

例の倉山本を買って読みました。
数日前に三橋貴明がブログで、この倉山本に対する名誉毀損の訴訟をする旨、発表していたので、この経緯は詳しく記しません。ただ、事の流れとして、これはその更に数日前ぐらいに倉山満のサイト「倉山満の砦」で、倉山が三橋に対して「出典の説明」を要求していた事と(多分、三橋はその要求をスルーしたものと思われるが)多少関係はしているのだろう。
この「倉山と三橋のケンカ」についてはネット上でいろいろと語られている。倉山の庭である「倉山満の砦」で一番盛んに語られているのは当たり前の話としても、それ以外の所で時々散見されるコメントを読んでもよく分からない部分もあるので、とりあえずこの本の中身を確認する為に読んでみた。
読む前からある程度予想はしていたのだが、やはりこれは田中・上念=リフレ派の鉄砲玉である倉山と、西部グループ=積極財政派(公共事業重視派)の鉄砲玉である三橋、この両者によるケンカである事は間違いなかった。
そして、これは以前から倉山が繰り返し言っていた話だが、
とにかく麻生太郎が悪い(消費増税については特に)
という結論に繋げて、『あいつも悪い』『あいつもスパイだ』みたいな形で芋づる式に片っ端から実名でバッシングしていく、といった内容だった。少なくともこの本の第一部については。
(後半の第二部については、「倉山と三橋のケンカ」にしか興味のない人間にとっては蛇足とも言える内容なので、一番最後の方に書かれている「麻生太郎は国賊です」の章あたり以外は、飛ばして読んでも良いだろう)
なんともはや、既に『かなり懐かしい』という旧聞に属する話になるが、倉山の「消費増税阻止」戦役での敗北は、本当に「恨み骨髄に徹す」といった所なのだろう。
昨年の消費増税騒ぎについては、当時このブログでも何回か取り上げた。私自身の政治的スタンスは、今もその当時と大して変わっていない。それは倉山(=リフレ派)に対しても、三橋(=積極財政・公共事業重視派)に対しても同様である。
(以下、昨年の消費増税騒ぎの頃に私が書いた記事のリンク)
NHKの消費税討論番組は予想通りのくだらない八百長プロレスだった(2013/09/16)
経済政策的にはどっちでも良いが、政治的には延期が正解(2013/09/17)
消費税増税の政局が面白くなってきた(2013/09/25)
倉山氏の予想通り、増税決定後のNHKの掌返しが凄まじい(2013/10/01)
昨夜の消費増税Nスペを見ました(2013/10/06)
消費増税問題についての追伸(2013/10/08)
まず、倉山満について、今回の本の書評も含めて、以下に記す。
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数日前に三橋貴明がブログで、この倉山本に対する名誉毀損の訴訟をする旨、発表していたので、この経緯は詳しく記しません。ただ、事の流れとして、これはその更に数日前ぐらいに倉山満のサイト「倉山満の砦」で、倉山が三橋に対して「出典の説明」を要求していた事と(多分、三橋はその要求をスルーしたものと思われるが)多少関係はしているのだろう。
この「倉山と三橋のケンカ」についてはネット上でいろいろと語られている。倉山の庭である「倉山満の砦」で一番盛んに語られているのは当たり前の話としても、それ以外の所で時々散見されるコメントを読んでもよく分からない部分もあるので、とりあえずこの本の中身を確認する為に読んでみた。
読む前からある程度予想はしていたのだが、やはりこれは田中・上念=リフレ派の鉄砲玉である倉山と、西部グループ=積極財政派(公共事業重視派)の鉄砲玉である三橋、この両者によるケンカである事は間違いなかった。
そして、これは以前から倉山が繰り返し言っていた話だが、
とにかく麻生太郎が悪い(消費増税については特に)
という結論に繋げて、『あいつも悪い』『あいつもスパイだ』みたいな形で芋づる式に片っ端から実名でバッシングしていく、といった内容だった。少なくともこの本の第一部については。
(後半の第二部については、「倉山と三橋のケンカ」にしか興味のない人間にとっては蛇足とも言える内容なので、一番最後の方に書かれている「麻生太郎は国賊です」の章あたり以外は、飛ばして読んでも良いだろう)
なんともはや、既に『かなり懐かしい』という旧聞に属する話になるが、倉山の「消費増税阻止」戦役での敗北は、本当に「恨み骨髄に徹す」といった所なのだろう。
昨年の消費増税騒ぎについては、当時このブログでも何回か取り上げた。私自身の政治的スタンスは、今もその当時と大して変わっていない。それは倉山(=リフレ派)に対しても、三橋(=積極財政・公共事業重視派)に対しても同様である。
(以下、昨年の消費増税騒ぎの頃に私が書いた記事のリンク)
NHKの消費税討論番組は予想通りのくだらない八百長プロレスだった(2013/09/16)
経済政策的にはどっちでも良いが、政治的には延期が正解(2013/09/17)
消費税増税の政局が面白くなってきた(2013/09/25)
倉山氏の予想通り、増税決定後のNHKの掌返しが凄まじい(2013/10/01)
昨夜の消費増税Nスペを見ました(2013/10/06)
消費増税問題についての追伸(2013/10/08)
まず、倉山満について、今回の本の書評も含めて、以下に記す。
●今回の本はあまりにも一面的な見方の論評が強すぎる。ちなみに私が読んだ倉山の本は「検証 財務省の近現代史 政治との闘い150年を読む」と「誰が殺した? 日本国憲法」だけだが、本来の倉山の得意分野である歴史関連の本、例えば「嘘だらけの~」は何一つとして読んだ事がない。私は一面的な(特に穿った見方の)歴史観が嫌いだからという事もあるのだろう。もちろん「参考程度」という事で、いずれ目を通す事はあるのかも知れないが。ちなみに、私は三橋貴明の本は読んだ事も買った事も一度もない。
●「麻生憎し」が先走っているが故に、水島社長や青山繁晴さんまでも「麻生のスパイ」、とまでは行かないまでも、「麻生の息がかかったが故の消費増税容認派」といった感じでバッシングしているのは、明らかにやり過ぎである(※ただし西部グループ及び三橋に対する見方については、特に異を唱えるつもりはない。なぜなら私も昨年の時点で、同様の論評をこのブログで書いている)。
●水島社長はスパイが出来る程、利口な人間ではない。倉山流に言えば明らかに「バカとスパイ9対1」の9の方である。水島社長はあの当時、確かちょうど「麻生ナチス発言」があった直前の頃に、安倍政権を潰しに走った「麻生陰謀説」(直後に、その発言は立ち消えになったが)を桜で言及していたはずである。
●「麻生憎し」が先走っているが故に、水島社長や青山繁晴さんまでも「麻生のスパイ」、とまでは行かないまでも、「麻生の息がかかったが故の消費増税容認派」といった感じでバッシングしているのは、明らかにやり過ぎである(※ただし西部グループ及び三橋に対する見方については、特に異を唱えるつもりはない。なぜなら私も昨年の時点で、同様の論評をこのブログで書いている)。
●水島社長はスパイが出来る程、利口な人間ではない。倉山流に言えば明らかに「バカとスパイ9対1」の9の方である。水島社長はあの当時、確かちょうど「麻生ナチス発言」があった直前の頃に、安倍政権を潰しに走った「麻生陰謀説」(直後に、その発言は立ち消えになったが)を桜で言及していたはずである。
(以下、当時=昨年の7月末に書いた私の記事より抜粋)
久々に西部グループ、三橋貴明、水島社長批判(2013/07/28)
そして今回は「麻生批判」である。
増税容認派とも取れるような発言をしている麻生さんを批判する事は、一見正しいと思われるかも知れない。しかし今の段階で「麻生太郎の政権簒奪計画」みたいな陰謀論をぶち上げて、社長自身が心酔している安倍総理にとって、それがメリットになるのだろうか?
というか安倍・麻生コンビの自民党政権を支援してきた多くの若者にとって、そのような陰謀論が受け容れられるとでも思っているのだろうか?
事実は今の段階では、当の本人以外、誰にも分からない。(以下略)
この私の論評は「水島社長に対して」書かれたものである。だから水島社長がスパイであるはずがない。あり得る話としては、三橋もしくは西部グループあたりから耳打ちされて、その言を容れて、社長自身も発言を改めて、更には「倉山に対しても、そのように言った」のではなかろうか?木下某が直接水島社長に圧力を加えたとは到底思えない。
●青山繁晴さんを誹謗中傷したり、煽ったりするのは論外である。倉山のように極論ばかりを放言する「鉄砲玉」とは違って、青山さんは世間一般の人々に受け容れられる「客観中立、現実」論を重視する人間である。物事のある一面だけを切り取って『オレの言っているこの論評だけが真実なのだ!』と喚いて、「当たり屋商売」を仕掛けてくるような連中を相手にしている暇は、青山さんには無い。
●昨年の消費増税騒ぎの際、倉山の側に立たなかった人間はことごとく「麻生のスパイ」「裏切りもの」のようにバッシングされている。櫻井よしこさんは、元々倉山が「当たり屋商売」を仕掛けていた相手なので当然の事としても、高橋洋一までも「スパイ」と断定されていた。「鉄砲玉」である倉山自身はともかくとして、親玉である上念司的には、その「スパイ」発言は許される行為なのか?
●上記に関連して、中山成彬・恭子夫妻については、夫妻が倉山の側(=消費増税反対の側)につかなかったのは元々「大蔵一家」の一員だったのだから仕方がない、と宥恕しているが、その判断基準はあまりにも恣意的な要素が強すぎるのではないか?
●倉山的には、とにかく「消費増税が諸悪の根源」らしい。このように書けば、もちろん『タイミングの問題なんだ。デフレの状況下でやるのが問題なんだ。バブルの時だったら消費増税しても良い』と言い返すだろう。しかし一方で倉山は『例外として、軍備増強の為なら消費税を25%にしても良い』と言っている。今回の倉山本の内容では、とにかく「消費増税が諸悪の根源」と訴えているのに、この「例外」はおかしいではないか?そもそも上念・倉山の理屈は『何が何でも景気回復最優先。戦後レジューム脱却も憲法も、そんなものは後回し』だったはずだ。であるならば、仮に「例外」であるとしても、『消費税25%』などと口が裂けても言えないはずである。倉山は、我が国が軍備拡張に財源を回すのは「バブル時代が再度到来して、消費増税を出来る時」が来るまで待つつもりなのか?倉山の「軍備増強は例外説」からすれば、安倍政権が今後少しずつ軍備予算を拡張していくのであれば、今回の消費増税も少しは意味があったと言えるのではないか?
(※追記。これはP236の記述について書いたものだが、多少私の勘違いもあったようだ。倉山はこの件については、「北朝鮮拉致被害者全員の奪還のためなら」という条件を付けていた。その為なら「すぐにでも25%にして欲しい」と。しかしどのみち、国民の価値観を180度転換させない限り実現不可能な話で、残念ながらあまりにも「非現実的な例え」とは言えるだろう)
●「ユダヤ陰謀論」ほどのトンデモ本ではないにしても、「麻生・木下陰謀論」はあまりにも一面的な物の見方と言わざるを得ない。確かにそういった側面も一部はあるのかも知れないが、「その結論」から何でもかんでも理屈を導き出す、というのは無理がある。私自身が『経済現象はあまりにも複雑な要素を抱えているので、一面だけでは判断できない』と何度か書いた。この本の内容は、田中・上念=リフレ派の理論を信奉している人間以外には、おそらくほとんど受け入れられる事はないだろう。
●青山繁晴さんを誹謗中傷したり、煽ったりするのは論外である。倉山のように極論ばかりを放言する「鉄砲玉」とは違って、青山さんは世間一般の人々に受け容れられる「客観中立、現実」論を重視する人間である。物事のある一面だけを切り取って『オレの言っているこの論評だけが真実なのだ!』と喚いて、「当たり屋商売」を仕掛けてくるような連中を相手にしている暇は、青山さんには無い。
●昨年の消費増税騒ぎの際、倉山の側に立たなかった人間はことごとく「麻生のスパイ」「裏切りもの」のようにバッシングされている。櫻井よしこさんは、元々倉山が「当たり屋商売」を仕掛けていた相手なので当然の事としても、高橋洋一までも「スパイ」と断定されていた。「鉄砲玉」である倉山自身はともかくとして、親玉である上念司的には、その「スパイ」発言は許される行為なのか?
●上記に関連して、中山成彬・恭子夫妻については、夫妻が倉山の側(=消費増税反対の側)につかなかったのは元々「大蔵一家」の一員だったのだから仕方がない、と宥恕しているが、その判断基準はあまりにも恣意的な要素が強すぎるのではないか?
●倉山的には、とにかく「消費増税が諸悪の根源」らしい。このように書けば、もちろん『タイミングの問題なんだ。デフレの状況下でやるのが問題なんだ。バブルの時だったら消費増税しても良い』と言い返すだろう。しかし一方で倉山は『例外として、軍備増強の為なら消費税を25%にしても良い』と言っている。今回の倉山本の内容では、とにかく「消費増税が諸悪の根源」と訴えているのに、この「例外」はおかしいではないか?そもそも上念・倉山の理屈は『何が何でも景気回復最優先。戦後レジューム脱却も憲法も、そんなものは後回し』だったはずだ。であるならば、仮に「例外」であるとしても、『消費税25%』などと口が裂けても言えないはずである。倉山は、我が国が軍備拡張に財源を回すのは「バブル時代が再度到来して、消費増税を出来る時」が来るまで待つつもりなのか?倉山の「軍備増強は例外説」からすれば、安倍政権が今後少しずつ軍備予算を拡張していくのであれば、今回の消費増税も少しは意味があったと言えるのではないか?
(※追記。これはP236の記述について書いたものだが、多少私の勘違いもあったようだ。倉山はこの件については、「北朝鮮拉致被害者全員の奪還のためなら」という条件を付けていた。その為なら「すぐにでも25%にして欲しい」と。しかしどのみち、国民の価値観を180度転換させない限り実現不可能な話で、残念ながらあまりにも「非現実的な例え」とは言えるだろう)
●「ユダヤ陰謀論」ほどのトンデモ本ではないにしても、「麻生・木下陰謀論」はあまりにも一面的な物の見方と言わざるを得ない。確かにそういった側面も一部はあるのかも知れないが、「その結論」から何でもかんでも理屈を導き出す、というのは無理がある。私自身が『経済現象はあまりにも複雑な要素を抱えているので、一面だけでは判断できない』と何度か書いた。この本の内容は、田中・上念=リフレ派の理論を信奉している人間以外には、おそらくほとんど受け入れられる事はないだろう。
以下、同じく三橋貴明について。
●「倉山満の砦」でも散々言われている事だが、「言論人」として、自分の言論ではなくて「プロの弁護士」に頼って、論敵を金銭的または社会的に抹殺するようなやり方は、恥ずかしい限りである。まあ「鉄砲玉」同士のケンカなので、『プロレスをやろう』と言ってきた相手(=倉山)に対して、本当に鉄砲を向けて発射する奴(=プロを雇った三橋)が出て来てもおかしくない状況であるのは確かだけどw
●そもそも私自身が三橋について、これまでこのブログでかなり酷評してきた。また西部グループについても、三橋ほどではないにしても、そのマイナス面を度々指摘してきた。
(※ちなみにこの私のブログの中にも 反米思想、反TPP、西部邁 というカテゴリがある)
●(三橋も含む)西部グループと「共産党」との関連性については、私は過去にそれほど指摘した事はない。「西部さんの共産党に対する甘さ」を指摘した事はあるけれども。しかし言われてみれば、確かに「共産党」との関連性で見てみるといろいろと思い当たるフシはあるなあ~、と最近感じている。
「過去の西部さん自身の共産党との関わり」「西田昌司議員も共産党系議員と仲が良い。また、京都=共産党が強い地域が地盤でもある」「藤井聡も京都大学の教授」など。
●また上記(共産党)と関連して、なぜか西部グループのみが、いわゆる保守系と言われる言論界の内で大メディア、特にNHKに何度か出演経験がある。私もこのブログで指摘した事があるが、中野剛志は「視点・論点」に、藤井聡は「日曜討論」に、柴山桂太は「日本新生」TPP討論に出演していた。それと最近気がついたのだが、施光恒が(あの左寄りで有名な)Eテレ(旧NHK教育)チャンネルの、「いま、ここから考える ジレンマ」に出演している。また、中島岳志もNHKに取り上げられた事があったように思う。あとオマケとして、Nスペ「日本国債」では三橋の本が(一瞬だけだが)紹介されていた。
●先般の都知事選において、私や倉山満は「田母神さんの出馬による、宇都宮・共産党勢力の漁夫の利」を選挙当初から懸念していた。そう言えば確か、田母神さんの出馬を後押ししていたのは三橋や西部グループだったよなあ…。
●西部グループには「あらかじめ定められた既定のスタンス」というものがある。「反米」は今更言うまでもない。経済面では基本的に積極財政派・公共事業重視派で、消費税については昨年の消費増税騒ぎの頃を境にして複雑に変化しているが(それが偽装だったかどうかはともかくとして)、とりあえず今の所は「消費増税容認派」と言える。昨年も書いた話だが、そもそも「大きな政府主義者」なのだから「増税容認」は当たり前の事である。そして問題は「原発・核兵器」である。西部先生は「原発・核兵器」共に容認論者で、三橋も「原発」は容認派である。私からすれば、この「原発・核兵器」の部分で西部グループを評価する気持ちも多少はあったのだが、多分これは「ガス抜き」だったのだろう。いやはや、見事な「戦略的なスタンス取り」である。
●いわゆる保守系内のドタバタ劇は今に始まった訳でもなく、過去に散々見せつけられてきた光景である。しかし西部グループの「身の処し方」は、その中では際立って「洗練された身の処し方」で、およそ「いわゆる保守系言論人」らしからぬ異質な物として私の目に映っていたが、そこにはやはり左・サヨクの影響が少なからずあるのだろう、と最近感じ始めている。TPP騒ぎの頃、ネット工作員達がやたらと三橋・西部グループを推していたのも、それはネット工作員達の側にだけ原因があるのではない、と最近になってやっと分かってきた。
●麻生太郎のシンパである三橋が、早く消費税を10%にしたいと思っている麻生財務大臣の立場上、安倍総理大臣をバッシングし続けるのは、当たり前の話である。撹乱工作としても、糾弾の鉾先を麻生に向けさせないためにも有効な戦術なのだから。これはもはや経済理論や国家観がどうのこうのと言う以前の話である。
●そもそも私自身が三橋について、これまでこのブログでかなり酷評してきた。また西部グループについても、三橋ほどではないにしても、そのマイナス面を度々指摘してきた。
(※ちなみにこの私のブログの中にも 反米思想、反TPP、西部邁 というカテゴリがある)
●(三橋も含む)西部グループと「共産党」との関連性については、私は過去にそれほど指摘した事はない。「西部さんの共産党に対する甘さ」を指摘した事はあるけれども。しかし言われてみれば、確かに「共産党」との関連性で見てみるといろいろと思い当たるフシはあるなあ~、と最近感じている。
「過去の西部さん自身の共産党との関わり」「西田昌司議員も共産党系議員と仲が良い。また、京都=共産党が強い地域が地盤でもある」「藤井聡も京都大学の教授」など。
●また上記(共産党)と関連して、なぜか西部グループのみが、いわゆる保守系と言われる言論界の内で大メディア、特にNHKに何度か出演経験がある。私もこのブログで指摘した事があるが、中野剛志は「視点・論点」に、藤井聡は「日曜討論」に、柴山桂太は「日本新生」TPP討論に出演していた。それと最近気がついたのだが、施光恒が(あの左寄りで有名な)Eテレ(旧NHK教育)チャンネルの、「いま、ここから考える ジレンマ」に出演している。また、中島岳志もNHKに取り上げられた事があったように思う。あとオマケとして、Nスペ「日本国債」では三橋の本が(一瞬だけだが)紹介されていた。
●先般の都知事選において、私や倉山満は「田母神さんの出馬による、宇都宮・共産党勢力の漁夫の利」を選挙当初から懸念していた。そう言えば確か、田母神さんの出馬を後押ししていたのは三橋や西部グループだったよなあ…。
●西部グループには「あらかじめ定められた既定のスタンス」というものがある。「反米」は今更言うまでもない。経済面では基本的に積極財政派・公共事業重視派で、消費税については昨年の消費増税騒ぎの頃を境にして複雑に変化しているが(それが偽装だったかどうかはともかくとして)、とりあえず今の所は「消費増税容認派」と言える。昨年も書いた話だが、そもそも「大きな政府主義者」なのだから「増税容認」は当たり前の事である。そして問題は「原発・核兵器」である。西部先生は「原発・核兵器」共に容認論者で、三橋も「原発」は容認派である。私からすれば、この「原発・核兵器」の部分で西部グループを評価する気持ちも多少はあったのだが、多分これは「ガス抜き」だったのだろう。いやはや、見事な「戦略的なスタンス取り」である。
●いわゆる保守系内のドタバタ劇は今に始まった訳でもなく、過去に散々見せつけられてきた光景である。しかし西部グループの「身の処し方」は、その中では際立って「洗練された身の処し方」で、およそ「いわゆる保守系言論人」らしからぬ異質な物として私の目に映っていたが、そこにはやはり左・サヨクの影響が少なからずあるのだろう、と最近感じ始めている。TPP騒ぎの頃、ネット工作員達がやたらと三橋・西部グループを推していたのも、それはネット工作員達の側にだけ原因があるのではない、と最近になってやっと分かってきた。
●麻生太郎のシンパである三橋が、早く消費税を10%にしたいと思っている麻生財務大臣の立場上、安倍総理大臣をバッシングし続けるのは、当たり前の話である。撹乱工作としても、糾弾の鉾先を麻生に向けさせないためにも有効な戦術なのだから。これはもはや経済理論や国家観がどうのこうのと言う以前の話である。
私自身が消費増税に反対、と言うか「1年延期」を主張していたのは、「原発未稼働の負担が重いから」という理由で、その事は昨年、繰り返し書いた。今回の倉山本では、そんな事は微塵も触れず、また、倉山の「小泉の反原発運動への介入」に対する見方も、相変わらず甘い。 と言うか、倉山は原発関連の話題に全く関わろうとしない、という面から言えば、なぜ消費増税についてだけ、このようにキチガイじみた騒ぎ方をするのか理解に苦しむ。
そうは言っても、原発未稼働の現状で「消費税率10%」を目指している麻生太郎を野放しに出来ない、という事情は理解できる。
まあ確かに、結果だけ見てみれば、我々の麻生太郎に対するこれまでの見方は多少甘かったのかも知れない。
しかし、安倍総理も麻生太郎も人の子である。完璧な人間のはずはない。日本の舵取りを誤る場合、それが意図的なもの(=スパイ)なのか?単なる間違い(=バカ)なのか?
現時点で消費税10%を目指している麻生太郎は、どっちなのだろう?
そうは言っても、原発未稼働の現状で「消費税率10%」を目指している麻生太郎を野放しに出来ない、という事情は理解できる。
まあ確かに、結果だけ見てみれば、我々の麻生太郎に対するこれまでの見方は多少甘かったのかも知れない。
しかし、安倍総理も麻生太郎も人の子である。完璧な人間のはずはない。日本の舵取りを誤る場合、それが意図的なもの(=スパイ)なのか?単なる間違い(=バカ)なのか?
現時点で消費税10%を目指している麻生太郎は、どっちなのだろう?

