サッカーの聖地・ブラジル。サッカー留学なども耳にすることがあるが、住むならどんなところがいくらくらい? いまいちイメージのつかないブラジルの住宅事情……。
そこで今回は、ブラジルの住宅事情について『スターツブラジル』に話を伺った。ブラジルの住まいは分譲、賃貸のどちらが多いのだろう?
「サンパウロでも諸外国の住宅事情と似ていて、賃貸専門の住宅はほとんどありません。賃貸アパートの多くは分譲リースです。特に日本人駐在員の借りているアパートは、“クラッチ”と呼ばれるサービスアパートメント(長期滞在ホテル)、もしくは分譲住宅のリースですね」
なるほど、ではまずブラジル人の一般的な住まいは?
「サンパウロを例にお話ししますと、中間所得者層のファミリーの場合は郊外の新築で1000万~3000万円のアパート、3寝室、100平米くらいになります。富裕層では、郊外に本宅1000平米以上の住宅でも珍しくありません。さらにサンパウロの中心部に生活用のアパートをいくつかお持ちです。それぞれヘリポート付きで、400~800平米、数億円~数十億円になります」
富裕層の住宅は、なんと1000平米以上! つぎにブラジルへ赴任している駐在員の住宅はどうなのだろう。
「日本人駐在員が住んでいるのは、Jardim Paulista,Paraisoエリアの、RC造のアパートがほとんどです。このエリアは、サンパウロでも最も危険度が少ないのです。ブラジル全体の殺人事件数は日本の40倍に上りますので、日本人が住まう住宅には必ず鉄柵が張り巡らされています。入口は2重の門があり、入退チェックが無いと中に入れません。家賃や広さには幅がありますが、単身で1~2寝室、40~90平米、家賃は15万円~50万円。ご家族では2~4寝室、60~200平米、家賃は25万円~75万円くらいです」
最後に、日本にはないブラジル特有のインテリアや設備を聞いてみた。
「使用人部屋や、各居室にバスルームがついていることも多いですね。ジムやプール、遊び場、バーベキュースペース、プールなどがついているアパートもあります」
ブラジルに住む上での大切なことを聞いてみると、「期日が守られにくいがイライラしないこと、周りを当てにし過ぎず自分自身で生活を守ること、一番は治安対策」とのこと。一見贅沢な暮らしのようだが、治安や習慣の違いを超えてブラジルで生活するためには、安心して住める住宅は必要最低限の投資なのかもしれない。