国土交通省がこのほど発表した「2010年度住宅市場動向調査」によると、注文住宅を建てた人が、その住宅に決めた理由(下記図1)として、最も多かったのが「信頼できる住宅メーカーだったから」(49・1%)。次いで多かったのが「住宅のデザイン・広さ・設備等がよかったから」(34・0%)。この結果から、やはり注文住宅の場合は、立地環境などに比べて、建てる会社の信頼性や住宅の内容がより重視されていることがわかった。
その住宅の内容について聞いた結果(下記図2)によると、「高気密・高断熱住宅だから」(59・9%)と「住宅のデザインが気に入ったから」(58・7%)が上位に並んでいる。デザイン以上に省エネに通じる高気密・高断熱住宅への関心が高いこともわかった。また3位に「火災・地震・水害などへの安全性が高いから」(49・8%)が挙げられ、間取りや部屋数、広さなどよりも上位に来ている。この結果からは、注文住宅を建てる人は、さまざまな性能に対する関心が非常に高いことがうかがえる。
これから家づくりを考えている人は、こうした先輩たちの調査結果も参考に、どんな家に住みたいかイメージをふくらませてほしい。
次に住宅ローンについての調査結果を見てみよう(下記図3)。選んだ金利タイプを聞いたもので、1位は「10年以下(3年以下及び5年以下を除く)の固定金利期間選択型」(35・3%)。次いで「変動金利型」(29・9%)で、この2つで60%以上を占めている。
10年を超える長期の「全期間固定金利型」を選んだ人は4.9%。この中には「フラット35」も含まれているが、「フラット35S」の当初10年間年率1%金利引き下げにメリットを感じて選んだ人も多いと思われる。しかしこの制度は、当初の想定を大きく上回る申し込みがあったため、2011年9月30日で受付が終了されることになったので注意が必要だ。
なお、2011年10月1日から2012年3月31日までフラット35Sの申し込みを行う場合の当初10年間金利引き下げは年率0.3%となる(フラット35S20年金利引き下げタイプの場合は、当初20年間年率0.3%引き下げ)。この期間についても募集金額に達する見込みとなった場合は繰り上げ終了される。
※ 国土交通省2010年度「住宅市場動向調査報告書」より、注文住宅を建てた人(2009年4月から2010年3月の間に自分の家を建て、入居済みの人)の調査結果を一部抜き出したもの。アンケート対象地域は全国
構成・文/林直樹