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2013年3月25日 (月)

築50年近い古いマンションをリノベーションして新築では得られない自分仕様の住まいに

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目黒駅から徒歩約15分。閑静な住宅街にあるTさんの住まいは、築48年という古いマンションの住戸をリノベーションしたものだ。リノベーションのテーマは「ホテルライク」。どんな方法でマンションを手に入れ、どんなやりとりで住まいづくりを進めていったのか、住み心地はどうなのか、リポートを試みた。

■PROFILE
本人/Tさん(会社員・30代)

■住まいDATA
物件種別:マンション(SRC造7階建て)
所在地:東京都目黒区
築年数:48年
専有面積:67.71㎡
購入費用:2960万円
リノベーション費用:1450万円
工事期間:約3カ月
物件仲介・設計監理:ブルースタジオ

■間取図
間取図Before→After

間取図Before→After

■物件探しからリノベプランまで”ワンストップ”でリノベーション

「ずっと賃貸でいいかなと思っていたんです。賃貸なら多少気に入らないところがあっても、次に引越すまで我慢すればいいけど、購入してしまったらそうはいかないでしょ」
もともとインテリアに興味があり、住空間にこだわりを持っていたTさんだけに、間取りや内装が決まっている分譲マンションを購入するのはどうしても納得がいかなかった。そんなTさんの持論を変えたのは、近年増えてきた中古を買ってリノベーションするという考え方だった。
「最近は、物件探しから設計・施工までをワンストップで提供してくれるサービスがあると知り、これなら全行程がスムーズに進むだろうと、ブルースタジオさんのセミナーに参加してみたんです」

■イメージをプレゼンテーション

セミナーに参加することでさらに意を強くし、すぐに物件探しが始まった。それと併行してTさんが行ったのは、自らが抱いているリノベーションへのイメージをPowerPointで作成し、ブルースタジオの担当者にプレゼンテーションすることだった。
「事前にそれを渡しておけば、僕が何を望んでいるかひと目で分かりますし、物件選びから考慮していただけると思ったんです」

Tさんが購入を決めたのは、目黒区で築48年というマンション。当初、エリアにはこだわらなかったが、逆にそれによって収拾がつかなくなり、最終的には勤務先に近い目黒に絞った。偶然だったが、角住戸で3面採光という好条件の物件だった。

住まいに対して熱いこだわりはあるが、空間と同様にとてもクールな雰囲気のTさん

住まいに対して熱いこだわりはあるが、空間と同様にとてもクールな雰囲気のTさん

■テーマは”ホテルライク”と”バランス”

Tさんがつくったプレゼン資料の1ページ目には「表テーマはホテルライク、裏テーマはバランス」とある。さらにページを繰ると、そのテーマに沿ってリビング、ダイニング、キッチンから寝室、浴室、廊下、収納にいたるまで、具体的な要望が雑誌から切り抜いた写真とともに提示されている。浴室を例にとれば、バスタブの形状に始まって、「レインシャワーは絶対アイテム!」、「ソープは壁のくぼみに置きたい」という具合だ。
「リビング・ダイニングは幅広の無垢のオーク材を使いたかったんです。そこに置くソファも<TRUCK>のFK SOFAと決めていました。いっぽう、寝室の床はカーペットでとお願いしました」

全体はシャープでクールな「ホテルライク」な印象だが、無垢材のぬくもり、コンクリート打ち放しのザラザラな天井、ピンクのトイレなど、裏テーマの「バランス」もしっかり実現された。

寝室に付属して浴室と洗面所を設けた。天井は低くなったので一部を上げて圧迫感を減らした

寝室に付属して浴室と洗面所を設けた。天井は低くなったので一部を上げて圧迫感を減らした

カウンター下に収納をつくらないシンプルな洗面台。左のブラインドの中に洗濯機を収納

カウンター下に収納をつくらないシンプルな洗面台。左のブラインドの中に洗濯機を収納

(左)ユニットではなく造作の浴室。ガラス張りにし、レインシャワーとソープを置くくぼみも設けた(右)白がベースのインテリアだが、トイレの壁は鮮やかなピンクに。飽きたら自分で塗り替えようと思っている

(左)ユニットではなく造作の浴室。ガラス張りにし、レインシャワーとソープを置くくぼみも設けた/(右)白がベースのインテリアだが、トイレの壁は鮮やかなピンクに。飽きたら自分で塗り替えようと思っている

■お金は自分の家の”中”に使いたい

リノベーションでいちばん気をつかったのは、あれもしたいこれもしたいと積み上げすぎないこと。確かに、Tさんには数多くのこだわりがあったが、「できるだけその気負いを見せない」ようにしたという。例えばダイニングの壁の棚板。大きな食器棚を置きたくないので最小限の食器が置ける棚板だけにした。キッチンも必要な設備はそろっているが、できるだけコンパクトに。削ぎ落とすというマイナスの発想だ。
「立地からすると、この金額では新築マンションを買えないだろうし、買えてもきっと思うような住まいじゃなかったでしょうね。僕は自分の家の中にお金を使いたかったんです。新築では外観だったりブランドだったり、そうはいきませんよね(笑)」

将来ずっと住み続けるかどうかは分からないものの、すべて自分の背丈や独自のこだわり、ライフスタイルに合わせてつくったというTさん。金額以上の出来映えにはとても満足している。

(Before)LDKの一部に和室があり、さらに玄関の近くに洋室もあった⇔(After)無垢のオーク材の床に置く家具は最初からほとんど決めていた。ダイニングの壁に最小限の食器棚

(Before)LDKの一部に和室があり、さらに玄関の近くに洋室もあった⇔(After)無垢のオーク材の床に置く家具は最初からほとんど決めていた。ダイニングの壁に最小限の食器棚

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連載 住まい実例 費用・間取りも公開 実際のお宅の間取りや費用・居住者の声などを具体的に紹介。家を建てたりリノベーションをする際の参考に。
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