ロボット・イン・ザ・ガーデンにはハマらず[劇団四季] | たーの宝塚

ロボット・イン・ザ・ガーデンにはハマらず[劇団四季]

劇団四季

全国ツアー中の「ロボット・イン・ザ・ガーデン(以後「ロボザ」)」を神戸で観ました。
タイトルの通り、作品としては全くハマりませんでした。なので作品そのものの感想はショボくなってしまいますが、観劇を決めた理由や神戸国際会館こくさいホールの様子なども絡めて記事にしてみます。

阪急・JR・阪神各線の神戸三宮駅(JRは三ノ宮駅)から海側に5分ほど歩くと神戸国際会館に到着しました。複合商業施設で、こくさいホールという大きな劇場が入っています。

私にとってこくさいホールって残念な事がふたつもあったんです。
最大の悲しみはここでやるはずだった望海風斗さんのコンサート「Now Zoom Me!」に当選したのに中止になってしまった事。その後大劇場で観劇出来たけれど上部の見切れが多すぎてガッカリでした(B席)。こんだけ見切れるって事はこくさいホールはタテに大きい劇場なんだろうと推測しつつご縁がないままだったんですよね。

その後、明日海りおさんが退団後初のコンサートツアーをこくさいホールでもやる事を知りまして、リベンジのチャンスだとは思ったんです。チケットは購入出来る状態でしたし。
だけど「全席一律11,000円」というチケット代をどうしても受け入れる事が出来ませんでした。3階建ての、2,000席を超える劇場でそれはないやろ?と。

というわけで私の中に「こくさいホールに入ってみたい」欲はすごーくあったんです。
そんな中、劇団四季のロボザが全国ツアーでここを利用すると知ったんですからこりゃあ行かなきゃな、と。

しかもね・・・

私の心をガッチリ掴み四季の会入会まで引きずり込んだ「オペラ座の怪人」の、タイトルロールに名を連ねている佐野正幸さんがロボザのボリンジャーとして全国ツアーに出演し続けているんです。

そのせいで私はまだ怪人のキャストコンプリートが出来ていません。
佐野さんってベテランで有名な方です、ロボザの全ツが終わったら大阪で怪人をやってくれると信じつつ、ロボザで拝めるなら先に拝んでおきたい気持ちがありました。

というわけで気合が入っており到着時間が早すぎたんですよね。まだホールが開いていなかったので、

一旦エスカレーターを降り、さらに地下に降りてみました。

スタバでお茶しても良かったんですが神戸阪急の入口があったので入ってみる事に。

そしたら富澤商店が入っていてラッキー!ちょうどイーストやベーキングパウダーを切らしていたので購入。精算に阪急友の会のポイントを使いました。友の会カウンターがない神戸阪急では積立金を納めたりは出来ませんが、たまったポイントを使う事は出来るんです。
ちなみに大劇場そばの宝塚阪急には友の会カウンターも富澤商店もあります。私はここのカウンターで粗末に扱われた(と私は感じた)事を根に持ち(記事はこちら)、その後ずっと対応の良い阪急うめだ本店で積立金を納めていますが富澤商店は入っていないんですよね。ライト経済力な身としては百貨店の高級パンより富澤商店の強力粉の方が親しみやすいです。が、それでも宝塚阪急のカウンターにはよっぽどの事がない限り行きません。意地を張りたい時ってあります。

おっと余談が長くなりました。富澤商店で買い物をしているうちに開場の時となったので、こくさいホールへ。

想定より高級感を意識した造りでした。なんか緩やかなカーブが好きみたい。だけどその後トイレに行ったら、このカーブが悪さをしていたんです。

この画力ですから伝わるか自信がないんですが・・・出入口がふたつあれば今どき、一方通行がデフォだと私は思っています。しかしこくさいホールは一方通行になっておらず、しかもトイレ個室がカーブに設置されているんでどのトイレが空いているかすごくわかりにくい。
見た目に拘って機能を犠牲にしている「アカントイレ」だと私は思います。構造を変える事は出来ないんだからせめて一方通行にして、スタッフさんを配置してどの個室が空いているか教えてくれたら良いのに。
とにかく私はトイレっ子(?)ですので、清潔で使いやすいトイレが好きです。

アカントイレを後にして劇場に入ってみると・・・

立派でした。ものすごくゴージャス!やはり大劇場よりタテに大きい!そりゃ、ここを前提にしたコンサートを大劇場でやったら上が見切れるわなぁ・・・
そして改めて思いましたよ、「ここの1階最前列と3階最後列のチケット代が同じってのはイヤだな」と。明日海さんのコンサートすごく行きたかったんですけどね。

と、ながいながーい前置きになりまして、ようやく感想。

ロボザはストーリーに破綻がなく、キャストさん達の歌やダンスの実力もよーくわかりました。
だけどハマらなかった。
まず、音楽に強い魅力がないんですよね。1曲とて頭に残らなかった。この人の声私の好みやわー、この人上手いなー、と、キャストさんの印象ばかり残っています。ロボザのCDが販売されているか不明ですがたとえ販売されていても買いたい気持ちにはなりません。

そしてストーリー展開がすごくまどろっこしい。テンポが遅いんですよ。
20分の休憩時間を含めて3時間もの一本立てにしなくても良かった気がします。

あとねぇ・・・

実質上のタイトルロールであるロボット、タングがビジュアル的にどうにもチャチかった。
私は当初タングを「着ぐるみで出てくるんだろう」と思っていたんですが、実際は操り人形方式。

2人のキャストがついていて、文楽のごとく背後でタング人形をあやつりつつセリフを言います。このやり方がまた、私にはしっくりこなかったです。

しかもねぇ、期待の佐野ボリンジャーがなかなか出てこなかった。キャスト一覧にもボリンジャーとして名前が出ている佐野さんですが、実際は「ボリンジャー兼、アンサンブル1枠」という感じ。主役のベンの父親やベンとタングが海外に向かう際のパイロットなど、重要だけどアンサンブルな役としての出番の方が多いんです。ボリンジャーを演じていたのは10分くらいかな?

でもこの10分が凄かった。
佐野節が炸裂、重くて低い声が得意のようですね。悪役ぶりがキマっていました。この10分がクライマックスで、タングが産まれた理由(作ったのはボリンジャー)もわかります。この10分だけは超集中して舞台を見つめていました。
短い時間でしたが佐野さんの魅力はヒシヒシ伝わりましたし、怪人よりボリンジャーを優先するのも当然と思ったんです。めっちゃ合っているから。ボリンジャーは宝塚だと難しいかなぁ、凪七瑠海さんや輝月ゆうまさんだとちょっと若すぎる、かといって一樹千尋さんや夏美ようさんだとちょっと高学年すぎるような。ちなみにOSKだと桐生麻耶さんにピッタリすぎるほどにピッタリそうだったりします。
四季の話に戻ると佐野さんはちょっと高音が出にくいようなので「怪人だとあの歌は大丈夫かな?」といった気がかりはあるにはあるんです、でも圧倒的な存在感は他の若い怪人達には出せないでしょう。佐野さんが怪人に登板したら観に行かなきゃ!

あと気になったのはカトウを演じた萩原隆匡(はぎわら たかまさ)さん。ビジュアルやプロポーションといいお声といい歌唱力といい、東宝エリザベートのトートやオペラ座の怪人のラウルが似合いそう。もっと歌が充実している作品でのお姿も拝みたいと思いました。

終わった後、規制退場に従った上にアカントイレにも行きましたので、

こんな時間になってしまいました。

三ノ宮駅に向かっていると、阪急系列のホテル「レムプラス神戸三宮」がよく見えました。まだ新しいんですよね。いっぺん泊まってみたいです。

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コメント

  1. こんちゃん より:

    関西の、たー様

    いつも楽しみに拝読しております。ライビュ専科の地方民です。

    「ロボットインザガーデン」、今全国を回っている、ファミリーミュージカルですね!高松にも来るそうで、買おうか迷っているのです。

    予習に図書館で原作を見つけて読んでみたら、壊れかけのロボットを直すための主人公の行動が、いい歳をして行き当たりばったりで、世界中の博士に「私には直せないけれど、パラオにいる〇〇さんなら直せるかも」の連続で、

    「探偵!ナイトスクープ!」の「父の形見を修理してください」的な依頼で、京大や阪大の博士を訪ね歩くノリで、アメリカやら日本やらパラオやらをホイホイ移動して、

    「要領悪すぎ!ナイトスクープなら関西圏内で15分で解決するで!」と突っ込んでしまい、いまいち気乗りせず・・・

    そう思っていたら、8月に映画版(二宮君主演で「TANG タング」というタイトル)が上映されると知り、じゃあこっちでいいかな、と思っているところです。

    映画版が115分なのに、舞台となると3時間1本立てなんですね。そうなると楽曲の良さが命!と思いますが、公式動画のナンバー集を拝聴すると・・・うーん・・・行儀が良すぎて「よい子のミュージカル」「NHKみんなのうた」みたいですね。劇団四季とはいえ、オリジナルの舞台作品を一から作るって大変なのですね。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      こんちゃんさん、ロボザですが「ファミリーミュージカル」と呼ぶにはどうかな?ってところもあるんですね。集中して観ていたクライマックス(佐野ボリンジャー大活躍)では殺戮シーンもありますし。
      ロボザ原作にもきっと載っているかと。にしてもこんちゃんさんは原作を本で読むのが好きなんですね、マンガしか読まない私としてはただただ尊敬しまくりです。

      両親を不慮の事故で亡くして引きこもりになり妻にも離婚を言い渡されたベンが、なぜか壊れかけのロボットのタングだけは大切にして修理のために居住地のイギリス(地名わすれた)→アメリカ(確かヒューストン)→日本(秋葉原)→パラオだかインドネシアだか?に移動します。妻に他の男が言い寄ったりベンにも他の女との出会いがあったりするんですが、「ま、結局は夫婦は離婚せず子どもが出来る超ハッピーエンドなラストなんだろうなぁ」とヨミヨミだし、実際にそうなります。これだけだとファミリーミュージカルなんですが、タング誕生の理由をやたら難しくしてしまったかな。映画版はもっとサクッとするんじゃないですかね?にしてもボリンジャーは誰がやるんだろう、映画版キャストは日本人名なのでわからない。武田鉄矢さんがボリンジャーっぽくなりそうだけど、でも武田さんって悪役をやるかな?

      私はもう四季を好きになっちゃったし四季の会にも入っちゃったし、佐野さんを生で拝みたい気持ちもすご~くあったしで観劇して良かったと思っています。だけど周りに勧めるのは難しいですね、映画よりうんと高いから。
      はい、四季であれオリジナル作品をイチから作るって大変なんでしょう、ストーリーも音楽も大切ですからね。「バケモノの子」という新作も頑張っているようですがパッとしないようです。まぁそれでも私は大阪か京都に来てくれたらいっぺんは観ますよ、もう四季を好きになっちゃったし(以後省略)。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  2. まりも より:

    たーさん、ロボット・イン・ザ・ガーデンは、作品としては、たーさんには、あまり響かなかったんですね。
    でも佐野正幸さんは素晴らしかったと。
    私も動画で美女と野獣の、愛せぬならばや、FNS歌謡祭でのオペラ座の怪人を聞いて、本当に圧倒的な存在感のある、その素晴らしい歌声に感動してました。
    是非、生で聴いてみたい方のお一人です。年齢的にはもう50歳を越えていらっしゃるんですよね。

    美女と野獣の横浜公演に出演して欲しいです。
    今回の美女と野獣では、清水大星さんや金本泰潤さんの若手が新しく起用されています。このお二人とも素晴らしい歌唱力をお持ちです。でもこのお二人の野獣とベテランの佐野さんの野獣、聴き比べてみたいなー。

    たーさんは、清水さんと佐野さんの歌声を生で聴いたわけですが、どうでしたか?
    やっぱりベテランの持つ圧倒的な存在感というものは凄いものなんでしょうね。

    またミュージカル作品にとって、その楽曲の持つ魅力は作品の命ともいえるかと。
    オペラ座の怪人はその中でもひときわ素晴らしい、ウェーバーの作品ですし、ノートルダムの鐘や美女と野獣もあのアラン・メンケンの作品です。
    楽曲の素晴らしさではちょっと敵わないですよね。

    美女と野獣、映画も大好きな作品なので、本当に楽しみです。

    機会があれば、佐野さんの歌声、生で是非聴きたいです。

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      まりもさん、はい、ロボザは私には冴えなかったですね。そしてはい、佐野さんのイケオジぶりには圧倒されましたw
      劇団四季が吹き替え担当している映画では佐野さんはラウルでね、甘く優しい感じなんですがボリンジャーは重く渋いワル。佐野さんは声優でもいけたんちゃうかなほどに声が良いですね。劇団四季っぽい台詞回し(母音法?)もややありますが、にしてもイケボです。そしてビジュアルがイケオジ。

      美女と野獣では若手が新しく起用されているんですね。ロボザの面々も若々しく、それゆえ余計に佐野さんの「ひとり高齢ぶり」が目立ちました。59だから「50を超えている」というより「ガッツリアラカン」ですね。
      でね、佐野さんが怪人をするのはしんどいんじゃないでしょうか?怪人は歌の音域が広く、数が多いです。加えて舞台のあちこちに移動したり、ゴンドラに乗ったり、クリスティーヌが長々と歌う間ずっと狭い十字架の中に立って閉じこもって待機して十字架から出てくるなり難曲を歌ったり(超見せ場)、椅子に座って消えるマジックをしたりと運動量も多いんですよね。本来怪人は「ロリコンのジジイ」のはずですが、歌唱力に加えて体力も必要すぎて若手の方が向いていそう。それに現時点で怪人の歌唱だけを切り取ると清水さんの方が上手いんじゃないかな?例えばCDで聴くとしたら清水さんの方が耳に心地良いんじゃないかと。佐野さんは高音が出にくそうだし。
      だ・け・ど、佐野さんには圧倒的な存在感があります。ロボザでは四季を全く知らない人でも「ひとりイケオジがおったな」とは思いそうでしたよ。ボリンジャーは佐野さんのために用意したんちゃうか?なほどにフィットしていました。出番少ないけどね。
      佐野さんが怪人をしてくれたら、年齢的に不利な部分を年齢的なキャリアがあるゆえにうまくこなしてくれそうな予感をさせます。だから登板して欲しいです。今後もキャストチェックは欠かせませんw

      はい、ミュージカル作品って音楽が命ですね。ロボザはここがすごく弱かった。
      私は「アンドリュー・ロイド・ウェバー」なんて長たらしい名前のおっさん、興味ないわ!って思ってましたが今じゃ天才と崇めていますから、ノートルダムの鐘を観たらアラン・メンケンにもそうなりそう。楽しみです。

      美女と野獣、私も観たかったな。大阪か京都に来てくれると良いのに。観劇後の感想をお待ちしていますね。

      いつもありがとうございます。
      今後もどうぞよろしくお願いいたします。

  3. うめ より:

    ロボット・イン・ザ・ガーデンの略称は「ロボ庭」ですよwww

    • 関西の、たー 関西の、たー より:

      うめさん、5月に違うお名前でコメントくださっていた方とIPが合致するのですが同じ方だと思って良いでしょうか?
      ロボット・イン・ザ・ガーデンをロボザ呼ばわりしたのは、観劇した時に周辺の方が熱心に四季について話し合っていて「ロボザ」「リトマ」と呼んでいたからです。おそらく関西人じゃなく、かなり熱心なファンのようでしたから、それなりに普及した呼び名なのだと思いました。入力の手間からしても「ロボ庭」より「ロボザ」の方がラクですしね、当面、こちらを採用させていただこうと思います。

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