アメリカのクレジットカード大手MasterCard(マスターカード)が、16年に続き、マスターカードブランドのロゴデザインを新しくすると発表しています。
VISAと並び世界2大クレジットカードブランドとされる国際ブランドであるマスターカード。ご存知の方も多いのではないかと思いますが、2016年に約20年ぶりのロゴのリニューアルをして、現在のデザインとなりました。
2つの円の中に「MasterCard 」と白抜きで表記されていたものを円の外(下側)への配置と変更しました。
その際、フォントも変更し表記も全て小文字の「mastercard 」へ変更しています。
中央の円の重なり部分もシンプルな中間色へと変わっています。
そして今回の変更では外に出した「mastercar d」の文字を外してしまうという。赤とオレンジの連円のみのシンプルなデザインに変わるようです。
変更後は文字がないので、赤とオレンジの連なる2つの円だけを見てマスターカードと認識させることになります。
マスカーカードは、1966年に米インターバンクとして始まり、マスターチャージ時代を経て1979年にマスターカードという名前になります。現在では210を超える国と地域の消費者、金融機関、加盟店、政府および企業を結び付ける超巨大企業となっています。
赤とオレンジの重なる円自体はマスターチャージの頃に策定されていますので、約半世紀にわたり使われています。途中、円の重なり部分のデザインと、円の色が数回変更されていますが、ほぼ同じビジュアルアイデンティティとして使われていることを考えれば、もはや文字がなくてもそれが何のロゴなのか認識させることは難しくないのかもしれません。
今回発表された新しいロゴと過去使われていたロゴ一覧。
そのあたりについて、マスターカードのマーケティング最高責任者であるRajamannar氏は、ロゴにテキストがなくても認識できるかどうかのテストを約20ヶ月もの時間をかけて世界規模で検証し、実施するに至ったと話しおよそ80%の人がテキストがなくてもそれがマスターカードだと認識している事実があると言っています。
実際、他の大手クレジットカードのロゴで、ブランド名の表記がないところはなく、VISA、JCB、アメリカンエキスプレス、ダイナース、どれも全てブランドの名前がロゴに入っています。
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マスターカードを既に知っているなどにとっては、それが何を意味するかすぐにわかると思いますが、馴染みのない人にとってはどのような認識になるのでしょうか。
極端に言ってしまえば、ブランド名がわからなくても、2つの円のマークと認識しさえすれば、混乱することもないかもしれません。
クレジットカードカード会社以外では、有名なところではAppleやNIKEなどがワードマークがないロゴとして広く認知されていて、マスターカードも今後リンゴやスウォッシュのようなアイデンティティ構築を目指していくことになりそうです。
前回マスターカードのロゴデザインは、ロンドン、ニューヨーク、ベルリンにオフィスを構える世界有数のデザイン事務所Pentagram (ペンタグラム)でしたが、今回も同じくペンタグラムが行なっているようです。
ペンタグラムのパートナーであるMichael Bierut氏曰く「マスターカードは創業以来、2つの連動する赤と黄色(オレンジ)の円で表されることに大きな成功を収めており、これから、このシンボルを独自に輝かせることで、マスターカードは“名前ではなくシンボルで表されるブランド”になる」。と言っています。
いずれにしろ、大手クレジットカードブランド初となる試みが今後どのようになるかデザイン的な観点からみて楽しみではあります。
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