今年もいよいよ梅雨入り。最近までの晴れ間は初夏のようだったが、陽気に浮かれてそのまま梅雨になり、結露や湿気対策を怠った結果、夏モノを出したら大量のカビが…!とならないために。この時期にできる湿気対策として、カビ発生を抑える暮らし方や根本的な方法をプロの視点からご紹介。
今回はAll Aboutで「掃除」ガイドを務める藤原千秋さんに、この時期にできる湿気対策を聞いてみた。
「カビ対策の基本は、換気の習慣です。昨今の気密性の高い住宅では、実は屋内のほうが高い湿度になることも。梅雨時は外の湿度が高いからと閉め切ると、かえってカビの温床になりやすいのです」
部屋干しして帰宅すると、なぜか部屋がムワっと。かと思えば時々ひんやりとすることもある…。あれはまさに湿度が原因。湿気対策として換気扇を回したり、除湿剤を置いたりしていますが、効果のほどは?
「換気扇は、ただ回していても換気はされません。空気の出入口を確保し、家の中に風が流れる状態を確保すること。窓を開けた自然換気のほうがいいでしょう。除湿剤も同様で、ただ置くだけではカーテン裏や押入れ奥にたまった湿気が取れないので、効果は限定的です」
つまり、除湿や防カビには、空気の循環ができる準備をしておくことがもっとも効果的と言える。屋内のカビの胞子を外に出す意味からも、頻繁に窓を開けて換気したほうが屋内環境は良くなるそう。
「換気=窓を開けるだけでOKではありません。そもそも開かずの窓や開かずのカーテンは、カビの温床をつくる大きな原因。まずは部屋を片づけて、空気に触れにくいカビの温床をなくしましょう。その上で“空気の通り道”を確保した部屋づくり・暮らしづくりが重要になるということです。
クローゼットや押入れなど湿気が不安な場所も、例えば“すのこ”を敷くだけでは意味がなく、内部に空気を通せる隙間をつくることが重要なのです。5月はもちろん、40%程度と湿度の低い日には梅雨時でも扉を開けて、新鮮な空気を通してあげてくださいね」
来月は、人によっては賞与も出る6月。お財布も頻繁に確認することで無駄遣いを防げるそうで、風通しの良い習慣づけが対策となる好例かもしれない。曇り空にじめじめとしがちな気分も変わり一石二鳥、風通しを良くする湿気対策で、カビの心配なく夏に突入したい。