代表あいさつ
国立環境研究所は、2016年度からの第4期中長期計画の開始にともなう新たな組織として、「社会対話・協働推進オフィス」(略称「対話オフィス」)を設置しました。
対話オフィスの設置の背景には、環境問題が科学技術だけでは解決できない問題であるという強い認識があります。
そもそも、「問題」をどう定義するか、「解決された状態」をどう定義するかさえ、社会の様々な主体の間で考えが異なるでしょう。そのため、環境研究を進める上では、専門家が社会と双方向的に対話することが必要です。
その際に重要となるのは、専門家が「人々が知らないことを教えてあげる」という姿勢で一方的に情報発信するのではなく、社会の様々な主体が持つ異なる視点、認識、知恵、価値観等を尊重した上で、「相互に学び合う」姿勢で社会と向かい合うことです。
それによって、我々、国立環境研究所の研究者が研究活動を進める上での重要なヒントが得られる可能性がありますし、我々と社会との間の相互信頼関係を醸成することも可能になると考えます。
今後、国立環境研究所内外の環境研究全般と、社会の様々な主体との間をつなぐ橋渡しの役目を、少しずつ大きく果たせるようになっていきたいと思います。
対話オフィス代表 松橋 啓介(2024年4月~)