最近じわじわと知名度を上げているアメリカ・ニューヨークを拠点とするIT企業「squarespace(スクエア・スペース)」
昨年ブランドのロゴ、アイデンティティをリニューアルしており、より洗練されたイメージとなって日本でもその存在感が増してきています。
2003年に登場したスクエアスペースは、wordpressやwixなどのように、事前に準備されたテンプレートを使って、HTMLやCSSの知識がなくても簡単にWEBサイトを作ることができるサービスで、クオリティの高いデザインテンプレートが利用できることが特徴となっています。
ブランドのリニューアルでは、シンボルとタイプフェイスにマイナーな調整が加えられた形で、以前のものよりも太くどっしりとした印象に変更されました。デザインの専門職の方以外には違いを意識することが少ない変化ですが、すべてのタイポグラフィが新たにデザインされており、それぞれが見事なバランスで配置されています。
製作はsqspクリエイティブチームとキネティックアイデンティティと書体研究を専門とするDIAを中心としたチームが、スイス出身のグラフィックデザイナー・タイプデザイナーであるFrançoisRappo(フランソワ・ラッポ)、Optimo Type Foundryの共同で製作したまったく新しいカスタムフォント「Clarkson」をベースに設計されています。
一見普通のサンセリフ体ではありますが、ラインの幅やテール部分など独自にデザインされています。Clarksonはスイスのタイプデザインの流れをくむNeo Grotesque(ネオ・グロテスク)系の高い視認性と洗練されたイメージをもとにスクエアスペースならではの個性を感じさせるようにデザインされています。
現在有名なテクノロジー企業はカリフォルニア州シリコンバレーに多く、ニューヨークのIT企業は以外にも少なくSquarespaceは数少ない企業の1つ。そしてニューヨークの遺伝子を受け継ぐ企業として、ニューヨークが生み出してきた芸術や建築、ファッションなど先進的なニューヨークのイメージをタイプデザインに盛り込んでいるという。
また、動きの激しいニューヨークを表現するDIAのキネティック・タイプフェイスが独自のアイデンティティの表現を明確にしています。
上記のサイトでは、DIAのキネティックタイプフェイスが見れますが、シンプルなモノクロのタイポグラフィと図形でニューヨークのIT企業らしい雰囲気が表現されています。また、サウンドもクエストラブ(フィラデルフィアのヒップホップバンド:The Rootsのドラマー)のドラムのようなストリートなビートとホーンサウンドでジャズっぽさが演出しています。
さすが、NYのIT企業という感じでレベルの高さを実感しますね。日本じゃまだキネティック・タイプフェイスとサウンドデザインをブランドアイデンティティに組み込む事例は大企業のごく一部でしか見られませんが、海外では相当高いレベルでデザインされていますね。Squarespaceのこのアイデンティティデザインはその良い事例と言っていいのではないでしょうか。
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