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1999年、フランスの高級宝飾ブランド・モーブッサンなどで時計ビジネスに携わっていたリシャール・ミルが、フランスで時計会社を設立。2年後の2001年に自身の名を冠したブランドで高級時計の世界にデビューする。リシャール・ミル本人は自身の役割を“コンセプター”と位置づけ、自ら設計やデザインを行うのではなく、自由な発想でコンセプトを練り、それを具現するのに最適な外部サプライヤーにパーツなどの製造を依頼する。彼が提唱するブランドコンセプトが“時計のF1”、すなわち軽量かつ強靭で、極限状態での使用にも耐えうる時計である。
ファーストモデルとなった「RM 001 トゥールビヨン」では、F1や航空宇宙産業で使われる素材や技術を採用し、ダイヤルにサファイアクリスタルを使用してトゥールビヨンのキャリッジと輪列を見せた文字盤と、まるで建築物かのような立体構造のトノー形ケースのインパクトが耳目を集めた。以後、それまでの時計製造ではまず使われなかったハイテク素材に着眼。カーボンファイバーやカーボンコンポジットをいち早く採用し、近年ではエアバス社のプライベートジェット専門チームとのコラボで生まれたチタン・アルミニウム合金製ケース、マクラーレン・ホンダがF1のレースカーにも使用しているグラフTPT (TM)など、その種類は枚挙にいとまがない。こうしたハイテク素材でつくられる時計の軽さや強靭さ、耐衝撃性などをアピールするために、ワールドクラスの一流アスリートをパートナーとして起用。カーレーサーやゴルファー、テニスや陸上のアスリートが着用したことも話題となり、世界的にその名を轟かせている。