部は9バージョンから選ぶことができ、身長、スタイル、肌の色、髪型などは別途カスタマイズに応じる。
▲頭部は9種類から選択可能。肌の色も選択可能だ。
空輸用とソファ型の専用収納ケースも(別売)
また、収納ボックスとして、空輸可能なケースとソファにもなるケースが別売されている。
展示会で、説明員は、現在主に日本で売れていると説明しているという。日本でどうやって購入できるのかはわからないが、興味のある方は1台買ってみたらいかがだろうか。
中国では、結婚難が続いていて、特に「結婚できない男性」の問題がじわじわとクローズアップされている。菲菲が話題になるのも、こういった社会事情と無関係ではない。
▲別売で、空輸可能なケースと、ソファに見えるケースも用意されている。