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本と宴へようこそ。
どうも、宴です。
寒い冬から解き放たれ、やっとのことで4月。春です。今年の冬は雪がひどかったので、引きこもり読書日和が続いていましたが、春は春で暖かくて、また一段と読書が進む気がしますね。
ということで、今回は『【おすすめ10選】2022年4月に読んだ本ランキングベスト10【小説、エッセイ】』をご紹介させていただきます。
<おすすめ記事>
2022年4月に読んだ本ランキングベスト10
2022年4月は、ブログ1日2回更新企画を行っていたこともありまして、あまり読めず16冊読了でした…え、16冊!? すいません、そこそこは読んでいました。
ただ読書中毒者を名乗っている以上、月20冊は読みたいところです。なので、5月は20冊と言わずに、40冊読了を、いや、やっぱり20冊読了を目指します。志は低くがモットーですので。
それでは今月読んだ本の一覧です。
かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖/宮内悠介
残月記/小田雅久仁
男の愛/町田康
ばにらさま/山本文緒
三十の反撃/ソン・ウォンピョン/矢島暁子
ブランド/吉田修一
一ノ瀬ユウナが浮いている/乙一
ミトンとふびん/吉本ばなな
コロナと潜水服/奥田英朗
燃える息/パリュスあや子
怪物/東山彰良
心心 東京の星、上海の月/石田衣良
青空と逃げる/辻村深月
今夜/小野寺史宜
僕の神さま/芦沢央
三十の反撃/ソン・ウォンピョン/矢島暁子
この中からベスト10を選抜していきます。
それでは10位から順にご覧ください。
10位 ミトンとふびん/吉本ばなな
愛は戦いじゃないよ。愛は奪うものでもない。そこにあるものだよ。たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていくーー。凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編からなる短篇集。(「BOOK」データベースより)
温かさ | 9/10点 |
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ドキドキ | 5/10点 |
感動 | 8/10点 |
切なさ | 8/10点 |
読みやすさ | 8/10点 |
総評 | 7/10点 |
優しさとは何だろう? どうやら吉本ばななさんはその答えを知っているようです。
辛いことがあったからこそ、手に入れた優しさ。それは物語を派手にするわけでも、波立たせるわけでもないけれど、その分、たくさんの優しさが心に染み入ります。ふと人生を振り返った時に、本作を思い出すと心強い気持ちになれるかもしれません。
9位 青空と逃げる/辻村深月
深夜、夫が交通事故に遭った。病院に駆けつけた早苗と息子の力は、そこで彼が誰の運転する車に乗っていたかを知らされる…。夫は何も語らぬまま、知らぬ間に退院し失踪。残された早苗と力に悪意と追及が押し寄せ、追い詰められた二人は東京を飛び出した。高知、兵庫、大分、仙台ー。壊れてしまった家族がたどりつく場所は。(「BOOK」データベースより)
苦しさ | 10/10点 |
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ドキドキ | 6/10点 |
感動 | 8/10点 |
切なさ | 8/10点 |
読みやすさ | 7/10点 |
総評 | 7/10点 |
母と子の逃避行の物語です。そこにはいくつかの謎と切なさが散りばめられていて、胸を打ちつつもワクワクが止まりません。
また、本作は旅行記としての一面もあり、中でも『砂かけさん』には心を惹かれました。読めばきっと砂かけマイスターの技をこの身体で体験してみたい! と思うことでしょう。
8位 かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖/宮内悠介
明治末期に実在した若き芸術家たちのサロン、その名も「パンの会」。隅田川沿いの料理店「第一やまと」に集った。木下杢太郎、北原白秋、石井柏亭、石川啄木等々が推理合戦を繰り広げる。そこに謎めいた女中・あやのも加わってー若き芸術家たちが謎に挑む傑作青春ミステリ。(「BOOK」データベースより)
ミステリ | 8/10点 |
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ドキドキ | 9/10点 |
感動 | 6/10点 |
切なさ | 6/10点 |
読みやすさ | 9/10点 |
総評 | 8/10点 |
宮内悠介さんは実在した人物と出来事を巧みに使用し、心躍るミステリを完成させました。歴史と時代のロマンを感じさせる雰囲気抜群の一冊となっています。
登場人物たちはほとんど全員が芸術家たちということもあり、美というものを語りつくします。そこに放り投げられる事件、そして、名探偵の登場にはワクワクしてしまう他ありません。
7位 コロナと潜水服/奥田英朗
ある理由で家を出た小説家が、葉山の古民家に一時避難。生活を満喫するも、そこで出会ったのは(「海の家」)。早期退職の勧告に応じず、追い出し部屋に追いやられた男性が、新たに始めたこととは(「ファイトクラブ」)。人気プロ野球選手と付き合うフリー女性アナウンサー。恋愛相談に訪れた先でのアドバイスとは(「占い師」)。五歳の息子には、新型コロナウイルスが感知できる?パパがとった究極の対応策とは(「コロナと潜水服」)。ずっと欲しかった古いイタリア車を手に入れ乗り出すと、不思議なことが次々に起こって(「パンダに乗って」)。コロナ禍の世界に贈る愛と奇想の奥田マジック。紙の本にだけ、作中の登場曲が楽しめるSpotifyのプレイリスト付き!!(「BOOK」データベースより)
ほっこり | 10/10点 |
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ドキドキ | 6/10点 |
感動 | 7/10点 |
切なさ | 7/10点 |
読みやすさ | 10/10点 |
総評 | 9/10点 |
コロナ禍で荒みきってしまった心を癒す精神安定剤。それが本作です。人の心を癒してしまうハートウォーミングが成分として入っています。
多種多様な不思議で作られた笑いあり、切なさあり、熱量ありの短編たちは、コロナ禍でなくても荒んだ心を和らげてくれることでしょう。
6位 男の愛/町田康
清水次郎長、やくざデビュー。海道一の親分、清水次郎長の恋と生涯。(「BOOK」データベースより)
ユーモア | 10/10点 |
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ドキドキ | 7/10点 |
感動 | 5/10点 |
切なさ | 7/10点 |
読みやすさ | 9/10点 |
総評 | 9/10点 |
あの町田康さんが清水次郎長さんをどういう風に描くのか…と楽しみにしていたら、町田康節に染まっていました。清水次郎長さんのヤクザになるまでの物語がおもしろおかしく描かれています。
時代小説ということもありますが、丁度良い町田康節が炸裂しています。常連の方には少し物足りないかもしれませんが、町田康初心者には踏み出すきっかけとしてベストな作品かもしれません。
5位 燃える息/パリュスあや子
“依存”ד五感”、彼は私を、彼女は僕を、止められない。現代人の約七割が、依存症!?盗り続けてしまう人、刺激臭が癖になる人、運動せずにはいられない人、鏡をよく見る人、緊張すると掻いてしまう人、スマホを手放せない人ー抜けられない、やめられない。小説現代長編新人賞受賞後第一作!人間の衝動を描いた新感覚の六篇。(「BOOK」データベースより)
依存度 | 10/10点 |
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ドキドキ | 8/10点 |
感動 | 6/10点 |
切なさ | 8/10点 |
読みやすさ | 9/10点 |
総評 | 9/10点 |
一度ハマると抜け出せない依存の世界。その狂気めいたものにじわじわと心が支配されていきます。得体の知れないその怖さはやがて恍惚に変わっていくことでしょう。
心地よくもあり、触れたくもない矛盾したよくわからない感情に戸惑うかもしれませんが、恐れないでください。一緒にパリュスあや子さんに依存しましょう。
4位 ばにらさま/山本文緒
冴えない会社員の広志にできた彼女は色白でとびきり可愛い”ばにらさま”。日常の向こう側に見える心のあり様を捉えた6篇。(「BOOK」データベースより)
驚き | 10/10点 |
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ドキドキ | 8/10点 |
感動 | 7/10点 |
切なさ | 8/10点 |
読みやすさ | 9/10点 |
総評 | 10/10点 |
人間はいつも何かを抱えています。その抱えたものを山本文緒さんは卓越した文章力と手法で描きだすものだから、心が盛大にざわついてしまいます。一篇一篇読み終わった後の余韻にひとたまりもなくやられてしまうことでしょう。
また、物語の濃厚さだけではなく、うわぁっ! と読み手を驚かせることも忘れていません。痺れます。
未発表原稿があればまた別ですが、本作が山本文緒さんの遺作となります。今まで素敵な作品と出会わせてくれて、ありがとうございました。ゆっくりとお休みください。
3位 三十の反撃/ソン・ウォンピョン/矢島暁子
キム・ジヘ。平凡な彼女は、世の中にも会社にも期待することを諦めていた。だが、一癖ある同僚との出会いにより社会へ小さな反撃を始める。次第にジヘは自分らしい生き方を模索するようにー。第5回済州4・3平和文学賞受賞作品。(「BOOK」データベースより)
ワクワク | 10/10点 |
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ドキドキ | 9/10点 |
感動 | 8/10点 |
切なさ | 9/10点 |
読みやすさ | 8/10点 |
総評 | 10/10点 |
社会で生きていると仕方がないことばかりが目白押しで、なかなか思うように自分らしくは生きていけない…そんなお悩みを抱えた方に放たれる一撃です。ふざけたことでも、意味が分からない事でも、ただ黙っていても何も変わらない。じゃあ、何かやってしまおうかな、と思える一冊となっております。
何をしでかすかわからない登場人物たちにハラハラしつつも、いつの間にかもっとやれ! と応援してしまう矛盾にドキドキ。生きる勇気をたくさんもらえます。ユーモアに長けた文章にも注目です。
2位 怪物/東山彰良
鹿康平が怪物を撃ったのは一九六二年のことだった。わたしが書いた小説の冒頭だ。広東省上空で撃墜された台湾空軍B-17偵察機に乗っていた叔父が主人公のモデル。彼は敵国から奇跡の生還を果たしたのだー。台北出身の作家・柏山康平が執筆した長編『怪物』は高い評価を受ける。故郷に凱旋した柏山はその夜、同行した出版社社員椎葉リサと関係を持ってしまう。運命の女。乱舞する青い鳥。中世の王のごとく君臨する“怪物”との対決。恋そして冒険。唯一無二の圧倒的エンターテインメント!(「BOOK」データベースより)
雰囲気 | 10/10点 |
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ドキドキ | 9/10点 |
感動 | 7/10点 |
切なさ | 9/10点 |
読みやすさ | 6/10点 |
総評 | 10/10点 |
怪物とは一体誰なのかを描いた小説です。ダークでダウナーでファンタジーありのちょっとだけカオスな世界観は圧倒的です。めちゃくちゃ小説読んだ―! という気持ちにさせられます。
序盤の夢オチ宣言だったり、不思議で意表をついた展開に心をガッと鷲掴みされ、どんどん物語に引きずり込まれていくことでしょう。
1位 心心 東京の星、上海の月/石田衣良
渋谷にある専門学校の声優科に入学した石森陽児は、上海からやってきたアニメ好き少女・陽心心と出会う。異国の地でひたむきに夢を追う彼女に惹かれながら、幼馴染みの浩平、元高校球児の健太郎、子役あがりの遙、元キオスク女子の真琴といった年齢も出自も違う仲間たちとともに特訓の日々を送る。ある日の夕方、浩平に誘われ帰宅する心心のあとを興味本位でつけたところ、彼女を見張る不審なクルマに気づく。心心が抱える秘密とは?そして彼女は何者なのかー?(「BOOK」データベースより)
ワクワク | 10/10点 |
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ドキドキ | 9/10点 |
感動 | 8/10点 |
切なさ | 8/10点 |
読みやすさ | 9/10点 |
総評 | 10/10点 |
アニメや声優さんが好きな人にはぜひ読んでいただきたい一冊です。アニメの作品名がバンバン登場したり、悟空の物真似が頻繁にあったり、ついついニヤリとしてしまうこと間違いなしです。
声優たちの卵の青春を描いた小説ですが、見え隠れする心心という少女の秘められた謎が物語を揺らします。まさかこんな展開になるとは…予想外も展開に胸が熱くなってしまいます!
最後に
堂々の2022年4月に読んだ本ランキングベスト1は石田衣良さんの『心心 東京の星、上海の月』でした。僕の『名刺代わりの小説10選』に変動があるかもしれません。
それにしても、今月読んだ本は本当に傑作ぞろいでして、すごく迷いながら選抜いたしました。どの作品もおもしろいことには変わりませんので、機会があればぜひお手に取ってみてください。
それでは本日はこのへんで。
ご覧いただきありがとうございました。
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