【連載】ミヤザキが行く!研究者に“突撃”インタビュー
-教えて大和田さん!働くことへの疑問から“庭木果樹”の研究を始めたのはなぜ?地元・福島への思いと共に伺います
連載「ミヤザキが行く!研究者に“突撃”インタビュー」。インタビュアーは“ミヤザキ”こと、宮﨑紗矢香です。
環境研究の研究者ってどんな人?どんな社会を望んで研究しているの?背景にある思いなどをミヤザキ目線で深堀りし、研究、人柄の両面から紹介します!
Vol.08:大和田興さん(農家の自給労働の専門家)
第8回のゲスト研究者、大和田さん(右)と筆者。福島拠点の中庭にて。
衣食住など生活に必要なものを自らまかない、心身を満たすライフスタイルなどを指す「自給自足」。
昨今の産業化による弊害が各方面で指摘される中、必ずしもお金のためだけではない生き方を積極的に選択する人が増えています。
今回は当研究所の福島地域協働研究拠点(以下、福島拠点)で、人間が働く意味について探求し、その過程から農による食の自給に着目して、自ら名付けた「庭木果樹」の研究に取り組む大和田さんにお話を伺います。
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Vol.01:江守正多さん(地球温暖化の専門家)
インタビュアー:宮﨑紗矢香
対話オフィス所属、コミュニケーター。大学時代、環境活動家グレタ・トゥーンベリさんのスピーチに心を動かされ、気候変動対策を求めるムーブメント、Fridays For Future(未来のための金曜日/以下、FFF)で活動。
働くことに疑問があった学生時代。お金にならない農家労働を研究し始めた原点
宮﨑 本日はよろしくお願いします。大和田さんは福島拠点の地域環境創生研究室に所属され、自給的な農業に関する研究をしていると聞いています。まずはこれまでの経歴から聞かせてください。
大和田 はい。高校までは地元の福島で過ごして、大学は神奈川県の日本大学(以下、日大)生物資源科学部に行きました。大学院は東京農工大学大学院に進学しましたが、大学までは普通に遊んでいる学生でした。
でも就職活動が迫った時期に、働くことって何なのかと疑問に思いました。お金がなければ食べていけないし、好きなものを買えないので、生活するために働くことが必要なのは理解していたけれど、何か違うのではないかと。
サラリーマンとかいわゆる「企業戦士」のように、社会の駒になることは生きていくためには正しいけれど、それが人間の本来的な価値として必要なことなのかなと感じていました。なぜ働くのかを考えたいと思い、当時は農村社会学を専門にしていたので、農家労働や農業をすることの意味を考える卒論を書きました。
研究する中で、在来品種とか伝統野菜といわれるものを復活させる取り組みをしている方々の生き方を聞く機会があり、農業の中でもよりお金にならない、農業経営ではない領域があることを知りました。そこで大学院では自家採種といわれる、農家が育てた野菜から自分で種を採る行為について研究し、学位をとりました。その後は大学の研究員をしたり、茨城県の農業研究所で農業経営の研究をして、今年の4月から国立環境研究所(以下、国環研)に来ました。
宮﨑 働くことに疑問をもつようになったきっかけはありますか?
大和田 サラリーマンになることへ釈然としないものがあり、そうなりたくないという一心でした。
サラリーマンを馬鹿にしているわけではなく、そもそも産業化とか資本とか、会社で働くということは自分の業績が会社のものになるということで、自分が努力して成績をあげたことが直接的に自分の生活に反映されるかといわれると、そうでもない社会という印象がありました。
その仕組みに、生きることの尊厳が感じられないと思ってしまって。僕が辞めたところで他の誰かがいるとか代替がきく世の中で、その人じゃないといけない、そういう価値のある人間になりたいという部分は強くありました。
宮﨑 農業経済学(農村社会学)を専門にしているのは、地元の福島で育ったことが関係しているのでしょうか?
大和田 とても不純な動機なのですが、日大の生物資源科学部は湘南の藤沢にあるんです。当時、湘南に行きたかったという理由だけで進学しました(笑)。いや、もともと車が好きなので、車を持てて都心に近い大学となると、限られるので。
あと、高校生のときに大学のゼミのパンフレットを見ていたら、農業経済学科というのが農学部にあることを知って、専門的に農業経済や社会学を学ぶのは面白そうだと思いました。そうでなければ哲学系の学部とか社会学部に行きたかったです。
宮﨑 そんな動機でここまで研究を続けられているのはすごいですね(笑)。働くことに対して漠然と疑問を持っていたというのも驚きました。
大和田 ある意味、初めから答えや目指すものがはっきりしていたら、大学のうちに答えを出して就職したと思うんですよね。漠然とした疑問があったからこそ、研究的なテーマにつながり大学院まで行ったのかなと。
宮﨑 私も就活に大きな疑問を持っていたのですが、そのまま大学院に行くのは違うかなと思い、一旦は就職しました。でも、今になって大学院に行きたい気持ちが強くなっています。
お金のためではなく食べるためにつくる。庭木果樹と人間の20~30年にわたる共生
宮﨑 ところで、大和田さんは「庭木果樹」をテーマに研究しているそうですが、農業経済という専門からどのようにテーマを深めたのでしょうか?
大和田 過度な資本主義に疑問をもっていたので、資本主義や産業社会に属さない労働は何かを考えたときに、農業関連でいえば自給的な農業とか山菜を採るとか、そういう世界観を探求しようと思いました。
農業で使うトラクターとか農薬や肥料は、資本にお金を渡して労働を外部化しているものになるので。もちろん、自給的な農業でも肥料はまくので完全に資本から独立しているわけではないですが、お金にするためではなく、自分たちが食べるためにつくっている。このあたりが自給に興味をもったところです。
野菜やお米は一年生で毎年植えるので自由にやれますが、庭木果樹や木は一度植えたら、20~30年付き合わないといけません。「桃栗3年柿8年」なんても言いますが、柿の木は実をとって食べることを目的に植えたとすると、収穫できるまで育てないといけないし、できてからは毎年収穫して干し柿にしたりして食べるなど、長い付き合いをしていくのが面白いと思いました。
また、米、野菜に関しては生業として研究でも触れられていますが、庭木果樹に関しては誰も触れていなかったことも大きいです。一般的な農業はお金にかえるとか、人々の食生活を守らないといけないという社会的使命があるから、経営や経済につながりますが、自給的な農業の研究は環境学や民俗学などが担っている部分があります。そういう意味で、環境を中心とした研究をする国環研で、庭木果樹の研究ができるのはありがたいなと思っています。
宮﨑さんは横浜育ちと聞きましたが、農業に対して感覚的に馴染みはありますか?
宮﨑 馴染みがなかったのですが、地方に移住してからりんご農家さんの手伝いをしたりしました。りんごも庭木果樹ですか?
大和田 庭に生えていれば庭木果樹ですが、畑などに経営目的で植えていれば庭木果樹にはならないです。
宮﨑 なるほど。庭って本当に庭なんですね。庭に生えている木の果樹ということですね。あまり聞かない言葉なので、イメージするのが難しく。
大和田 はい、僕の造語なので、もともと概念として存在していないんですよ。
昔の農家には、納屋とか作業小屋がある傍らに畑があり、庭木が植えられていました。松の木や杉の木のほかに柿や梅の木とかが植えてあって、松の木は鑑賞用だったり、杉の木は焚火の焚きつけ材として使われていたほか、柿や梅は食べ物用で、保存食にも役立ちました。
昔の農村は砂糖など甘いものが買えない時代があったので、甘味をとるためには果物が一番効率的だったわけです。
庭木果樹がある屋敷の模式図 ※大和田さん・監修/福島拠点・作
宮﨑 なるほど。私の祖母は福岡にいるのですが、祖母がやっているのは庭木果樹だなと想像できました。まさにそんな家の造りで、よく自分で採集したりしているので。
大和田 そうなんですね。仮に、その家のおばあさんやおじいさんが亡くなって家を継ぐ人がいなくなったら、庭木果樹は管理されないまま残り、食べてもらえなくなります。
けれど、庭木はその家に植えられて、家主と何十年も共生してきたわけです。一番付き合いの長い農作物として、庭木果樹との共生関係は家族の中で重要な位置にあると思っています。
農業関係の人には何でそんなものに着目するんだとか、また変なことをやり始めたと言われますが、環境系の人にはすごい面白いテーマを見つけたねと言われるので、まだ学問として深められていない領域なのかなと思います。
果樹栽培農家の調査を行う大和田さん
産業社会批判に終わらず、お互いの立場を認め合うためにーある哲学者の論考
宮﨑 なるほど、面白いです。ところで大和田さんは自給的農業を研究する上で、イヴァン・イリイチ(※注1)という哲学者の概念を参照されているそうですが、詳しく教えてもらえますか?
大和田 イヴァン・イリイチは、産業社会を批判したことで知られています。医療や学校、エネルギー、ジェンダーなどについて、その労働だけでなくシステム自体を批判し、産業社会の新たな対抗軸を作り上げようとしました。
特に、「シャドウ・ワーク(影の労働)」を提唱したことで有名で、女性の家事や育児など、生活を維持し社会経済の基盤を支えるために必要なのにもかかわらず、報酬の支払われない労働を指してそう呼びました。「アンペイドワーク」と言われたりもしますね。
彼は晩年、革命などで社会を変えようとするより、ゆるやかに「いきいき」と、人間が人間らしく生きることの重要性を説いていました。犠牲を伴わない社会変革を、という根底のメッセージは心を動かされた部分です。
社会変革が起こると権益を得る人がいるけれど、失われる権益をもつ人もいます。イリイチは今困っている人を救いあげようとするところがあり、産業社会批判をしていた一方で、蔑ろになっているものも認めようとしたり、生活の中にある希望や個人が人間らしさを保っていること、今を生きることを肯定する姿勢がありました。
僕も分断とかは好きではないし、研究のキーワードにも「共生」があります。
産業社会において農業経営も重要だけれど、お金にならない自給的農業も重要だよねと、お互いを認め合ってお互いの立ち位置を保つことができる方法は何かと考えたときに、イリイチの論考は重要な思想になっています。
宮﨑 私は大学生のときに子ども食堂(※注2)というボランティアに参加していたのですが、食堂の代表の方がハンナ・アーレントという、ドイツ出身の政治哲学者のことを話していました。
著書『人間の条件』では、人間の営みは「労働」「仕事」「活動」の3つに大別できると書かれていますが、子ども食堂は「活動」の時間にあたると聞きました。「労働」は生命を維持するために行うもの、「仕事」は芸術作品や工作物など作品を生み出す行為、「活動」は他者と議論したり交流する営みをさしますが、大和田さんが言う自給的農業も、「活動」につながるのかなと思って聞いていました。
私も今の社会は「労働」の領域が多すぎるのではないか、もっと他者と議論するとか、芸術に触れるといった「活動」の時間があってもいいのではと思います。
経済学者の斎藤幸平さんが『人新世の「資本論」』でカール・マルクスを取り上げながら、もともとは誰のものでもなかった公共財(コモンズ)がお金に変えられてしまい、その結果として気候変動などの問題につながっていると指摘していますが、イリイチの主張にもどこかで通じる気がしました。
大和田 資本主義社会では、人間らしさとか、豊かな生活というものがお金に置き換わってしまう構造があると思います。
2時間早く仕事が終わる技術ができたら、8時間労働の人は6時間労働になるので、その時間で別のアクティビティをしたり、家事労働を手伝えたりできるはずです。でも、2時間の余暇があったらその分だけ、別の仕事をしようと思う労働者が多く、賃金は同じで早く帰らせてくれという人はなかなか見当たりません。
画一的な働き方を労働者も受け入れてしまっているので、アーレントの話は共感する部分があります。
宮﨑 これはなかなか根深い問題だと思っていて、大学生に話しても心配するのはお金だし、欲しいものもお金と答える人が多いんです。お金がないと生きていけない構造になっているので、その気持ちもわからなくはないんですよね。
ただ、その構造に目を向ける人が増えないと変わらないのかなと思います。働かざる者食うべからず的な、これまでの社会を形作ってきた考え方の影響もあるのではないかなと。
大和田 僕の主観的な感覚では、大人も若者も何かに疑問を持つことに対する思考停止みたいなのがあるのではと思います。社会体制がどうとかだけではなく、例えばコンビニでもらった箸はどこでできているのかなど、ちょっとしたことに疑問をもつことができないというか、ないですよね。それが、世の中が停滞している理由の一つなのかなと感じています。
※注1 イヴァン・イリイチ(Ivan Illich、1926年9月4日 - 2002年12月2日)は、オーストリア、ウィーン生まれの哲学者、社会評論家、文明批評家。現代産業社会批判で知られる。イヴァン・イリッチとも表記される。
※注2 子ども食堂とは、貧困家庭や孤食の子どもに対して、地域住民のボランティアや自治体が主体となり、子どもが一人で利用できる、無料、または安価で栄養のある食事や温かな団らんを提供する場のこと。
食料システムの歪みを是正し、復興の過程で人間によりそう。農学が担えること
宮﨑 農業に関連していえば食料自給率の問題もそうですが、食と農の距離とか、いろんな想像力がなくなってきている気がします。地産地消とかフードマイレージ(※注3)と言いますが、食料対策として具体的にこういうシステムがあったらいいと思うことはありますか?
大和田 「都市食料政策ミラノ協定」など、日常の食生活だけでなく災害など何かあったときに、他の州や都市と連携することで、食料を融通しあう政策があるのですが、それは京都などにもあります。
地域同士で農産物を交換し合おうよ、というシステムです。国全体よりもっと小さな単位で、食料を融通しあう協定を結ぶなどの対策は必要だと思います。日本の食料システムは卸売りやバイヤーが入っているので、出荷したものがどこに行くかわからないのですが、作っているところ、買ってくれるところ、もらってくれるところがしっかりわかっていれば、地域内の自給率は絶対にあがっていくと思います。
宮﨑 これから食料問題はますます深刻になりますよね。
大和田 自給率が上がらない一方で、フードロスとか食品廃棄問題もあり、子ども食堂みたいに貧しくて十分に食べられない子どもたちもいて、そういう歪みを是正しないといけないと思います。それを農業というか農学が担うべきだと思うんですよね。社会学とか政治学の人たちが取り組んでいるけれど、農学がもっとアクションしないといけないように感じます。
※注3 フードマイレージとは、食料の輸送量と輸送距離をかけ合わせた指標のこと。「食料の輸入が地球環境に与える負荷」を把握できる。
宮﨑 先ほど福島の伊達市出身と聞きましたが、2011年の東日本大震災も経験しているのでしょうか?差し支えなければ、聞かせてください。
大和田 春休みで実家に帰省中に被災しました。当時は大学院生だったので25歳くらいでしたね。
実家もそれなりの被害がありました。原発の周辺の相双地区と呼ばれる双葉町や浪江町がある地域に父方の親戚が多く住んでいたのですが、震災後は会津などに避難したりして、今はばらばらに暮らしています。
国や企業を批判しているわけではないけど、復興とか再生というときに、福島県民としては元の暮らしが戻ればいいのか、助成金で今までよりも良い暮らしができればいいのか、そのあたりがしっかり議論されたのか疑問に思っています。
企業による開発などでロボットフィールドができたり、新しい教育が導入されたりと、今までの福島になかったものができた一方で、それが福島の人たちの心を癒すものだったのかなと。みんながケアされて、マイナスだったものがゼロに戻ればそれでよかったかもしれない。マイナス10になったところをいきなりプラス5とか、20にする必要があったのかどうか。住民たちが日々の生きがいを取り戻すことの方が重要だったのではないかと思います。
今からでも遅くないと思うので、福島の人に寄り添うような研究をやりたいと思っています。研究している自分も、そこに生きている人も人間だから、どうしても人間を見ざるを得ないというか。福島の環境を考えるにしても、やはり人間のことを考えないといけないと思っていて、人間がどういう風に行動するか次第だと思います。
フィールド調査で地域の方のお話を聞く大和田さん
宮﨑 私は大学生のときに岩手県の陸前高田市を訪問したことがありますが、復興のあり方についてはとても考えさせられました。
コンクリートで埋め立てられて工事は着々と進んでいくけれど、どこかその土地に暮らす人、人間が置き去りにされている気がして。今年は関東大震災から100年ですが、今後も災害は起きると思うので、そのたびに同じ過ちを繰り返すことがないよう、過去から学ぶ必要があると思っています。
それでは最後に、大和田さんから私への質問があればお願いします。
大和田 宮﨑さんとは世の中や人に対する疑問で共通する認識があると思ったのですが、向かっていく方向性としては、社会に対してアクションをするなどマクロな印象を受けました。
僕は一人のおじいちゃんを相手にずっと話を聞いているみたいな、どちらかといえばミクロなスケールなので、どちらがいいとか悪いではなく、そういう違いがあるように思いました。
宮﨑 私は生まれながらに、じっとしていられない人種なので(笑)。行動しなきゃという衝動が強いのもあり、FFFに入っていなくても何かしら社会に対する働きかけはしていたと思います。人と人の違い、アプローチの違いなのかなと。
私も最近は研究への関心もあり、大学院にも行きたいし、アクションもしたいし、やりたいことがありすぎて時間が足りないですね。
大和田 僕の大学院の先輩で、千葉で就農している人がいるのですが、就農しながら研究もしていて。厳密にいうと母親もやりつつ、有機でお米を作り、学会活動もやって、研究もしている女性です。
彼女は研究者でありながら、現場主義者のように自分でやっていく感じの方で、そういう生き方もありなんじゃないかなとお話を聞いていて思いました。
宮﨑 そんな生き方は憧れですね。研究もしたいし、現場にも行きたいし。
私はやりたいことがたくさんある方ですが、今の若い人は「欲求不明」なのかなと感じます。問題意識をもって行動している若者は「欲求不満」のように思いますが、多くの若者は欲求すらないというか、とりあえず言われたことをやっている印象を受けます。だから、やりたいことがあるのは幸せなことだと思います。
大和田 いい意味で、もがき苦しんでほしいですね。20代30代でうまいところにまとまってしまうより、いろんな体験をして苦労する方が将来的にはいろんな生き方に共感がもてるのではないかと思います。
やりたいことはいっぱいやった方がいいですよ。僕の場合は、親のおかげで大学院の研究をやらせてもらえたところがありますし、結論を急ぐ必要がないという豊かさがあったから、人と人の共生という結論まで至れたのかもしれないです。3年間しか猶予がなかったら、どちらかが正しくてどちらかが悪いという結論にしか達しなかったかもしれないし。
どんな形であれ、宮﨑さんにも頑張ってもらいたいです。
宮﨑 はい、ありがとうございます。頑張ります。(終)
<対談を終えて>
社会人=企業人のような風潮がある日本で、働くことに対する疑問をもつことはどこかタブー視されている気がしますが、学生の頃に抱いた違和感そのままに、研究者として愚直に問いを持ち続ける姿勢に感銘を受けました。
人文系の研究者が少ない国環研では珍しく、農家労働という分野でも未着手の「庭木果樹」がテーマのお話は、一見マニアックに思えて普遍的な問いを内包しており、現代社会に広く問題提起するような大和田さんの情熱が感じられました。
無性に干し柿が食べたくなるインタビューでした、ありがとうございました!
[掲載日:2023年11月21日]
取材協力:国立環境研究所 福島地域協働研究拠点(地域環境創生研究室) 大和田興特別研究員
取材、構成、文:宮﨑紗矢香(対話オフィス)
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