「がらくた屋と月の夜話」 谷瑞恵
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乙女心のツボをついてくるのがうまいなぁと思います。
…いや、単に私の好みのタイプが登場することが多いのか…な?
今回の舞台はがらくた屋さん。物と物語を売るおじいさんが登場します。
古い物にはドラマがある。自分が手放してしまった物たちが
一緒に過ごした日々を記憶して大事に思ってくれている。
そう考えるとなんだか自分の持ち物にも余計に愛情が湧いてきます。
月夜の公園で大きなトランクを広げたおじいさんがブロカントを売っている風景。
絵になっていいですよね。…現実だったら確実に近づきませんが(笑
そんな妖しい?おじいさんと出会ってそこで惹かれた物と物語をきっかけとして
新たな一歩を踏み出していく登場人物達。
私は一番最初の古い時刻表の話が一番好きでした。
さてさて。主人公のつき子は大切な指輪をがらくた屋さんで無くしてしまい、
指輪を探しがてら、がらくた屋さんを片付けに通いつめることになるのですが
その指輪を大事に思う気持ちが理解できなかったんですよ。
だって、片思いの相手に騙されて高額で買わされてしまった安物の指輪なんですよ。
そんなもの捨てないまでもしまい込んじゃいそうです。毎日見につけるなんて自虐的すぎだと思う。
まぁ、安物だということ自体薄々気付いてはいても直視はしてなかったわけですが…。
安物だと知らなければ騙されたと認めなくてもいいという気持ちはわからなくもないけれど。
そんな後ろ向きなつき子もがらくた屋さんと天地さんとの出会いで変わっていくのが
いいなと思います。初恋の人に騙された思い出の指輪が好きな人(推定)との思い出の
指輪にかわってしまうのが素敵ですよね。
それで天地さんとはどうなるの??続きはでないのかなー。
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