まずは、リンナイの「カビ対策○×クイズ」10問に挑戦してみよう。
■リンナイ作成「カビ専門家 矢口先生監修 カビ対策○×クイズ」
□ 1. 入浴後は浴室のドアを開けておく
□ 2. 重曹はカビに効く
□ 3. パッキンのカビはスポンジでこする
□ 4. 圧縮袋はカビを防ぐ
□ 5. 湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える
□ 6. 浴室のカビ掃除は天井から
□ 7. 玄関はカビが生えづらい
□ 8. 冬の結露もカビの温床になる
□ 9. パッキンのカビ汚れは落ちない
□ 10. 使用後の洗濯機のフタは開けておく
自信のほどはいかがだろう? 実は1番は、今年の正月に筆者も実家でもめたばかり。実家で入浴後に浴室のドアを全開するように言われたが、そうすると浴室の湿気が部屋中に流れるからやってはいけないと答え、ひと悶着(もんちゃく)あったのだ。
正解は以下のとおり。
1. 入浴後は浴室のドアを開けておく (×)
2. 重曹はカビに効く (×)
3. パッキンのカビはスポンジでこする (×)
4. 圧縮袋はカビを防ぐ (〇)
5. 湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える (×)
6. 浴室のカビ掃除は天井から (〇)
7. 玄関はカビが生えづらい (×)
8. 冬の結露もカビの温床になる (〇)
9. パッキンのカビ汚れは落ちない (×)
10. 使用後の洗濯機のフタは開けておく (〇)
正解数 | 判定結果 |
---|---|
7 問以上 | カビ対策優等生 |
5~6 問 | 合格点 |
4 問以下 | 間違った知識でカビ対策を行っている可能性あり |
筆者の場合、パッキンを歯ブラシでこすってしまったことがあることや、そもそも浴室の天井を掃除しないということなど、いくつか不正解はあったものの、7問以上正解の「カビ対策優等生」になれた。皆さんはいかがだったろうか?
リンナイが意識調査対象者にこの○×クイズを行った結果から、正解率の低いものをいくつか見ていこう。
最も正解率が低かった(正解率11%)のは、「5.湿度と温度の2つの条件が揃うとカビが生える」だ。カビが発生しやすいのは、「湿度(60%以上)」「温度(20~30℃)」「栄養分(食べカス・人のアカなど)」の3つの条件が揃うこと。矢口先生によると「浴室はせっけんカス、湯アカ、皮脂などカビの栄養源になるものが多く、温度と湿度が高いため、カビが目立つ」のだという。逆にいうと、どれか1つの条件を満たさなければ、カビは発生しにくくなるということを覚えておきたい。
次に正解率が低かった(正解率27%)のは、「1.入浴後は浴室のドアを開けておく」。カビ発生の3つの条件のうち、「湿度」を下げるには、浴室の水分を取り除くことが重要だ。矢口先生によると「入浴後にドアを開けておくと、脱衣所や居室の湿度が高くなり、屋外に面した壁や家具の裏など、思わぬ場所で結露を起こしてしまう」という。やっぱり、ドアを閉めて浴室乾燥機でしっかり乾燥させるのがよいのだ。
リンナイの意識調査では、「普段どのように浴室を乾燥させているか」という質問に対して、60%が「換気扇を使用する」と答え、「浴室のドアを開ける」は43%だった。
ちなみに、浴室の窓を開けて屋外に湿気を出す場合、窓を全開にすると浴室内の中央部分の空気が多く移動してしまうので、窓は細めに開けて、壁際に空気が通るようにするのがよいという。もちろん、雨の日は、窓を開けずに換気扇を使うのがよい。
続けて正解率の低いものを見ていこう。「4.圧縮袋はカビを防ぐ」(正解率33%)については、圧縮袋は湿気を防いでくれるため、上手に使えばカビ予防にもなるが、衣類が少しでも汚れていると袋の中でカビが繁殖してしまう場合もあるという。
「2.重曹はカビに効く」(正解率42%)については、重曹ではカビを根元から取り除くことができないので、次亜塩素酸ナトリウムが配合されたカビ汚れ専用洗剤を使うのがよいと矢口先生。
カビで悩むのは、「カビ汚れが落ちない」(カビ掃除の悩み不満1位:73%)だけでなく、せっかくカビを落としても「すぐにカビが復活する」(2位:64%)ことだ。
矢口先生によると、「空気中に浮遊するカビの胞子が落下して定着し、そこで発芽、菌糸を成長させ、さらに胞子をつくって増殖する」のがカビ発生のメカニズムで、「カビの菌糸が目地やパッキンの隙間などに入り込むと、カビ汚れ専用洗剤が浸透しづらく、落ちにくい汚れとして残る」「洗浄後、カビの菌糸が少しでも残っていると、またそこから生育を始め、カビ汚れがすぐに復活する」のだという。
そこで矢口先生は、「溜めない・止めない・吸わない」が梅雨を快適に過ごす3つのポイントになると助言している。
■矢口先生監修 梅雨を快適に過ごす3つのポイント
1. カビの栄養源を溜めない
カビの栄養源となるもの、浴室では皮脂、せっけんカス、湯アカなど、リビングルームなどでは食べカス、ダニの死骸、ふん、土などを含むホコリをこまめに取り除くことが必要。掃除は朝イチに、ウェットタイプのモップで拭き取り、そのあとで掃除機をかけるのがよい。
2. 空気の流れを止めない
空気のよどんでいる場所、家具の裏、部屋の隅、クローゼット内、下駄箱内などはカビが生えやすくなる。カビの胞子が定着しないように、扇風機、サーキュレーターなどを使用して、空気の流れをつくること、つまり換気が重要。
3. なるべくカビを吸わない
カビを多く吸いすぎると呼吸器系のアレルギーを起こすことがあるので、カビをなるべく吸わないようにして、快適な生活を心がけて。
意識調査の結果を見ると、自宅のカビ汚れが気になる場所の1位は「浴室」(92%)だが、2位には「エアコン」(43%)が挙がった。エアコン内部の湿気を放置するとカビが繁殖しやすいので、エアコンを使い終わったらすぐに電源を切らず、15~20分ほど送風運転して乾燥させるとよいという。また、梅雨時は部屋干しをしたくなるが、浴室乾燥機が備わっている場合なら、浴室のような小さな部屋は効率よく湿度を下げることができるので、浴室で衣類を乾燥させるのがオススメだという。
じめじめした梅雨をカビの汚れ取りに追われないように、正しい知識で快適に過ごしてほしい。