「家守綺譚」　梨木香歩

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な行の作家

夏に妹ちゃんとUSJに行こうと計画してるのに
7月にハリポタのアトラクションがオープンするそうじゃないですか。
ええ～。絶対混むから延期してくれないかなとハリポタ愛が足りない我らは
軽くブルーなのでした。


今日読んだのはそんな俗世の気鬱などとは程遠い浮世離れした話でした。
本の裏表紙には「私＝綿貫征四郎と、庭つき池つき電燈つき二階屋との、のびやかな
交歓の記録である」とあります。そういわれても家との交歓って何さと思う。
でも確かにそうとしか言えない話なんですよね。


作家志望の主人公が学生時代に亡くなった友人宅の家守を頼まれて引っ越してくるところ
から話は始まります。その日の晩、床の間の掛け軸から亡くなった友人の高堂が現れて
庭のサルスベリの木がおまえに懸想してると言うわけです。
ええ？！という展開なのに主人公の綿貫は「木に惚れられたのは初めてだ」と
淡々と返事をするのみ。おいおい。


庭の池には河童がいたり人魚が現れたりありえないこと続きなのに綿貫は
普通に受け止めてるんですよね。
家守を頼まれたわりに床の穴（綿貫が踏み抜いた…）から伸びたカラスウリが
勝手中に生い茂っても、なぁなぁで放置しちゃうしこのおおらかさが
全体的にのんびりした空気をかもし出していて不思議なかんじがします。


そして不思議な存在達も可愛らしくこの世界観を作り上げてるんですよ。
綿貫のことが好きなサルスベリは狸に化かされたところを助けに現れたりね。
私は小鬼が可愛くってお気に入り。


昔昔にはこういう妖の世界と人間の世界の境界があやふやで、
自然に一緒に暮らしてるときがあったのかななんて想像してしまいます。
四季折々の植物と妖とすべてあるがままに暮らすのって風流でいいですよね。
そんな豊かな世界観をかんじさせてくれる本です。

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ふてぶてしいけど実は繊細っぽい新人くん

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日々

◇◆　へんなお客さん　◆◇

お客さんにティッシュをくれといわれたので一枚渡したら
もう一枚と言われたのでさらにもう一枚渡して
何に使うのかと見てたら思いっきり鼻をかんでた。
しばらくしたらまたティッシュペーパーをくれというのでまた一枚渡そうとしたら
「全部くれ」とおっしゃる。


いや。これ私の…。なんていえるわけもないのでさしあげました。
そうしたらなんと鼻をかんだあと、丸めて鼻栓にして両方の鼻の穴にさしてた…Σ(ﾟﾛﾟ;)
息できるの？　いや、公共の場でそれはないと思う。
ちなみに30代前半くらいの男性。妻子もちです。
イケメンだったら鼻栓する男性でも旦那にしたい…か…な？


◇◆　困った新人くん　◆◇


今年の新人くんはなかなかの曲者です。
初日に課長の花見の誘いを頭痛がすると断ったり（課長は新人歓迎会と思って副社長も呼んでた…）
研修に腹痛で遅刻して、教官に「もっと申し訳なさそうな顔をしろ」と怒られ
「申し訳ない顔ってどんな顔っすか」と答えたりオイオイとつっこみたくなることが多い。


そんなだから私なんて思いっきりなめられてるわけなんですよね。ははは。
3日目にして「そこの空き缶、俺のなんで捨てといてもらっていいっすかねー」とぱしられたさ。
去年の新人くんはさ、ペットボトルが置きっぱなしになってたから捨ててあげようとしたら
すっ飛んできて「自分で捨てます！」ってもってったのにー。


なめられてるだけでなくきついというか冗談にならない冗談もがんがんいってくるんだよ(T_T)
女性の年齢をネタにからかう男は地獄に落ちると思う！
毎回へこむ私に相方さんは「子供だから仕方ないでしょ」と言うけれど成人してるやん。
相方さんとしては息子と3才しか違わないからそんなかんじらしい。
新人くんも相方さんには意地悪いわないけど。


そして昨日は倉庫で派遣さん達と作業だった新人くん。
派遣さんの前で「派遣みたいな仕事しかさせてもらえない」と愚痴ったらしく
派遣さんからの苦情という名の噂が即効でかけめぐってたよ。


どんどんどんどん伝説を作っていく新人くん。
今日は課長に呼び出されたあとなんだかおとなしいと思ったら「俺、思ったまま口にだすのやめます」
と呟いておりました。
さては課長にお灸を据えられたかしらね。
ストレスでハゲができたとか言ってたし根は真面目なのかも！


と思った矢先にまたしてもカチンとくる発言するし(T_T)
へこんでいたら通りすがりの上司が新人くんに注意しれくれた。
そしたら「俺、ゆとりっすから」と答えてたよ…。おおーーーい。さっきの反省はどこいった。
こんな調子でこの先世の中渡っていけるのか甚だ心配です。

「サクリファイス」　近藤史恵

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か行の作家

近藤史恵さんの「サクリファイス」がおもしろいという評判は
いろんなところで見かけていたけれどロードレースにぜんっぜん興味が
ないのでスルーしてました。
…もっと早く読めばよかった。すっごくおもしろかったです。


最初の数十ページはやっぱりロードレースってわからないと
ちまちま読んでいたのですが、段々その世界がわかってきてからは
夜中までかかって一気読みでした。
しかも読み終わったあと興奮して眠れなくなって翌日睡眠不足で死にそうになっちゃったくらい
おもしろかったんです。


ロードレースのエースを勝たせるためにアシストはサポートするというか捨て駒になるところが
チーム戦のような興味深いところですよね。


主人公の白石誓（ちかう）はチーム・オッジのアシストでエースの石尾さんを
助ける立場なのだけど、思いがけずいい成績をおさめてしまいます。
そんなときに先輩から石尾は才能ある後輩を事故にみせかけて半身不随にしたという話を
聞かされるのです。石尾さん、いい人のような気がしたけど誓のことも
陥れようとしてるんじゃ…とどきどき。レースの進行にもどきどきと先が気になって気になって。


そして起こった事故。
まさかそんな…というタイトルの意味をぐっと考えさせられような結末は
衝撃的だしぐっと心を捕まれてしまいました。
ロードレースって個人戦だけどやっぱりチーム戦で、そしてもっともっと深いところで
つながってるんだなと。
人が死んでいるのに読後感爽やかでスポーツにかける青春って輝いてていいなって
思います。

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