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日笠由紀
2016年4月26日 (火)

浄水器のカートリッジ、ちゃんと換えている派が約6割も

浄水器のカートリッジ、ちゃんと換えている派が約6割も
写真:iStock / thinkstock
一般社団法人浄水器協会によると、全国の浄水器普及率は40.5%(2015年調査)。ただ、これらの世帯が、適切なメンテナンスをしながら使えているのかは疑問だ。そこで今回、SUUMOジャーナル編集部は、「浄水器アンケート」を行った。

約3世帯に1世帯がキッチンに浄水器を設置している

全国の300世帯を対象に、浄水器を設置しているかどうかや、手入れをしているかどうかを尋ねた今回のアンケート。まず、そもそも浄水器や浄水ポット(以降、まとめて「浄水器」とする)をキッチンに設置しているかどうかを尋ねる質問には、33.0%が「はい」と答え、約3世帯に1世帯が、キッチンに浄水器を設置済みであることが分かった。

さて、その、「設置率」に、エリアごとの違いはあるのだろうか? 首都圏や関西圏、主要な地方都市などの都市エリアと、それ以外の地域とで見ると、都市エリアに住む世帯の設置率が38.0%なのに対して、その他のエリアに住む世帯の設置率は30.5%と、都市エリアの方が設置率が高い傾向が見られた(図1参照)。

【図1】都市エリアの世帯のほうが、浄水器を設置している世帯の割合が約8ポイント高い(SUUMOジャーナル編集部)

【図1】都市エリアの世帯のほうが、浄水器を設置している世帯の割合が約8ポイント高い(SUUMOジャーナル編集部)

ただし、浄水器を設置していない世帯の人にその理由を尋ねたところ、都市エリアでも「特に水道水に問題を感じていない」という声がかなり見受けられ、その他のエリアでは「(その地域の水の)水質や味に誇りを持っている」という声が複数聞かれた。最近では、「水道水=まずい」というイメージが一般的かと思っていたが、水道水は思っていた以上に全国的に支持されているようだ。

Q.浄水器を設置していない理由は何ですか?(自由回答)

・水道水は別にまずくないし、余計なお金を掛けたくないから(神奈川県・男性)
・水道水で十分満足しているので(東京都・男性)
・福井の水はおいしい(福井県・男性)
・名古屋市の水道水はそのまま飲むのがおいしい(愛知県・男性)

コンパクトでラクに設置できる「蛇口直結型」浄水器が人気

浄水器を設置している人に、「どんなタイプの浄水器を設置していますか」と尋ねたところ、一番多かったのが、蛇口に取り付けるだけで使用できる上にコンパクトで場所を取らない「蛇口直結型」で、約6割と突出していた。次いで、カートリッジを取り換える頻度が1年程度で済む「据え置き型」が16.2%、設置の手間がかからず気楽に使える「ポット型浄水器(あるいは『浄水ポット』)」が12.1%で続いた。

Q. どんなタイプの浄水器を設置していますか(複数回答)

1位:蛇口直結型(62.6%)
2位:据置型(16.2%)
3位:ポット型浄水器(あるいは「浄水ポット」)(12.1%)
4位:水栓一体型(9.1%)
5位:元栓直結型(5.1%)
6位:分からない(1.0%)

カートリッジを定期的に交換しているのは約6割

浄水器は一定量の水をろ過すると寿命を迎えるため、定期的にカートリッジを取り換える必要があるが、浄水器を設置している世帯は、きちんとカートリッジを交換しているのだろうか? そこで「カートリッジを決められた時期に交換していますか?」と尋ねたところ、62.2%が「はい」と答え、約3世帯に2世帯が定期的にカートリッジを取り換えていることが分かった。

皆さん、意外と律儀に交換しているようだが、それはなぜなのだろうか?

Q.カートリッジを定期的に交換している理由を教えてください(自由回答)

・交換時期にピッピと鳴るようになっており、耳障りなのですぐに交換している(大阪府・女性)
・1年ごとに交換することになっているが、そこを敢えて11カ月で換えるように設定。交換時期をカートリッジに記入しておくので忘れずに交換できている(岡山県・女性)
・あとどのくらいで取り換え時期なのかが分かるカウントダウン方式の表示装置が浄水器についており、あらかじめ交換用のカートリッジを買っておくようにしているので、交換時期には常にカートリッジが手元にある状態だから(福島県・女性)

浄水器には、液晶で表示するなど、カートリッジの交換時期を知らせる工夫が施されているものが多く、そうした浄水器自体の進化のおかげで、使う側も適切な時期に交換する習慣が定着しているようだ。

また、定期的にカートリッジを交換している割合をエリア別に見たところ、都市エリアのほうが、まめに交換する世帯の割合が多い傾向が見られた(図2参照)。

【図2】都市エリアのほうが、カートリッジを定期的に交換している世帯の割合が10ポイントほど高い(SUUMOジャーナル編集部)

【図2】都市エリアのほうが、カートリッジを定期的に交換している世帯の割合が10ポイントほど高い(SUUMOジャーナル編集部)

カートリッジ交換のついでにほかのパーツもお手入れ

「浄水口などのパーツを定期的にお手入れしていますか?」というカートリッジ交換以外の手入れについての質問には、「はい」と答える世帯が49.0%、「いいえ」と答える世帯が51.0%と、答えがほぼ同数ずつに分かれる結果に。どうやらカートリッジ交換ほどまめには手入れをしていないようだ。

では、こうしたカートリッジ交換以外のお手入れは、どんな理由やタイミングで行うのだろうか?

Q. 浄水口などのパーツを定期的にお手入れしている理由を教えてください(自由回答)

・4カ月に1度のカートリッジ交換のときに、ついでに掃除をするようにしているので(埼玉県・女性)
・白いプラスチック部分は汚れが目に付くので、気付くたびに洗っています(愛知県・男性)
・ゴムパッキンが弱くなってきたなと思ったときにパッキン交換を行っている(熊本県・男性)

黒ずみやぬめりなどの汚れに気付いたときに必要に応じて洗うという声と共に、カートリッジ交換時、ついでに掃除をするという声も多く見られ、結果的に定期的な手入れができている世帯が多いことが分かった。

カートリッジには、活性炭などをはじめとするさまざまな仕組みのフィルターが使われているが、多くのフィルターは、時間がたつと吸着力が失われたり、カビが発生したり、不純物が溜まってしまったりする危険性をはらんでいるという。

しかも、不純物がフィルターに吸着し過ぎて、それ以上吸着できない状態になると、吸着効果がなくなるだけでなく、フィルターが目詰まりをおこし、浄水の水量が少なくなったり、ろ過する水に、フィルターに吸着していた物質が流れ出てしまったりする可能性がある。浄水器を使うことで、かえって逆効果となってしまうかもしれないのだ。それだけに、カートリッジを適切な時期に交換することは、どんなに面倒でも、浄水器を使う上では必要なメンテナンスと言えそうだ。

●調査概要
[水の使用に関する調査]より
・調査期間:2016年3月28日~2016年3月29日
・調査方法:インターネット調査(ネオマーケティング)
・対象:都市エリア(東京・千葉・埼玉・神奈川・京都・大阪・兵庫・奈良・仙台市・福岡市・札幌市・広島市)、その他エリアに居住する20代・30代・40代・50代以上の男女・有効回答数:300名(男性130名、女性170名)
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